安倍首相が辻元清美に「桜前夜祭」問題の決定的な嘘を暴かれ窮地! コロナ対応でも馬脚「桜やってる場合か」の野党攻撃も説得力ゼロ

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国会で謝罪した安倍首相(衆議院TVインターネット審議中継Pより)


 新型コロナ対策の後手後手ぶり、混乱とパニックしか生み出さないカオス対応ですっかり馬脚を露してしまった安倍首相。自民党や安倍応援団は新型コロナを利用して「桜を見る会」問題の追及を「そんなことをやってる場合か」と封じ込めようとしてきたが、なんのことはない、「そんな場合か」状態だったのは安倍首相自身だったことも明らかになってしまった。

 しかも、安倍首相はその「桜を見る会」問題でも決定的事実が暴露され、逃げ場のないところに追い詰められてしまったようだ。

 本日17日衆院予算委員会では、冒頭から先週の国会で立憲民主党の辻元清美衆院議員に「意味のない質問だよ」とヤジを飛ばした件について謝罪した安倍首相だったが、その辻元議員から「桜を見る会 前夜祭」について安倍首相がついた決定的な嘘を示す「ホテル側の証言」を突きつけられたのだ。

 安倍首相はホテルニューオータニだけではなく、2013年、2014年、2016年はANAインターコンチネンタルホテル東京(旧・東京全日空ホテル)で安倍晋三後援会主催の「前夜祭」を開催してきた。そして、辻元議員は午前中の質疑において、ANAインターコンチに問い合わせて得られた文書の回答を安倍首相にぶつけたのだ。

「『(2013年以降の7年間におこなわれたすべてのパーティ・宴席おいて)貴ホテルが見積書や請求明細書を主催者側に発行しないケースがあったでしょうか』。(ホテル側の)回答。『ございません。主催者に対して見積書や請求明細書を発行いたします』。総理の答弁と違うじゃないですか」
「次に、領収書の話です。『個人・団体を問わず貴ホテルの担当者が、金額などを手書きし、宛名は空欄のまま領収書を発行したケースはあったでしょうか』。回答。『ございません。弊ホテルが発行する領収書において、宛名を空欄のまま発行することはございません』。文書で回答きております。これも総理の答弁と真っ向から違います」

 安倍首相はニューオータニと同様にANAインターコンチからも「明細書は受け取っていない」「領収書はホテルの担当者が金額等を手書きし、宛名は空欄であった」と主張してきた。しかし、ANAインターコンチ側は明細書を発行しないということは「ない」と言い、「宛名が空欄の領収書は発行しない」と断言したのである。

 だが、これに対して安倍首相は「それは、安倍晋三事務所が、ということですか?」「そうではないんだろう」などと繰り返し強調し、「ニューオータニ、ニューオータニ側においてはですね、安倍事務所との関係においてはそうした領収書は発行している、と述べている」とニューオータニの主張をアピール。

 しかし、辻元議員は安倍首相がこうした答弁をおこなうことを見越していたのだろう。というのも、つづけてANAインターコンチから得た、決定的な回答を突きつけたからだ。

「そしてこれも訊きました。『ホテル主催ではない数百人規模のパーティ・宴会で、代金を主催者ではなく参加者一人一人から会費形式で貴ホテルが受け取ることはありましたか』。回答。『ございません。ホテル主催の宴席を除いて、代金は主催者からまとめてお支払いいただきます』」
「もう一問、訊きました。『主催者が政治家および政治家関連の団体であることから対応を変えたことはありますか』と質問しました。回答、『ございません』。総理、これ(回答の文書)ご覧になられますか?」

 これは極めて重大な回答だ。安倍首相は「自分のケースはほかとは違うんだ」と言わんばかりに主張し、安倍首相と関係が深く、天皇即位の際に総理夫妻主催でおこなわれた晩餐会の発注を受けているニューオータニもメディアの取材に「一概には言えない」などと一般の対応と違うケースがあることを匂わせてきたが、ANAインターコンチは “政治家だろうが例外はない”と明言したのである。つまり、これまで安倍首相が答弁してきたことを、真っ向から否定したのである。

ANAホテルの文書回答を突きつけられた安倍は「口頭での回答」で反論、文書の提出拒否

 この辻元議員の追及に、安倍首相側は答えに窮し、結局、ANAインターコンチに問い合わせることを約束。午後の質疑でその回答をあきらかにすることとなった。しかし、辻元議員を引き継ぐかたちで午後の質疑に立った野党統一会派の小川淳也衆院議員がANA側から回答を得られたかと質問すると、安倍首相はこう答弁した。

「私の事務所が全日空ホテルに確認したところ、辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていない、とのことであります」
「私の事務所の職員はホテル側と事前に段取りの調整をおこなったのみであり、明細書などの発行は受けていない、とのことでした。また、領収書については、一般的にあて名は『上様』として発行する場合があり、夕食会でも『上様』としていた可能性はある、とのことでありました」

