売春に走る”最貧困シングルマザー”たちはなぜ生活保護を受けないのか!?

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 しかも生活保護申請を拒絶したのは一人だけではない。月の収入は10万円ほどで多重債務を抱え、出会い系で知り合った4人の男性と愛人契約をしているというある女性も「(生活保護受給という選択肢は)絶対あり得ない」と断言する。その理由も子どもだったが、それは“差別”とは別の問題だった。

 彼女の子どもはスポーツをしていて全国大会にまで勝ち上がった。もちろん遠征代などかなりの支出がある。そして生活保護を受けることは、子どもにスポーツを諦めさせることになる。

「生活保護を受けたら、子どもがスポーツを続けられなくなるでしょ。合宿も遠征も『贅沢』扱いでしょ? 毎日毎日何年も休まずに練習してきた子どもの努力も、サポートしてきた私自身の努力も、全部無駄になる」

 さらに一度は決まった受給を自ら辞退した女性も。その理由は10歳の子どもが受けたクラスメートの親からの差別だった。彼女によれば田舎で生活保護を受けるというのは「泥棒扱い」だという。

「『生活保護を受けている家庭の子が万引きをする』という根も葉もない噂をするお母さんがいた。その後、うちの子が不登校になりかけ、理由を聞いたらイジメ」

 たしかに、世間では未だに生活保護受給に対する風当たりは強く、特に年齢も若いシングルマザーに対してはなおさらだ。自己責任論なる強者の論理もはびこり、ネットはそうした者たちへの罵倒で溢れかえっている。そして、子どもたちもまた、生活保護を理由に、持ち物、服装などでも差別される。

 そんななか、彼女たちは「バレないで売春で稼ぐほうが、生活保護の差別よりマシ」とさえ訴えるのだ。著者が直面した差別と、子どもを守りたいという心理。

 もちろん制度、受け入れる側の意識も大きな問題がある。生活保護を申請してもなかなか通らないという最大の問題が。本書には、東京近郊に住み、やはり出会い系で売春をするシングルマザー(34歳)のこんな証言が掲載されている。

「離婚して1年、いよいよ貯金が尽きたころに、生活保護申請に何度も福祉事務所に行ったんですけど、そのつど『なぜ働けないのか?』『元夫との養育費の話をやり直せないんですか』って言われて、あれはほとんどイジメです」

 実際、生活保護を受けている母子家庭は9%ほど。所得が4、5万円でも申請を受け入れられないケースも数多く存在しているという。

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