勉強法がバカ売れの東大首席弁護士・山口真由はなぜイタいのか? 高学歴女子と疎外

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 近著『東大首席弁護士が挫折を繰り返して見つけた 努力が99%報われる25のヒント』(小学館)では、山口の不器用さが端的に表れたエピソードが紹介されている。過去付き合っていた男性との関係がうまくいかなくなり「君には耐えられない」と言われた際、山口は次々に質問をして彼を問い詰めたというのだ。

〈私にとって、質問への白紙回答など「ありえない」こと。テストで白紙回答を絶対しない私にとって、答えることを放棄するなんて、まったく理解できません。それでも彼が黙っているので、ついに私は、新しい手に出ました。「私のいけないこと、その1」「その2」「その3」「その4」と、四択回答を迫ったのです〉

 ほかにも、浮気をされて別れを切り出されたときには「外見・知性・地位・収入」で浮気相手より自分の方が上回っているポイントを示すレーダーチャートまで書いて男性を問い詰めたという。相手は終始無言だったというが、こんな詰め方をされてさぞドン引きしたことだろう。本人はおそらく自覚していないだろうが、ここには勉強という世界の原理しか知らない者の痛々しさが満ちている。

 ただし、こうしたエピソードをあげつらって彼女を嘲笑したいわけではない。ここからさらに一歩進んで指摘したいのは、こうした痛々しさも孕んだ上で、高学歴女子をある種の「社会的マイノリティ」として見る必要があるのではないかということだ。

 大学教育や雇用などの現場では表向きの男女平等が実現しているとはいえ「東大女子」と聞けば、世の中的にはお硬くて近寄り難い存在と見られがちだ。仕事仲間としては良くても、結婚相手としてはちょっと……というのが男性の本音ではないだろうか。『いいエリート、わるいエリート』のなかでは、山口自身もそうした社会の視線に遭遇した経験を明かしている。

〈卒業してからのことですが、飲み会でこんな質問をする男性がいました。
「東大首席タイプの女性と、かわいいけれどおバカなタイプの女の子、結婚するならどっちがいい?」
 そこにいた男性はみな、「かわいいけれどおバカな女の子」のほうを選びました。私は、そこに小さいけれど、確かな悪意を感じて傷つきました。「東大首席」というのは「おバカ」とは逆の意味を持つと同時に、「かわいい」とも逆の意味を持つと悟ったからです〉

 ほかにも東大で山口は、東大のサークルが東大男子と「他大」女子の出会いの場と化しており、学内の女子は存在を低く見積もられている現実を目の当たりにしたという。一方、山口はといえば「成績の良い女」であることでかえって学内の標的となり、大学在学時には2ちゃんねるで専用スレッドを立てられるほどであった。こうした状況のなか、山口は次第に優等生である自分自身を「マイノリティ」だと認識するようになったという。

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