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「スッキリ」加藤浩次らが「桜を見る会」で露骨な安倍政権擁護! テレ朝小松アナも…安倍首相と記者クラブの懇談会が影響か
日本テレビ『スッキリ』11月28日放送より
反社会的勢力を「桜を見る会」に招待していたのではないかという疑惑に対し、安倍政権が全力で逃げようとしている。菅義偉官房長官は26日に「結果として入っていたんだろう」などと述べていたが、27日になって「反社会的勢力が出席したとは言っていない」と一転させ、きょうも招待者名簿の電子データ復元について「復元はできないと聞いている」などと回答した。
反社会的勢力への税金を使った接待疑惑に対し、「面識はない」と知らんぷりし、精査のため招待者名簿の電子データ復元を求めても「できない」と強弁。挙げ句、27日には「“反社会的勢力”の定義は一義的に定まっているわけではない」とまで言い出す──。もう滅茶苦茶ではないか。
すでに大きく指摘されていることだが、反社会的勢力への闇営業問題では宮迫博之や田村亮といった芸人たちは厳しく責任が問われた。その一方、血税で賄われている安倍首相の主催イベントで、反社会的勢力を「功労者」「各界の代表者」として招待して税金で接待していたとなれば、悪質さでいえば芸人たちを遥かに超えた問題だ。実際、政府は〈反社会的勢力を社会から排除していくことは、暴力団の資金源に打撃を与え、治安対策上、極めて重要な課題〉とする指針をまとめているのだ。
この、どう考えても政府として毅然とした態度を貫くべき局面で、「“反社”の定義は一義的に定まっているわけではない」などとまで言い出したことは、社会のルールを自分たちの都合で捻じ曲げようという、信じがたい暴挙と言わざるを得ない。
だが、こうしたなかで、耳を疑うような発言が飛び出した。昨日27日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日)で、番組MCの小松靖アナウンサーがこう述べたのだ。
「政権としてそういう人(反社会的勢力)と一緒に写真におさまることは好ましくないってことは言うまでもないんですけど、吉本芸人と一緒にするのは無理があると思っていて。というのは、島田紳介さん、それから宮迫さんもそうですけれども、反社会勢力から対価を得るということは、犯罪によって得たお金を、対価としてギャラとしてもらったということになりますから、それとはちょっとワケが違う。その上で、政権としてはそこは毅然たる態度をとるべきだとは私も思いますよ。でも、一緒にするのは、報道として無理があるんじゃないかなというふうに思います」
おいおい、「芸人はアウトだけど政権は違う」って、何を言っているのだろうか。小松アナは「対価を得ていた」ことを問題視しているが、「反社を社会から排除することを打ち出している政府が、反社を功労者として税金でもてなしていた」ことのほうが問題は重大だ。しかも、ジャパンライフがそうであったように、「桜を見る会」に招待されたという事実は、その人物や関係企業に「政府によるお墨付き」を与えていることになる。それが詐欺事件などの犯罪に用いられる可能性が十分考えられるのだ。それを「対価は得ていない」から「芸人と一緒にするのは無理がある」なんて、無理があるのは小松アナの政権擁護のほうだ。
しかし、驚くような論理で政権擁護をする者は、小松アナだけではなかった。さらに酷かったのが、本日放送の『スッキリ』(日本テレビ)だ。
加藤浩次はジャパンライフ会長招待を「4年前は普通にマルチの商売をしている会長」だったとインチキ擁護
『スッキリ』では、最初にVTRでジャパンライフの会長が「総理枠」で「桜を見る会」に招待されていたのではないかという疑惑や、反社会的勢力の招待問題などを取り上げたのだが、スタジオでは、司会の加藤浩次がジャパンライフ問題について「(会長が)招待されたのは2015年、家宅捜索が入ったのは今年の4月」と述べた上で、こんなことを言い出したのだった。
「4年前にそういう人を入れていたということもアウトなのか、4年前は普通にマルチの商売をしている会長が来たということで、結果そういうことになったという考え方をするのか。ここは意見分かれるところだと思うんですけど」
