御年93歳、瀬戸内寂聴がSEALDsメンバーとの恋愛小説を発表! ホリエモン的新自由主義男をバッサリ

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 戦争は「完全に経済の問題」と言って聞かない堀江は、瀬戸内が徴兵制の危機感を語っても“コストに見合わない”の一点張り。挙げ句、「僕は、(中略)戦争が起こったら、真っ先に逃げますよ。当たり前ですよ」「行かれない(逃げられない)人はしょうがないんじゃないですか?」とまで言い切っている。

 きっと瀬戸内は、コストでしか戦争を見ず、「戦争になったら自分は逃げるし」と政治を他人事にしてしまう堀江に、SEALDsと対照的な“もう一方の若者像”を見出し、小説に登場させたのだろう。いや、むしろ本作はSEALDs小説というよりも、「堀江のように自分のことしか考えていない、現実の危機に鈍感なバカ男と付き合う意味はない!」と訴えているような気もする。

〈今が楽しくて、未来なんてゆっくり考えたこともなかったけど、私たちって、今日生きてることが当たり前で、明日も今日と同じ日が来るって思ってるけど、明日、生きてるかどうか誰にもわからないよね。〉
〈瑛太は笑うけど、デモってる時って体の中が透明になって、自分のことなんか無くなっちゃう。みんなで生きようよって、高揚した気分が体いっぱいにみなぎってくる……瑛太、わかって。私は瑛太のきらいなデモに行きつづけます。〉

 瀬戸内はこの夏、体調不良をおして国会前で行われた「総がかり実行委員会」のデモに参加している。瀬戸内が直接、SEALDsのデモに参加したかどうかはわからないが、若者たちが声をあげる姿に希望を感じた、そのことが本作からはよく伝わってくる。

 ちなみに、いまだに粘着ともいえるほど堀江はSEALDsのニュースに反応しては腐しつづけている。そしてこの小説を読み、求心力を失った元青年実業家がSEALDs人気に嫉妬しているのだなあ、と理解できた。まあ、普通に考えて、あらゆる事象をコストで語り、「戦争になったら逃げる」などと言う現実無視の思考力ゼロベース人間は、この時代、人気者にはなれないと思うが。
(大方 草)

最終更新:2015.11.02 07:02

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