巨額粉飾の東芝は労働環境もブラックだった! 不正経理の“元凶”西室会長=岡村社長体制下でうつ病や自殺者も

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「2014年3月、最高裁は重光さんが体調不良を訴え、欠勤を繰り返していたことから、『会社は過重労働を認識しうる状況で対応は可能だった』と判断。二審判決を破棄し、賠償額を算定し直すため、東京高裁に審理を差し戻した。裁判は現在、東京高裁で和解協議中だ」(同書より)

 しかも、さらに深刻なのは、精神的に追い込まれたのが、重光さんだけではないということだ。

「重光さんだけではない。長時間労働が恒常化し、プロジェクトの他のメンバーも疲弊していた。重光さんがうつ病発症後、同僚の男性二人が相次いで自殺し、一人は後に過労が原因として労災が認められた」(同書より)というのだ。

 今回、リテラでは重光さんに当時の様子を詳しく話を聞いた。

「私が休職したのは、2001年9月。その時期を挟むように7月には同僚のOさん。12月には同僚のKさんが自殺しています。ともに私の同期の30代男性で『M2』プロジェクトにかかわっていました。Oさんのときには、7月のある日、急に全員が招集され、『O君が今、行方不明になっている。連絡があったら「何も心配しなくていいから、とにかく出てきて」と伝えてほしい』と話がありました。しかし、その数日後、Oさんは遺体で発見されたのです。Oさんは結婚し家も買ったばかりでの自殺で、私たちがお葬式を手伝ったのですが、ご家族が痛々しかった。また、6カ月後のKさんの自殺では仕事に関する遺書も残されていたようで、さすがに会社側もまずいと思ったのか、自殺の事実を隠ぺいしました。私たちには死亡の連絡がなく、総務関係者などが参列した葬儀が終わったあとに組合報で簡単に訃報を知らされただけでした」(重光さん)

 当時から「チャレンジ」と称した各事業部門への過剰な業績改善要求は行われていたという。

 「事業部長クラスが『チャレンジ』を指定し、部課長クラスがそのための『施策』をまとめるというものでしたが、私の上司は丸投げで、私がそのための『施策』を具体的に考えていたのです。最近の東芝の会計スキャンダルで『チャレンジ』『施策』という文字が躍っているのを見て、まったく変わっていないなと悲しくなりました。裁判は和解協議が長期化しているのでストレスがたまります」(重光さん)

 東芝の米国流の経営の内実は、パワハラどころか自殺者まで続出させた東芝のブラックな労働環境ということか。

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