「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽! 感動演出のために子どもの命を危険に晒す狂気

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しんぶん赤旗のスクープ


 東京五輪について、信じられないような事実がまたも判明した。東京五輪の競技会場への子ども動員問題で、なんと東京都が観戦を区市町村にキャンセルさせないよう、キャンセル受付の文書を「隠蔽」していた、というのだ。

 まず、おさらいしておくと、東京五輪組織委員会は競技会場のある自治体や東日本大震災の被災地など全国の小中高校や特別支援学校などを対象に「学校連携観戦チケット」を用意。延期決定前までにオリンピックで60万枚、パラリンピックで68万枚、合計128万人分のチケット購入希望が寄せられていた。

 新型コロナの影響を鑑み、当然なくなったと思われていたこの子どもたちの観戦計画だったが、東京都はコロナ下でも予定どおり都内の幼稚園児や小・中・高校生など約81万人を動員する方針であることを4月に「しんぶん赤旗日曜版」がスクープ。大きな問題となってきた。

 そして、この子ども五輪動員に批判が殺到したことを受けて、組織委は5月末、東京都や関係自治体、東日本大震災被災3県の学校連携観戦チケット担当者に向けて「学校連携観戦チケットに係る今後の対応について」と題した文書を送付。そこにはこう記されていた。

〈観客上限等が定まらない中ではございますが、手続き上の理由から観戦ができなくなるということがないよう、今後、団体入場証(来場グループごとのグループチケット)を発券するために必要な手続きに入らせていただきたいと存じます。自治体様におかれましては、キャンセルの有無も含め、6月23日までに最終的なご参加人数をご検討いただきますようお願い申し上げます。〉

 さらに、この文書では6月1日〜23日までを〈チケットの追加キャンセル受付期間〉、6月24日を〈支払い期日〉とし、7月には〈入金確認後、チケット送付(団体入場証)〉と書いていた。つまり、組織委は6月23日まではキャンセルが可能だと通達をおこなっていたのだ。

実際、この「キャンセル受付」の開始を受けて、埼玉県や神奈川県、千葉県などからはキャンセルが相次ぎ、たとえば埼玉県さいたま市では中学校2・3年生や引率の教員らにサッカーやバスケットボールの観戦チケット約2万3000枚が割り当てられていたが、これをすべて辞退(朝日新聞11日付)。NHKの16日の報道では、埼玉・神奈川・千葉の3県で合計48の自治体がキャンセルする意向を示しているとのことだった。

 ところが、このように首都圏の自治体からキャンセルが続出していることは報じられるのに、なぜか東京都の自治体からキャンセルの意向が示されたという報道はなし。これは一体どういうことなのかと思っていたら、なんと、その答えは信じられないものだった。そう。東京都は自治体・学校に対してキャンセルするか否かの意向確認をおこなわず、このキャンセル受付の文書自体、区市町村に通知さえしていないのだ。

 この問題を取り上げた「しんぶん赤旗日曜版」6月20日号の取材に対し、〈都は、組織委から文書が届いていることを認め〉たというが、キャンセル受付文書について〈「参考送付」であるとして、区市町村には通知していないと回答〉したのだ。

 じつはNHKも自治体からのキャンセル状況を伝えた際、「東京は意向確認をおこなっていないため辞退の学校があるかはわかっていない」と短く伝えていた(16日放送『首都圏ネットワーク』)。だが、まさか組織委から発出されていたキャンセル受付の文書すら通知していなかったとは──。

東京都はキャンセル文書について「きていない」と区教育委員会に虚偽説明

 いや、それどころか東京都は、区の教育委員会に対しても「虚偽」の説明までおこなっていた可能性まである。実際、しんぶん赤旗日曜版の取材に対し、複数の区教育委員会関係者は、こう答えているのだ。

「組織委がキャンセルを受け付けているという朝日新聞(4日)の報道を見て驚いた。都に確認すると『組織委から文書はきていない』と説明された。その後『23区の意向確認の時期は未定』との連絡がきた」

 前述したように、組織委はキャンセル受付文書を5月末に送付し、文書の日付も〈5月吉日〉となっており、〈6月1〜23日 チケットの追加キャンセル受付期間〉との記述もある。区の教育委員会の関係者が6月4日の朝日の報道を見て問い合わせしたということは、すでに東京都には文書が届いているはずだ。にもかかわらず、都は「組織委から文書はきていない」と返答しているのである。

 言うまでもなく、キャンセルするか否かの決定権は区市町村にあり、本来であればそれぞれの学校の判断に基づいて決定されるべきだ。なのに、区市町村に意向の確認をおこなわず、そればかりか文書の存在さえ「届いていない」と嘘の説明をおこなっていたのだ。

