有働アナもメロメロ! 吉田鋼太郎に萌える女子は『半沢直樹』の新作を読め

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『銀翼のイカロス』のストーリーのテーマは、航空会社・帝国航空の再建。帝国航空の再建のために、半沢のいる東京中央銀行が政府から500億円の債権放棄を迫られるというもの。ドラマの結末では、半沢が出向を命じられて終わったが、シリーズ第3作で半沢は出向先で大活躍、この最新作では銀行に返り咲いており、本店の営業第二部次長となっている。そして内藤は、ドラマと同様、第二部部長のままだ。

 まず、内藤部長は、物語冒頭からさっそく登場。半沢に帝国航空の問題を伝えるのだが、半沢はさまざまな疑義を呈する。そこで内藤部長は、このように半沢に語り出す。

〈内藤は、普段は冷静な仮面の下に隠している熱い本性を覗かせた。「頭取は、この難局を君に託された。(中略)肝心なことはただひとつ。ここを確実に乗り切れるのは半沢、君しかいないということだ」〉

 伝助のような表裏のないストレートさもいいが、吉田鋼太郎の渋さは内藤部長のような“冷静沈着スーツ紳士”役では鉄板のハマリ度。「君しかいない」という言葉の説得力も、俄然ちがってくるものだ。

 さらに、銀行内の役員会で帝国航空への債権放棄を迫られる場面では、債権管理担当の常務から厳しく追及されても内藤部長は毅然としたまま。多くは語らず淡々としつつも、半沢があげてきた稟議を通そうと一歩も退かない。ドラマ同様、「泥臭く執念深い銀行員の本性」が露わとなる会議にあって、内藤部長の正義に溢れた態度は、まさに理想の上司。しかも終盤では、ドラマでは北大路欣也が演じた中野渡頭取と渡り合うシーンも。部下である半沢の前では、ときに行動をなだめるクールな印象だが、トップともやり合う熱い情熱をもっている……まるで主役のような魅力に溢れたキャラクターである。

 このほかにも、執務室の書棚に経営学やマーケティングの古典の“原書”に混じってウンベルト・エーコの名作『薔薇の名前』が置かれていたり、はたまた老眼をかけて書類をチェックする場面や、電子決裁でも必ずプリントアウトして紙で思索検討するというアナログ派な一面が描かれるなど、“おじさん好き”にはたまらない描写も。──これはブレイクを果たしたいまこそ吉田鋼太郎でぜひ映像化してほしいものだが、気になるのは『半沢直樹』のドラマ続編が暗礁に乗り上げているという噂だ。

 一部報道では、「堺雅人が続編を承諾しないため難しい」「2016年放送のNHK大河ドラマ『真田丸』が終わった後」などさまざまな憶測が流れているが、「週刊文春」(文藝春秋)8月14・21日夏の特大号では、『半沢直樹』の監督である福澤克雄が、池井戸潤との対談でこのように語っている。

「(『銀翼のイカロス』を読んで)自分の頭のなかでは配役が溢れるように湧いてきます」

 ──これはまだ期待していい、という意味なのだろうか。ともあれ、最近の『花子とアン』で伝助の出番が減ったことにモヤモヤしているみなさんは、ぜひドラマ化を期待しながら『銀翼のイカロス』を読んでみてほしい。吉田鋼太郎で内藤部長を脳内変換すれば“伝助不足”も補えること間違いナシ。有働アナ、オススメですよ!
(サニーうどん)

最終更新:2014.08.13 01:09

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