『新宿スワン』で話題の風俗スカウトマンの生態!「女を騙す女衒」か「女性の味方」か

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 また、それ以外にも、水商売で一般の消費者金融の利用が難しい彼女らに“レディースローン”と呼ばれる闇金融を紹介したり、所得が増えて浪費癖のついた彼女に審査の甘い不動産屋を紹介して家賃の高いマンションに引っ越させたり、悪徳スカウトマンたちはありとあらゆる手段を使い足抜けを難しくさせる。

 そして、彼らは、時に、お金になる女性に対して色恋の罠を仕掛けたりもする。「風俗嬢の彼氏はスカウトの場合が多い」という噂は、デマなどではなく、きちんとした理由があった。

 永久歩合のシステムにより、自分の働きが直接恋人のためになるなら、彼女も仕事をやめにくい。スカウトマンは、そのことも見越して、自分が斡旋した女性と恋愛関係になるのである。

 そんなスカウトマンだが、さぞかし儲けていると思いきや、実はそうではない。鈴木大介『最貧困女子』(幻冬舎)などで紹介されている通り、いまや、女性が身体を売ったとしても稼げない時代。彼女らの稼ぎからの歩合で生計を立てている以上、当然、女性の収入が低ければスカウトマンの収入も乏しい。

 AVの単体女優や企画単体女優、高級ソープ嬢など、高いスカウトバックが見込めるような美貌の女性をスカウトできればいいが、それは夢のような話。通常は、料金が安めのキャバクラや、週1、2出勤のデリヘルへの紹介を積み重ねていくのが基本となる。

『新宿スワン』の原作漫画でも、主人公の先輩スカウトマンである真虎がスカウトのイロハとして「イイ女は使えて当たり前! ブスを使えてこそ一人前だ!」と主人公にアドバイスするシーンが出てくるが、言い方こそひどいものの、これがスカウトの真実だという。

『日本の風俗嬢』のなかで取材に応じているスカウトマンもこう語っている。

「そんな可愛くない子でも稼げる店はあるので、外見にはこだわらないで声をかけますね。よくこの業界で言われるのが、“ブス”に声をかけないのはダメってこと。誰が見ても可愛い女の子はどこに行っても稼げるわけだし。能力の高いスカウトマンは“ブス”を稼がせるんですね。“ブス”といっても、本当にまったくダメな子ではなくて、そんなにパッとしないというくらいのレベルとか、どこか特徴がある子です。 
自分で探しても断られたり、店をクビになったり、本当に仕事に困ってる女の子って“ブス”が多いんですよ。仕事にあぶれちゃっている女の子を、自分や会社が持っている情報を使って稼がせて、業界で生きていけるようにするのがスカウトマンの仕事です。困っている女の子はスカウトマンを頼るから、それぞれの適性を見て稼げる店に紹介する。そうすれば女の子も感謝するし、自分自身もやりがいがある」

 その人のキャリアや希望に見合った職を紹介していくという点では、彼らスカウトマンも一般の転職エージェントと同じと言えるのかもしれない。

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