村上春樹が原発推進派を徹底論破! 15万人の人生を踏みつける“効率”に何の意味がある?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 とりわけ、ノーベル文学賞候補と目されるようになった2000年代後半頃から、村上はますます社会的・政治的発言を行うようになっていった。09年エルサレム賞授賞式での「壁と卵」スピーチは有名だが、その他もアメリカやオーストリアのインタビューで積極的に日本社会について語っている。もっとも、それらはみな海外でのことであり、依然として国内メディアでは発言に慎重だったことから、「ノーベル賞へのアピールだろ」などと揶揄されることにもなったのだが。

 しかし、そんな村上がここに来て、日本国内へ向けて大々的に社会的・政治的発言をするようになったのである。これはひとつの変化と捉えてよいだろう。

 前述の特設サイトでの回答だけではない。今月半ばから、共同通信が配信した村上のロングインタビューが毎日、東京、神戸、西日本新聞など、複数の新聞社に掲載された。そこで村上は、国際情勢について、〈「テロリスト国家」を潰すんだと言って、それを力でつぶしたところで、テロリストが拡散するだけです〉と断じ、日本の歴史認識の問題でも明らかに安倍政権を牽制するような発言をしている。

〈ちゃんと謝ることが大切だと僕は思う。相手国が「すっきりしたわけじゃないけど、それだけ謝ってくれたから、わかりました、もういいでしょう」と言うまで謝るしかないんじゃないかな。謝ることは恥ずかしいことではありません。細かい事実はともかく、他国に侵略したという大筋は事実なんだから。〉

 簡潔ながら、説得力のある言葉である。これらの村上の発言についてさっそく百田尚樹が「そんなこと言うてもノーベル賞はもらわれへんと思うよ」などと、ノーベル賞へのアピールかのように揶揄していたが、そうではないだろう。村上春樹はおそらく本気だ。

 「政治」からも「本気」からも最も遠いところにいた村上春樹が、国内でここまで踏み込んでいるということは、やはりこの国が相当に差し迫った危機に直面していることの証なのではないか。

 いや、ひょっとすると、村上は、かつて自身が描いてきた小説の主人公のような人たちへ向けて、発信し始めたのかもしれない。「原発推進派も反原発派もどっちもどっち」「権力批判も大概にしないとかっこ悪い」という“かかわろうとしない”態度のままで本当にいいのか考えてみてほしい──もしそれが村上の思いであるのならば、是非今後も、様々な局面で発言を続けていってほしい。
(酒井まど)

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

アンダ-グラウンド

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

村上春樹が原発推進派を徹底論破! 15万人の人生を踏みつける“効率”に何の意味がある?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。原発文学村上春樹酒井まどの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 麻生太郎財務相がまた「医療費の税負担あほらしい」と暴言
2 百田尚樹が村本とのバトルで「安倍が噂真を廃刊に追い込んだ」デマ
3 長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
4 ブリーフ判事“厳しすぎる懲戒処分”の原因は安倍政権批判か
5 南青山の児相反対と『月曜から夜ふかし』の地域差別ネタ
6 鶴瓶が安保法制と安倍政権にNOを
7 東京五輪“総動員”体制に早大生が痛烈パロディ
8 タイ洞窟少年にまで自己責任バッシングする日本
9 美智子皇后の誕生日談話「マクワウリ」に隠された意図が?
10 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
11 櫻井よしこ、竹田恒泰の森友講演料は?
12 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
13 青山繁晴が前川氏に論破されてボロボロ
14 百田尚樹がウーマン村本とのバトルで
15 沢田研二が歌い続ける反原発、憲法9条
16 トランプ差別発言に有本香と玉川徹が
17 酒離れは格差社会のせいだった!
18 麻生、松本、百田の被害者ハニトラ攻撃を論破
19 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
20 片山さつきの訴訟恫喝に非難殺到 
1櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
2籠池夫人が安倍夫妻、榮太郎、青山繁晴らの嘘と手のひら返しを暴露
3 沢田研二が歌い続ける反原発、憲法9条
4本田圭佑の朝鮮学校訪問と発言の勇気
5百田尚樹がウーマン村本とのバトルで
6美智子皇后の誕生日談話「マクワウリ」に隠された意図が?
7安倍首相がカジノ法で虚偽答弁!トランプ圧力やっぱりあった
8 片山さつき大臣に国税への100万円口利き疑惑が浮上
9片山さつきの訴訟恫喝に非難殺到 
10民放連が改憲CMを無制限垂れ流しの方針
11茅ヶ崎市での慰安婦映画上映に慰安婦像を蹴った極右団体が
12麻生太郎財務相がまた「医療費の税負担あほらしい」と暴言
13ブリーフ判事“厳しすぎる懲戒処分”の原因は安倍政権批判か
14稲田朋美が極右集会で小川榮太郎と
15南青山の児相反対と『月曜から夜ふかし』の地域差別ネタ
16テイラー・スウィフトのトランプ批判に拍手
17フジ、テレ東、NHKの入管PR番組と安倍政権の排外政策
18新文科事務次官は前川喜平に“口封じ”画策していた
19 百田尚樹が村本とのバトルで「安倍が噂真を廃刊に追い込んだ」デマ
20『ワイド!スクランブル』コメンテーター就任の柳澤秀夫に期待

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