安倍首相「1億総活躍社会」はインチキだらけ! アベノミクスも正社員を減らし非正規社員を増やしただけだった

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 しかも、「10年前に無職だった男性は現在一人も正社員になっていないどころか、非正規雇用にもほとんどなっていない」のだ。

 つまり、10年前の非正規雇用は非正規雇用のまま、無職は無職なままなのだ。この10年間の、06年の第一次安倍政権の「再チャレンジ可能な社会」、08年の麻生太郎政権(現・副総理)の「安心社会」、そしてアベノミクスが、若者の労働環境にとってまったく無策で、格差を固定するための政策だったことが明らかになった。内閣府「就業構造基本調査」を見ても、雇用者に占める非正規雇用者の割合は、04年の31%から14年は38%に増加している。

 著者は「このように非正規雇用から正社員への移動はかなり難しいし、無職から非正規雇用への移動すら簡単ではない。雇用形態、就業形態は固定化しがちであるといえる」と指摘するのだ。

 なお、富の集中も進んでいる。

 金融資産については、「人口の9%が、全員の金融資産総額の59%を保有している」一方で、「300万円未満の人の構成比は49%あるが、彼らの金融資産が金融資産総額に占める割合はたった4%に過ぎないのである」。

 全体の階層意識を見ると、「あなたのご家庭の生活の程度は、世間一般からみてどうでしたか。ひとつだけ選んでください」という質問に対しての回答は、「上」14%、「中」36%、「下」43%、「わからない」7%。中流よりも下流がずっと多くなっている。なお、今回の回答者の10年前は「上」15%、「中」38%、「下」39%、「わからない」8%で、中流と下流はほぼ同数だった。「つまり10年間で下流化が進んだ」のだ。

「中流が36%、下流が43%という数字は内閣府の「国民生活に関する世論調査」では昭和35~36年(1960~61年)と同じくらいである。(略)中流より下流が少し多いという意味では、現代の日本社会は昭和30年代半ばの高度経済成長の黎明期と同じところにまで逆戻りしたのである」(同書より)

 昭和35(1960)年当時は安倍首相の祖父・岸信介が首相を務めていた時期。安倍政権は安保法制だけでなく、格差まで時代を逆戻りさせようとしているのだ。
(小石川シンイチ)

最終更新:2015.09.28 07:09

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