「強すぎる 常に反動 予感する」阪神ファンの複雑な心情がのぞく珍言集

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
hanshin_141019.jpg
日本シリーズもこの勢いのままいけるか!?(画像は『阪神タイガース公式イヤーブック2014』(阪神コンテンツリンク)より)

「まさか……ほんまに勝ってもうた……」
 昨晩、何百、いや何万人の阪神ファンがこの言葉をつぶやいたことだろう。2位でクライマックスシリーズ(CS)に参戦した阪神タイガースが、1位でリーグ戦を突破した読売ジャイアンツを下し、05年以来となる日本シリーズ進出、CS初制覇を達成したからだ。

 それにしても、CSファイナルステージにおける阪神の勢いはすごかった。連日連勝で一試合も落とすことがなかっただけでなく、「巨人=悪、阪神=正義」「巨人=金、阪神=慈愛」と信じる阪神ファンにとっては、憎き巨人に下克上を果たしての勝利。ちなみに阪神ファン歴70年となる筆者の父は、「幸せすぎて死んでしまいそうや」「やっと冥土の土産ができた」と嗚咽しながら語っていた。ほんとうに死にそうで心配になるくらいだった。

 そう。阪神ファン=トラキチにとって、阪神とは「人生そのもの」。だからこそ、この夢のようなCSファイナルステージ制覇を体験して、じつは多くのトラキチは不安に陥っているのだ。今回は優勝を記念して、『阪神タイガースファン名言珍言集』(猛虎魂会/KADOKAWA 中経出版)から、そんな複雑なトラキチたちの思いを紹介しよう。

 まず、本書におさめられたトラキチのこの言葉こそが、いまの阪神ファンの気持ちをずばり言い当てている。

「阪神の優勝は人生で3度まで」「決してそれ以上は望むな。欲どおしいことを考えると、不幸が訪れる」

 阪神が強すぎると「なにか落とし穴があるのではないか」「大雨が続くのは阪神が強いからかも」「上から石が落ちてくるのでは」と不安に襲われるのがトラキチの性分。いつも期待しては裏切られ続けてきたからこそ、勝つと不吉なことが起こるような気がしてならないのだ。

 そんなアンビバレンツな感情は、トラキチたちの川柳にも表れている。

「強すぎる 常に反動 予感する」(42歳・男)
「勝ちすぎて 逆に不安に 陥れり」(36歳・男)
「一敗で 大連勝を 心配し」(42歳・男)
「阪神よ そんなに勝って どこへいく」(40歳・男)

 いや、勝って優勝を目指すのでは……と普通は思うが、「勝つと怖い」のがトラキチというものなのだ。だが、阪神ファンはいつもこのような甚大なストレスに見舞われながら観戦しているわけではない。ストレスはヤジで解消するのである。

 たとえば、85年の優勝、日本一から2年後、一気に最下位へ落ち込んだ際の名ヤジはこうだ。

「岡田ーっ! 掛布ーっ! 打たれへんかったら顔で笑かして打ったれーっ!! お前らには顔という武器があるーー!」

 それは武器なのか。というより顔で笑わせるのは、もはや野球ではないのではないか。しかし、こうしたツッコミは無用。勝つことにこだわっていれば大きなストレスになることを身をもって知っているトラキチたちは、負け試合でも楽しむ術としてヤジるのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

阪神タイガースファン名言珍言集

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

関連キーワード

「強すぎる 常に反動 予感する」阪神ファンの複雑な心情がのぞく珍言集のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。サニーうどん野球の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 加計学園獣医学部施設の設計図疑惑
2 高校生平和大使の演説中止と安倍政権
3 三浦瑠麗が戦前賛美、その御用学者体質
4 ローラが所属プロに奴隷契約の終了を
5 長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
6 吉永小百合が「9条は変えさせない」
7 松本人志追及に井上公造が「圧力ない」
8 日本の外務省が文大統領と同様の発言
9 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
10 ネトサポの親玉が愛人に告発された
11 葵つかさが「松潤とは終わった」と
12 ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
13 ローラが所属プロと奴隷契約トラブルも
14 『永遠の0』は恐い!元特攻要員が批判
15 欅坂46平手欠席の背景にブラック労働
16 トランプ差別発言に有本香と玉川徹が
17 ネトウヨ高須院長に息子が苦言!
18 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
19 高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
20 テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
1ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
2 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
3菅官房長官が壊れ始めた!トンデモ会見
4久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
5綾瀬はるかが毒ガス製造の元兵士を取材
6テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
7高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
8市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
9長崎のメッセージも安倍には届かず!
10グアム北ミサイルは存立危機事態でない
11三浦瑠麗が戦前賛美、その御用学者体質
12トランプ的どっちもどっち論横行の日本
13仲代達矢と桂歌丸が語った戦争体験
14寂聴「憲法を汚した安倍は世界の恥」
15手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
16閉会中審査、小野寺防衛相も隠蔽体質
17幹部から新人までほとんどが商売右翼
18極右丸出し”日本ファースト”は小池命名
19安倍の「人づくり」名称のルーツは?
20岸田『ひるおび!』出演にネトウヨが
PR
PR 飲むだけで女性のカラダの悩みを解消!?

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」