「野党側がしっかりちゃんと時系列を整理して言わないと、世の中に違った印象を与える部分も僕は野党側にあると思う。それをやっぱり、与党、安倍さん側もそこはしっかり答えなきゃいけないんだけど、そこは遡ってどこを言ってるの?ということにもなってくると思うんですよ。ね。そこはお互いちゃんと明らかな部分は明らかにしていかないと、野党側は勝手に安倍政権の、反社と付き合いあるんだーって印象操作をしていくだけだったら、僕、意味ないと思うんですけど」
いや、「野党は時系列を整理しろ」って、メディアの仕事を放棄するなという話だろう。仕方がないので代わりに言っておくと、ジャパンライフは磁気ネックレスの預託商法などを展開、悪徳マルチ商法として社会問題になってきた会社であり、1985年には国会で「ジャパンライフ問題」として集中審議がおこなわれたことまである。そして、すでにさんざん報道されていることだが、「桜を見る会」に招待される前年、2014年9月にすでにジャパンライフは消費者庁から文書で行政指導を受けていた。さらに、もっとも重要なのは、ジャパンライフが「桜を見る会」の招待状と安倍首相の顔写真を宣伝チラシに載せ大々的にアピールし、勧誘や説明会で「招待状」を顧客に見せ、その関係を利用していたことだ。
つまり、悪徳マルチ商法として社会を騒がせ、半年前には消費者庁から行政指導まで受けているにもかかわらず、その会社の会長を招待していたのである。そんな問題企業を首相主催の「桜を見る会」に招待することで、その信頼性にお墨付きを与え、実際に勧誘に利用された事実は、安倍首相が悪徳商法の客集めの片棒担ぎをしたと誹りを受けて当然の問題だ。それが一体どうしたら「野党の印象操作」という話になってしまうのか。たんに日テレのVTRのつくりが雑な上に手ぬるいだけではないか。
しかしこのあと、もっと驚くようなことをコメンテーターが口にした。モーリー・ロバートソン氏だ。
モーリーは批判を「安倍嫌いのやっかみ」、安倍首相の後援会招待を「うまくいってる部分もあった」
モーリー氏はまず、「今回の追及っていうのはゴシップのレベルにまで向かっているような気がする」「安倍さんが嫌いな人には刺さる追及なんですけども、安倍さんを消極的に、ゆるく、民主党よりはマシだということで支持している人にとっては、あんまり影響力は与えない追及」とコメント。税金の不当な使い方に国民が怒ることに、安倍嫌いも好きも関係ないはずだが、さらにこうも述べたのだ。
「透明性がリストのなかになかった、なかに怪しい人が紛れ込んでいた、私物化していたっていうのは、どっちかっていうと首相とそのまわりで、なんていうのかな、不透明な利益を得ている人へのやっかみみたいなものもちょっと入ってくるんですよ。だから、社会のなかに、そういう良い思いをしている人へのやっかみや憤りがマグマのように溜まっていて、そこに対してちょっと餌をあげている気がするんですね」
「政治・税金の私物化」が問題になっているのに、「安倍嫌いがやっかんでいる」「野党はそこに餌をあげている」って……。ようするに、総理大臣が国民の血税を自分の支持者や地元有権者の接待に使っていたのを問題とすること自体を「やっかみ」で切り捨ててみせたのだ。
しかも、モーリー氏の驚きの発言はまだつづく。その後、こんなことまで言い出したのだ。
「(「桜を見る会」の)完璧な運営っていうのはできないと思うんですよ。たとえば、あまりにも広く、ファンクラブのように『桜を見る会』を広げちゃった結果、変な人が混ざっていたということであれば、これは渋谷の交差点にどれくらい法律を守っていない人がいるかみたいな話になってきて。ちょっと極端な言い方すると」
「与党は今後(招待者を)きちんと透明化すると思うんだけど、いままでの古い体質で、山口県で(安倍首相を)支持したら呼んでもらえたっていう、お互いに手を握り合っている匂いがするわけですよね。ところがそれによってうまくいっている部分もあったわけだ。そこをまるごと……もうちょっと大枠で見る必要もあるんんじゃないかと思うんですよ」
おい、いつから渋谷の交差点は安倍首相主催イベントの会場で、招待者を呼ぶようになったんだ。しかも、「桜を見る会」の実態は安倍自民党が地元有権者を税金で買収していたようなものだったことが判明したのに、「うまくいっている部分もあった」と肯定してみせるとは。「うまくいっていた」のは、安倍首相を筆頭とした安倍自民党の政治家たちの選挙活動ではないか。
