パート問題で論争再燃!『サザエさん』は保守かフェミか? マスオさんとは正常位だけか?

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『サザエさん』オフィシャルサイト(フジテレビ)


 放送開始から45年が経つご長寿アニメ『サザエさん』(フジテレビ)。最近では、ワカメの同級生である堀川くんがサイコパスすぎるとネット上で評判を呼んだが、じつは一方で、炎上騒動も巻き起こしていたことをご存じだろうか。

 問題となったのは、4月26日放送の一話『スーパーのお姉さん』。この回では、専業主婦のサザエさんがスーパーマーケットにパートとして働きに出、実演販売を行うのだが、「子どもが寂しそうなのと、2日間立ちっぱなしで疲れる」という理由で、たった2日間でパートを辞めてしまった。これに対してネット上では、「パートを辞める理由がひどすぎる!」として炎上。「社畜より専業主婦が勝ち組だとようやく気づいたか」という意見の一方、仕事と育児を両立する女性たちからも「憤りを覚えた」という怒りのコメントが寄せられた。

 たしかに、「子どもが寂しそう」という理由で仕事を辞めて“めでたしめでたし”とされたら、世の仕事をもつ母親たちは立場がないだろう。これまでもワーキングマザーは「子どもに犠牲を強いてまで働くのか」という批判も受けてきたが、この回の『サザエさん』も同じ誹りに乗っかったオチと言えよう。

 じつは、今回に限らず『サザエさん』を巡っては、保守層からは“古き良き日本の家族観が守られた理想的アニメ”として称賛され、他方、一部のフェミニストたちからは“家父長制の象徴的作品”として槍玉にあげられてきた歴史がある。

 たとえば、サザエさんを文化史から捉えた『サザエさんからいじわるばあさんへ 女・子どもの生活史』(樋口恵子/ドメス出版)では、〈古風な伝統主義者たちはたいてい「サザエさん」が好きだ〉といい、サザエさんがそれらの層からウケる理由として、以下のようなキーワードを挙げている。

〈木造の日本家屋、カツオくんのイガグリ頭、三世代七人の雑居型大家族、出入りの商人・職人たちの戦前のような律儀さ、都市にも存在した地域社会の年中行事と緊密な人間関係、粗忽ながら折り目正しい礼儀作法〉

 そして、保守層から愛される最大の理由は、サザエさんが専業主婦である、という点だ。

〈洋裁・編みものの内職をしたほかは、パート経験といってもごく短期間家事手伝いに出かけた程度、家庭と地域を守る古式ゆかしき主婦なのだ。父と母、磯野波平・フネ夫婦と、フグ田マスオ・サザエ夫婦と、二代続いて「夫は外で働き、妻は家を守る」性別役割分業型の伝統的家族である〉(同書より)

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