麻原彰晃の三女・アーチャリーが手記を出版!「わたしだけは父の味方でいたい」と宣言

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 たしかに、この手記を読むまでもなく、アーチャリーがアレフとともにオウム復活を狙っているという説は、公安のでっち上げの可能性が高い。しかし一方で、本書からは、アーチャリーが今も父・松本智津夫に対して思慕の念を持ち続けていることがはっきりとうかがえる。

 1983年4月に松本智津夫の三女として生まれたアーチャリーは、幼少期から父を慕い、父が人生そのものだったと語っている。智津夫は世田谷の道場から帰ることがほとんどなかったが、父親が時折帰るたびに、姉妹は歓喜したという。

「次姉は父の帰宅を『太陽のない世界に、太陽が来た』と表現したことがあります」

 アーチャリーだけでなく姉妹にとって“太陽”だった父の存在。それは年を経るごとに増していく。アーチャリーが5歳の時、一家は富士宮にできた総本部道場に移転した。

「わたしは毎日父にくっついて歩き、眠くなると父の部屋にあるベッドに潜り込んで眠り、毎日のようにおねしょをしました。わたしは夜尿症だったようです。しかし父が、おねしょについて小言を言ったことはありません。わたしが父より先に寝ていると、わたしを起こさないようとする気遣いか、父は自分の腕を枕にして床の上に丸まって寝ることもありました」
「教団内では、父はすべてを見通す力がある神のような存在で、父さえいればすべてがうまくいくという雰囲気がありました。激しいバッシングにさらされても、尊師さえいたら大丈夫。たとえそれが死につながったとしても、尊師と一緒に転生できるなら大丈夫という、今生だけでなく来世を見通した安心感があったのではないでしょうか」

 アーチャリーにとってその存在の大きさがわかるエピソードだが、もちろんこれは「教祖・麻原彰晃」の権力が大きくなっていったことが影響しているはずだ。オウム信者たちに絶対的存在として扱われ、それを見た娘がさらに尊敬の念を抱いていく──。アーチャリーは次第に父親を“尊師”と呼ぶようになり、さらに父に依存していった。

「父との関係が壊れることが、わたしにとっては世界が崩壊するに等しく、父に見捨てられるという不安はどうしても拭い去れませんでした。(その背景には)常に不安定な人間関係があったと思います。具体的には、母との関係で愛情を感じられないこと、わたしたち子どもの世話をしてくれる人がたびたび替わること、やめていくサマナも多いこと、などです」

「父親から見捨てられる」──幼い子どもにまでそんな恐怖を抱かせる智津夫との関係は、まさにオウム信者たちへの“洗脳”を想起させる。アーチャリーが見たのは教祖であり絶対的存在の父親だった。

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