番組では、モーリー氏の隣にいた小島慶子が「自分の税金がどういうふうに使われているんだろうか、自分にとって知るべき情報がちゃんと管理されて保存されてちゃんと公開されるのか、自分にとって必要な説明をちゃんと政治家が誠実にするのか、っていうふうに、“自分にとって”で考えたほうがいいと思う」「税金をおさめている人、全員に関係している問題」と根本的な指摘をおこなったが、しかし、この小島のコメントにも、加藤は「当然そう。でも、じゃあ、与党が悪いのかって話になる。そうなると」などと言い出す始末。
招待者数を増やし、予算も3倍超まで増加させたのは安倍政権であって与党が悪いに決まっているのだが、さらにコメンテーターで経営コンサルタントの坂口孝則氏が「国会が1日空転するだけで数千万円の費用がかかる」と口にすると、加藤は「そっちの考え方もあるのね。今回の税金って、小島さんのおっしゃっていることも当然わかるし、そのとおりなんだけど、じゃあ空転していることでお金かかってるのどうする? 税金だよね、みたいなこともあるのね」と述べたのだった。
ちなみに、「桜を見る会」の追及で国会が空転した日はないが、安倍首相入りの集中審議開催を与党が拒否していることから、野党は対抗策として明日以降、審議拒否する予定になっている。当然だ。なぜなら、いま持ち上がっている公職選挙法や政治資金規正法違反などの疑惑について説明できるのは、安倍首相ただひとりだからだ。つまり、国会を空転させようとしているのは与党なのに、それを加藤は“野党が税金を無駄遣いしている”かのようにまとめあげてしまったのだ。
内閣記者会懇談会で安倍首相が各社キャップに「ワイドショーはまだやるの? もういいんじゃないのか」
どうしてこんな話になってしまうのか、もはやため息をつくほかないが、何もこれは局所的な話でもないだろう。実際、安倍首相が説明から逃げつづける一方、一部の番組を除いては「桜を見る会」問題の追及が盛り下がっている印象だからだ。
そして、これは安倍官邸からの“恫喝”が効いている証拠だろう。本サイトでも以前、紹介したように、安倍首相の11月20日の首相動静を見てみると、こう記載されている。
〈午後6時34分、官邸発。同39分、東京・平河町の都道府県会館着。同所内の中国料理店「上海大飯店」で内閣記者会加盟報道各社のキャップと懇談。〉
安倍首相は公の場での会見も開いていないというのに、そんなタイミングで記者クラブの各社キャップが揃って安倍首相を囲んで懇談をおこなう──。しかも、本日発売の「週刊新潮」(新潮社)によると、この懇談会は開催2日前に急に設定されたという。無論、目的は「桜を見る会」報道に釘を刺すことだ。実際、この場で安倍首相と今井尚哉首相秘書官兼補佐官はキャップにこんなことを言ったのだという。
安倍首相「この問題、ワイドショーはまだやるのかな? 昭恵のことももうやったし、後援会の話も出たからもういいんじゃないのかね」
今井秘書官「NHKの報道はひどい。だから同時配信はだめだと言われる。1万1000円以上じゃなきゃ出来ないとホテルが言ったのを最初に報じたのもNHK。総理番が毎日細かいことを質問する。細かいことまで総理が分かるわけがないのに、袈裟懸けみたいに質問する。あれ、キャップが聞かせているの?」
「ワイドショーはもういいんじゃないか」「NHKの報道はひどい」「キャップが聞かせているのか」。これらの発言は報道の現場に介入しようとする、完全な“恫喝”ではないか。この懇談を蹴ったのは毎日新聞だけだったというが、参加した他の社は──とくにNHKは──直接言及されて震え上がったのではないか。いや、これは酷い擁護報道をした『スッキリ』の日本テレビもそうだろう。日テレは安倍事務所の「桜を見る会」ツアー資料を最初にすっぱ抜いたからだ。
安倍首相が国会の集中審議から逃げ、メディアが懐柔されれば、これまでの数々の問題と同様、「桜を見る会」問題も誰も責任をとらないまま、有耶無耶になってしまう。そして、税金の私物化や都合の悪い文書は廃棄されるといった根本的な問題は解決されず、むしろ国民がそれを許したことにしてしまうだろう。
(編集部)
最終更新:2019.11.28 11:04
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