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田崎史郎が『ひるおび』共演者・柿崎の首相補佐官就任で「もやもや感がある」と不機嫌に! 給与額にも「たくさんもらってんだな」
『ひるおび!』に出演する田崎史郎氏
本サイトでいち早く報じた柿崎明二・共同通信社前論説副委員長の菅義偉内閣の首相補佐官就任。柿崎氏といえば、『ひるおび!』(TBS)や『とくダネ!』(フジテレビ)などで政治コメンテーターも務め、むしろ安倍政権に批判的なコメントをしていた政治記者が首相側近に引き立てられたことには、政治マスコミの間でも驚きと批判の声が上がっているのだが、そんななかでなんとも微妙な反応を見せた御仁がいる。
そう、菅政権になっても、政権代弁者ぶりがまったく変わらない“スシロー”こと田崎史郎氏だ。
9月30日放送の『ひるおび!』では柿崎氏の首相補佐官就任を大特集し、田崎氏もコメンテーターとして出演していた。どんな裏事情を語ってくれるかと注目していたのだが、つい先日まで「安倍成金」とビートたけしにいじられご機嫌だった田崎氏が、この日は一転、不機嫌というか憮然というか、終始、低いテンションだったのだ。
この前日29日の『ひるおび!』では、柿崎氏の首相補佐官決定の速報が飛び込んで来ると、MCの恵俊彰や八代英輝弁護士らが「ひるおびファミリーから首相補佐官!」「ここに座って話してた柿崎さんが!」「もうおいそれとは出てもらえない」「オファーだけでもしてみましょうよ」などと、権力との癒着などまったく気にせず大はしゃぎしていたのだが、田崎氏には微塵もそんな空気はない。
MCの恵俊彰に柿崎氏首相補佐官就任の感想を問われると、田崎氏はかなり不機嫌な様子でまずこう語った。
「びっくりしましたね。先週金曜日の午前中に、同業他社の知り合いの方がショートメール下さって。知ってる?って書いてあって。補佐官、驚いたっていう。僕もびっくりしました。これ、なぜ菅さんが“カキザワ”さんを起用したのか。あるいは柿崎さんがなぜそれを受けたのか。というところが、いまだに、ちょっと、もやもや感があるんですよね」
さらに恵が、「起用した菅首相側はどういう意図なのか」と合いの手を入れると、こう続ける。
「そうです、そうです。そこの部分がね、いまでもちょっと解明されない。だから、人事おこなわれたとき、なるほどなっていう人事と、なぜだろうって思う人事とあるんです。これは、なぜだろうと思う人事です」
「もやもや感がある」「なぜだろうと思う人事」……。いつもの田崎氏なら、官邸の意図など、口からでまかせでも、どんなアクロバティックな屁理屈でも、絶賛・支持・擁護しているはず。それが柿崎氏が引き受けた意図はともかく、起用した菅首相の意図まで「なぜだろう」って。だいたい、柿崎氏を起用した菅首相の意図なんて、誰でも想像がつくような話だろう。
あの田崎史郎が柿崎の姿勢を「政治家になるために取材してるわけじゃない」と批判で失笑
実際、この日の『ひるおび!』でも、政治ジャーナリストでも評論家でもないデーモン小暮氏も柿崎氏が受けたことは意外としたものの、「起用する側は、首相はしたたかだなと思った。ようするに、先程来、みんなが話しているように、メディアの目から見て、政治を批判する立場にもなり得る人を自分のところに取り込んでスタッフにする。その視点はやっぱりしたたかなんだな、菅さんはっていうのが第一印象」と語っていた。
そんななか、あれだけ官邸に精通しているはずの田崎氏だけが、「もやもやする」「意図がわからない」と首をひねる。もしかしてこれって、「なぜ政権を擁護してきた自分に声をかけずに、政権を批判してきた柿崎を抜擢したのか」と腹を立てているのか。
しかも、いつも内閣の動きを優先してリークしてもらっている田崎氏がこの人事についてはまったく知らされていなかったらしい。先に紹介したように、田崎氏は柿崎氏の首相補佐官就任を知ったのは「先週金曜日」、つまり9月25日午前中と言っていたが、本サイトがこの動きをキャッチしたのは9月23日水曜日だ。24日木曜日に聞いたとテレビで話していた政治コメンテーターもいる。つまり、田崎氏はこの問題では完全に蚊帳の外に置かれていたのだ。政権との距離の近さだけが存在理由である田崎氏としては怒るのも無理はない。
とはいえ、菅首相の肝いり人事ということで、露骨には批判できない。それが「もやもや」発言につながったのだろう。
しかし、番組が進むにつれ、田崎氏の口から愚痴めいた言葉や嫌味も聞かれ始める。笑ったのが、やはりコメンテーターとして出演していた龍崎孝・元TBS政治部長が、柿崎氏と毎日新聞入社同期だったと言って新人研修時のエピソードを紹介したときだった。