「営業上の秘密」って、これ、ニューオータニの回答として安倍首相が主張しつづけているのとまるっきり同じもの。しかも、辻元議員がANAインターコンチから得た文書での回答と食い違う内容だ。

 言っておくが、辻元議員は書面で質問をおこない、ANAインターコンチ側はしっかりと文書で回答を出している。かたや、安倍首相は昼休憩のあいだに指示を出し、事務所スタッフが電話で聞いた話を答えているだけ。それで回答がこれだけ食い違っているのだから、あらためて安倍首相からANAインターコンチ側に文書で正式な回答を提示する必要がある。

 だが、文書での回答を求められた安倍首相は、「これ以上、私から全日空側に要望することはいまの時点で考えていない」「私がここで話しているのが全日空側とのやりとりの真実」などと言い、文書での回答を拒絶。挙げ句、こんなことまで言い出したのだ。

「信じていただけないということになれば、そもそも予算委員会(の質疑)が成立しない。いちいちそれに答えていたのでは成立しないということになってしまう」
「私の言っていることが間違っているのかと(野党側がホテルに)お問い合わせいただきたいと思う」
「すでにコミュニケーションがみなさんとは成り立たない」
「全日空側に『書面で出せ』というのは、いささか要求が強すぎる」

 しかも、辻元議員が問い合わせたのはANAインターコンチの広報推進室だったが、安倍首相の事務所が電話で確認したのは「営業側」だと言い、「「実際に業務をおこなっているのは営業。我々は営業側と話をしている。広報推進室は一般的なお答えをしているのだろう」とまで言いはじたのだった。

 普通、企業の広報は問い合わせがあれば社として回答を出すものだ。それを「営業のほうが正しい」と言わんばかりに主張するって……。その上、野党統一会派の山井和則衆院議員の質疑中も安倍首相は文書での回答を拒否しつづけ、委員会室が紛糾していたあと答弁に立った安倍首相は、「また黒岩委員」「また久兵衛について何かアドバイスですか?」などと発言。さらに、野党側は「いますぐ文書で出せ」とは言っていないのに、安倍首相は「(文書を)すぐに出せないのは当たり前」などと話をすり替える始末。これには、一部野党も話にならないとして委員会室から退室、一時審議中断となった。

 言うまでもなく、これは安倍首相自身に持ち上がっている政治資金規正法や公選法などの違法疑惑であり、身の潔白を主張するのであれば、ホテル側に文書での回答を得て、ホテルに明細書を再発行してもらい、それらを国会に提出すればすべては終わる話だ。それをすべて拒否するから、野党側も一時審議拒否で対抗せざるを得ないのだ。

コロナ対応の失態で安倍官邸が「死者が続出したら政権がもたない」、関心は政権維持だけ

 おそらく、この一時審議拒否についても、自民党や安倍応援団は「野党はこんなときでも新型コロナウイルスではなく『桜』をやっている」「挙げ句は審議拒否をして、貴重なコロナをめぐる議論の場をストップさせた」などと騒ぎ、野党に責任転嫁しようとするだろう。

 しかし、前述したように「こんなとき」に何もやってこなかったのは、当の安倍首相だ。既報(https://lite-ra.com/2020/02/post-5259.html)のとおり、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐべく対応の陣頭指揮に立つべきタイミングで、安倍首相はあろうことか支援者や身内の子飼い議員、メディア関係者らと会食を繰り返していた。

 しかも、安倍首相は昨日16日になって、いまごろ「受診の目安」を取りまとめるなどと言い、後手後手ぶりを露呈。対策本部で「打つべき手を先手先手で打ってもらいたい」などと指示をおこない“やってる感アピール”に精を出したが、実際には、この対策本部に安倍首相が出席していた時間はたったの11分、昨日になって初めておこなわれた「専門家会議」も出席時間はわずか3分。その後は公邸に宿泊することもなく、私邸にそそくさと帰ってしまった。

 国内での感染例が相次いだことを受けて、官邸は国民をいかに守るかではなく「死者が続出したら政権が持たない」と心配し、安倍首相は「ワクチンが開発されるまで何とか乗り切ろう」と周囲に語っているという(西日本新聞15日付)。結局、こうした局面に立っても、この総理大臣は自分たちの政権維持のことしか頭にないのだ。

 そして、違法性が指摘されている「桜を見る会」問題も、安倍首相は新型コロナウイルス問題に乗じて有耶無耶にし、乗り切ろうとしている。だが、そんなやり口が許されるはずがない。安倍首相が昼休憩のあいだに事務所スタッフに命じて電話で回答を得たというのなら、同じように回答の文書も明細書も依頼すればすぐに出してもらえるだろう。「『桜』をやってる場合か」と批判する者は、新型コロナの議論を深めるためにも、安倍首相にこそ「明細書をすぐに出せ」と言うべきだ。

最終更新:2020.02.18 10:00

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