ニューヨークタイムズ前支局長が安倍政権の海外メディア圧殺の手口を暴露! 「日本の報道は安倍に分断されている」と警告も

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〈一国のリーダーが想定問答のような記者会見を開くなど、民主主義国家では考えられない。アメリカの大統領が記者会見を開くときには、質問項目など誰も事前には提出しない。記者はあらゆる角度から実にさまざまな質問を投げかけ、なかには大統領にとって相当にタフなやり取りもある。政権に批判的な質問もあるのは当然だ。〉

 だが、ファクラー氏によれば、2014年に自民党の山谷えり子国家公安委員長(当時)がFCCJで会見を開いた際、フリーランスの記者たちが在特会との関係について質問を浴びせかけてから、〈あれ以来、FCCJは自民党から目の敵にされている〉という。つまり、安倍政権にとってみれば、骨抜きになっている国内メディアは“政権の広報”で、一方、シビアな疑問をぶつける海外メディアなどは“利用価値がない”ということなのだ。

 これに関してファクラー氏は、9.11の後に米ブッシュ政権が諸国家を“敵と味方”に分けて「有志連合」をつくりあげたことと似ていると書く。実際に、安倍政権は〈味方のメディアと協力し、敵がたのメディアを一気に叩く〉というメディア戦略を次々と露わにしている。

 たとえば昨年、安保法審議中に安倍首相が生出演したのは読売テレビ『情報ライブ ミヤネ屋』とフジテレビ『みんなのニュース』だけだったが、安倍シンパ団体「放送法遵守を求める視聴者の会」によるTBS『NEWS23』岸井成格攻撃の全面意見広告を掲載したのも、安倍政権に近い読売新聞と産経新聞だった。また、一昨年、朝日新聞が「吉田調書」関連の自社報道を取り消した際、読売と産経は政府の吉田調書全文公開に先駆けてその全容をスクープしていたが、そこではもっぱら朝日バッシングが繰り広げられており、調書を隠蔽していた政府を批判するものではなかった。これも、官邸が“朝日潰し”のため読売と産経に情報をリークしたからだと見られている。

 この“アメとムチ”を使ってマスコミを分断させる手法は、海外メディアに対しても見られる。たとえば、第二次安倍政権以降、「ニューヨーク・タイムズ」が安倍首相に単独インタビューする機会は一度も訪れなかったが、ライバル紙である米「ワシントン・ポスト」は3度も単独インタビューに成功している。しかも、「ワシントン・ポスト」による3回目(15年3月26日)の安倍首相インタビューを担当したディヴィッド・イグナチウス氏は、日本での取材経験があまりない「コラムニスト」で、これも官邸による“厳しい質問をさせないための人選”だったと、ファクラー氏は記している。

 事実、このワシントン・ポストのインタビューは、その直後に控えていた米議会での安倍首相の演説前にアメリカでの歴史修正主義者との批判を打ち消す狙いがあったと言われていた。このとき、安倍首相は従軍慰安婦について「慰安婦は人身売買の犠牲者」(these people, who have been victimized by human trafficking)と発言し問題になったが、もしもファクラー氏のような慰安婦問題をよく知るジャーナリストによるインタビューであったならば、取材中にこの点をより強く追及されたはずだろう。ファクラー氏が言うように、〈日本を拠点に置く特派員ではなく、わざわざアメリカからやってきたコラムニストを相手にした官邸のメディア戦略は、結果的にうまくいった〉のだ。

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