柿崎氏が自身の将来について「政治部に行きたい」「政治部に行って政治記者になって将来はそれをテコに政治家になりたい」と語っていたというエピソードを受けて、MCの恵が「ひょっとしたら、そのとき、龍崎さんに吐露した本心はひょっとしたら、新聞記者も共同通信もコメンテーターも、政治ジャーナリストも含め、すべてがステップかもしれない。ねえ、田崎さん、ひょっとしたら」と振ると、田崎氏はこう応じたのだ。
「まあ、可能性はありますよね。でも、そのためにやってたとは、ちょっと僕は思いたくないですけどね。政治家になるために取材してるわけじゃないから、我々」
ふだん、政治家に取り入って代弁者として振る舞っている田崎氏が、まさか政治ジャーナリストの独立性について説教するとは……。
首相補佐官の「2367万円」報酬に「内閣参与は日当2万4300円なのに」と細かすぎるツッコミ
さらに番組では首相補佐官という役職について掘り下げたのだが、田崎氏の嫌味ダダ漏れは止まらない。
ボードで、初代首相補佐官が橋本内閣の岡本行夫氏だったという歴史やその仕事内容、首相補佐官は「特別職の国家公務員」で給与は「月額で117万5000円、年間で約2367万円」と「官房副長官補や各省の次官級とほぼ同等クラス」の待遇であることなどを紹介。それを受け、恵が「田崎さん、偉いんですね」と首相補佐官という役職の重要性について問いかけると、田崎氏はこう返したのだ。
「給与も高いですね」
田崎氏は、首相補佐官の役割について問うた恵の質問を無視して、給料の金額について延々語り出したのだ。
「(首相補佐官と)同じように見える、内閣参与、飯島勲さんとか、総理補佐官だった今井(尚哉)さんも(今回)参与になられたんですけど、それは日当制で、常勤じゃないんですよ。非常勤で、1日あたり2万4300円……」(編集部注:1日3万4200円との情報もある)
「まあ自分が出勤したら、2万4300円払われる」
「その人たち(内閣参与)からすると、ずいぶん、なんかたくさんもらってんだなっていうふうに」
細かい数字までそらんじて、内閣官房参与との給料比較を始める。しかも「その人たちからすると、ずいぶんたくさんもらってるんだな」って。まさか田崎氏も内閣参与を打診されて、日当2万4300円は安すぎると断りでもしたのかなと勘ぐりたくなるくらいの細かさだ。
いずれにしても、この日の田崎氏が本気でショックを受け、平常心を失っていたのは間違いない。普段はアクロバティックな政権擁護をあれだけ立て板に水のごとく解説する御仁がこの問題についてはうまく言葉が出てこず、あげくは柿崎氏のことを、「カキザワさん」「リュウザキさん」と2回も名前を間違える始末だった。
田崎氏と一緒に出演していた八代弁護士は「男の嫉妬はめんどくさい」と解説
ちなみに、この特集冒頭で田崎氏のあとに柿崎氏就任の感想を問われた八代弁護士は、こう話していた。
「やあ、僕、大変だと思いますよ。男の嫉妬はめんどくさいですから。これからもほんと、茨の道じゃないかと思います。あと一様にみなさん厳しいですよね。直前まで権力を監視する立場にあった人が、その直後に権力の中枢に入って、権力の生成の過程についてのコメントもされてた人なので、やはり厳しく見られてしまうのは、やむを得ないところ。そう言った意味でも茨の道なんじゃないかなと思います」
たしかに田崎氏の態度を見ていると、「男の嫉妬はめんどくさい」というのはよくわかる。
しかし、かといって柿崎人事が八代弁護士の言うような「茨の道」になるかどうかは微妙だ。たしかに、他の政治メディアや評論家が嫉妬に狂って、多少の柿崎批判をする可能性もあるが、それが菅政権批判につながることはないだろう。
むしろ、柿崎氏が首相補佐官に起用されるという事態を目の当たりにし、うまく付き合えば自分も何かおいしい仕事をもらえるかも、官房機密費もらえるかも、と、中立的なメディアやジャーナリストを政権忖度に走らせる結果になるのではないか。
日本学術会議の任命拒否が「ムチ」の見せしめだとすれば、柿崎氏の首相補佐官就任はジャーナリストやメディアにとって「アメ」の見本として機能する、というわけだ。
ちなみに、田崎氏については、柿崎氏の人事に腹を立てているのなら、菅政権に対してちょっとは厳しい態度も見せるようになるかもと期待していたが、そんな淡い期待は早々に打ち砕かれた。
先週後半からワイドショーで、日本学術会議の任命拒否問題について、「会員を推薦する過程が不透明」「こんなことで萎縮するような学者はだめ」「なんで学術会議のメンバーにならないと言えないのか」などと安倍・菅政権を擁護し、学術会議を攻撃しまくっている。まったくやれやれである。
(編集部)
最終更新:2020.10.06 01:46
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