『マッサン』苦戦を招いた怖すぎピン子、“死に芸”で視聴率復活なるか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 だが、キムラ緑子のイビリと泉ピン子のそれは、同じようであってまったく違う。たしかにキムラのイビリも相当に陰惨で、料理はひっくり返すわ、ヒロインの夫の初任給を横取りするわでやりたい放題。だが同時に、ヒロインの荷物を実家に送り返すべくタンスまで積み込んでひとり押し車を押すなど、イビリの“滑稽さ”もきちんと描いていた。キムラのイビリにはそうした思わず笑ってしまうバカバカしさがあったから、視聴者も乗ることができたのだ。

 他方、ピン子のイビリはわめき&恫喝というリアリティ満載の、正真正銘の嫁イジメ。そこには外国人に対する偏見や差別もかかわってくるので、現代の視聴者には見るに堪えないものがあったのではないだろうか。

 とはいえ、本日1月5日からの放送では、ピン子扮する母親の容体が悪化し、それをきっかけにエリーと距離を縮めるという“和解”週。すでにピン子自身が11月に出演した『あさイチ』(NHK)で壮大にネタバレ発言したように、母親はここで死んでしまうのだ。

 そして、ピン子といえば“死に際の視聴率女王”という異名をも持つ女優。ピン子の役が亡くなる回は、『おんな太閤記』で31.4%、『おしん』では驚異の56.1%(ともにビデオリサーチ調べ、関東地区)と、凄まじい数字を叩きだしてきた。

 以前、『マッサン』の会見でも「私が死ぬときは数字いただきます」と宣言していたピン子。さらに今週のタイトルはズバリ「渡る世間に鬼はない」ときた。イビリ芸では視聴者に忌避されたピン子だが、最後の“死に芸”でその心をつかむことはできるのか。大いに見物である。
(サニーうどん)

最終更新:2017.12.09 04:36

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

NHK連続テレビ小説 マッサン 上

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

『マッサン』苦戦を招いた怖すぎピン子、“死に芸”で視聴率復活なるか?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。サニーうどんマッサン朝ドラ泉ピン子老人の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