 ようするに、これは東京都が意図的にキャンセル受付の事実を「隠蔽」し、意向の確認をおこなわないことによって新型コロナ前の予定どおり、子どもたちを強制的に東京五輪に動員しようとしているということだ。

 参加の意思確認もなく、否応なく強制的に子どもたちを動員しようとは、もはや狂気の沙汰としか言いようがないが、この東京都の対応は小池百合子都知事の方針であることは間違いない。

 実際、本日18日におこなわれた小池都知事の定例会見では、インタースクール・ジャーナルの記者が学校連携観戦の問題を取り上げ、子どもたちの観戦に公共交通機関を使うことによる感染リスクや熱中症の恐れを指摘した上で「都は区市町村に対してキャンセル可能かどうかについて通知していないという報道もあった」と言及。学校連携観戦をおこなうのか中止するのか、知事の考えを問いただした。

 だが、小池都知事は「いまご質問のなかにいろいろ課題をすでに述べておられます。それらの課題を検討しながら判断していきたいと考えております」と言い、区市町村に通知していない問題については無視。さらには「以上です」と言い放ち、会見を打ち切ってその場を立ち去ってしまったのだ。

 子どもたちの東京五輪動員に批判が集まるなかで、頑なに強制動員を推し進めようとしている小池都知事。だが、子どもの五輪動員を強行しようとしているのは菅政権も同じだ。

子ども動員中止を迫られた西村康稔・経済再生相は「バス移動だから低リスク」と事実誤認の答弁

 現に、昨日17日におこなわれた参院議院運営委員会では、日本共産党の共産党の倉林明子参院議員が学校連携観戦について「自治体任せにせず、政府の責任で中止を判断すべきだ」と追及したが、コロナ担当の西村康稔・経済再生担当相はこう答弁したのだ。

「近い場所からバスに乗って管理されたかたちで来て観戦し、そのまま管理された形で戻る分にはリスクは低いという考えもある」

「近い場所からバスに乗って管理」って、何を言っているのか。いまも競技会場への移動には公共交通機関を使うとされており、実際、子どもたちの観戦をキャンセルせず観戦をおこなう意向である神奈川県の相模原市教育委員会は〈中学生は保護者同伴の上、分散して公共交通機関で移動させる方針〉だとしている。だいたいバスを使ったとしても、東京の中学校で発生したデルタ株(インド型変異株)のクラスターでは、マスクを着用し数十分ほど車移動した際の車中か、屋外での野球練習中に感染が広がったと見られている。公共交通機関であれバスであれ、集まって移動すること、屋外であっても多くの人が集まって観戦すること自体が感染リスクを高める行為なのだ。さらには熱中症の懸念も何ひとつ解消されていない。

 なぜ、小池都知事や菅政権は揃いも揃って、こうまでして子どもたちを危険に晒そうとしているのか。その理由として考えられるのは、チケット販売数の問題だ。

 現時点ですでに販売済みの五輪チケットは全会場の最大収容数の約42%だと組織委は説明しているが、この約42%のなかには学校連携観戦分のチケットも含まれている。一方、菅義偉首相はいま大規模イベントの観客上限約1万人の方針を東京五輪にも適用しようと目論んでいるが、これを実行できれば〈いったん購入されたチケットの代金を払い戻したり、観客席が足りなくて再抽選したりせずに済む〉という(毎日新聞16日付)。

 だが、菅政権も小池都知事も、何もチケット払い戻しをしなくて済むという理由だけで学校連携観戦を強行しようとしているわけではないだろう(ちなみに学校連携観戦プログラムのチケットは通常より低額で提供される)。それ以上にあるのは、できるだけ観客を入れたい、そして子どもを動員することで感動的な五輪を演出したい、という欲望だ。

 実際、菅首相は昨日の会見でも「東日本大震災から復興を遂げた姿を世界に発信し、子どもたちに夢や感動を伝える機会になる」などと発言したが、子ども128万人分の動員がなくなってしまうと観客席の空きが目立つことになる上、何よりも開催後の選挙で有観客での開催を正当化する際、「子どもたちが五輪会場で歓喜した」という重要な材料を失ってしまうことになる。選挙で「子どもたちに夢や感動を伝えた」とアピールするには、子どもたちの動員が不可欠だというわけだ。

 五輪の成功を印象づけたい小池都知事と、有観客での開催という自身の決定を正当化するため、さらには目前に控えた総選挙でのアピールのために子どもたちをダシに使おうという菅首相。こうした為政者たちの欲望のために、子どもたちはいま、危険に晒されようとしているのである。一体、これのどこが「平和の祭典」だと言うのだろうか。

最終更新:2021.06.18 08:51

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