橋下徹の“引退商法”に全面協力し続投ラブコール…テレビ局の無節操ぶりに呆れ果てた!

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不自然なまでの笑顔で政界引退を表明する橋下徹大阪市長(YouTube「ANNnewsCH」より)


 気持ち悪いくらいに笑顔を振りまき、不自然なまでにサバサバした口調。「説明しきれなかった僕自身の力不足」とだけ語る一見潔さげなポーズ。そして、「思う存分やりきった」「最高の終わり方」「政治家冥利に尽きる」と情緒的な言葉を並べ立てた政界引退表明……。

 5月17日の住民投票で「大阪都構想」を否決された橋下徹市長は、明らかに計算ずくのこのパフォーマンスによって、デタラメ政策の総括がなされるはずの会見を、国民的アスリートの引退発表のような花道に変えてしまった。

 そして、こうしたペテンに丸め込まれるばかりか、橋下の逆転作戦をしっかりアシストしていたのが在阪メディアの記者たちである。テレビ局の人間が橋下に共感を持ち、「都構想」報道では凍りついたように及び腰になっていたことは先日の記事で指摘した通りだが、今回の会見は、彼らが権力者に対峙する問題意識も、批判精神の欠片も持ち合わせていないこと、そして橋下を「仲間」であり「商品」と認識していることをあらためて露呈する結果になった。

 なぜそんなことになるのか。会見の模様をまずは振り返ってみたい。

●「お疲れさま」「やめないで」、ラブコールを送るバカ記者たち

 今回の住民投票は、あくまで橋下が提唱した大阪市の廃止・解体構想の是非を問うものだった。であれば、本来はその中身や経緯について、投票結果を受けた上であらためて質し、なぜ反対されたのか、総括させるべきであろう。橋下自身がたびたび変転させた「都構想」の狙いや効果、特別区設置協定書のお粗末さ、説明会やパンフレットで吹聴された粉飾やごまかし、住民投票に至るまでの強引かつ不透明な経緯。材料はいくらでもある。そうした詐術やプロパガンダに胡散臭さや不安を感じて反対票を投じた市民も多いのだ。

 投票前は「中立公正」に配慮して踏み込めなかったとしても、結果が出た後なら、遠慮なく聞くべきだろう。ところが、記者たちはほとんどそこに突っ込むことなく、「敗因は僕の説明不足」の一言で納得してしまった。そして、早々と橋下の進退問題に話の焦点を移してしまったのである。

 しかも呆れたことに、記者の多くは「橋下市長、松井知事、お疲れさまでした」と、上司か身内でも労うような言葉から質問に入り──そういう「文化」があるのだろうか、と思わずわが耳を疑った──まるで「やめないでほしい」とすがるようなニュアンスを言外に漂わせていた。象徴的だったのは、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)のプロデューサー兼アナウンサー、野村明大である。

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