安倍独裁で“法の番人”内閣法制局長官までネトウヨ化! 安倍首相のために「声を荒げる国会質問は認められない」と民主主義否定

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昨日参院予算委員会での安倍首相(参議院インターネット審議中継より)


 昨日の参院予算委員会で無所属・小西洋之議員がおこなった質問について、ネトウヨが総攻撃を繰り広げている。安倍首相に対して「“法の支配”の対義語は?」と質問し、「裸の王様を読んだほうがいい」などと発言したことが「無礼すぎる」と吹き上がっているのだ。

 この程度の質問にいきり立つネトウヨのファナティックな“安倍サマ崇拝”には毎度のことながらうんざりさせられるが、この小西議員の質疑をめぐっては、もっととんでもない展開があった。

「法の番人」であるはずの内閣法制局長官が、安倍首相擁護のために、民主主義、法治国家の根本原則をくつがえす答弁をおこなったのだ。

 きっかけは、施政方針演説で明治天皇が戦意高揚のために詠んだ歌を引用したことを批判した小西議員に対して、安倍首相がまともに答えず、施政方針演説で取り上げた内容を長々と説明しはじめたことだった。

 これに対し、小西議員は「国民と国会に対する冒涜」「訊かれたことだけを堂々と答えなさい」と批判。「我々は国民の代表として議院内閣制のもとで質問しますので、私の質問は安倍総理に対する監督行為なんですよ」と言い、横畠裕介内閣法制局長官にこう問うた。

「横畠法制局長官に伺います。『議院内閣制のもと国会議員が国会でおこなう質問は、国会の内閣に対する監督機能の表れである』。こうした閣議決定、質問主意書の答弁があるということを確認してください」

 字面だけ見るとわかりにくいが、小西議員の質問は当然だ。国会が立法府というだけはでなく、議員の質問によって政府の暴走をチェックする場であるというのは、民主主義国家の根本原則だ。実際、2014年には、小西議員が言うように、〈国会での審議の場における国会議員による内閣に対する質問は、憲法が採用している議院内閣制の下での国会による内閣監督の機能の表れであると考えている〉という答弁書が内閣法制局による審査・確認のうえ、閣議決定されている。

 小西議員は国会質問を愚弄するような安倍首相の態度をいさめるために、内閣法制局長官にあらためて、この閣議決定内容を確認したのである。

 ところが、それを受けた横畠内閣法制局長官の答弁は驚くべきものだった。小西議員の質問に対し“国会は一定の監督的な機能の作用はある”と答弁しつつ、こう続けたのだ。

「ただ、このような場で、声を荒げて発言するようなことまで含むとは考えておりません」

 繰り返すが、国会質問が内閣をチェック・監督するものであり、政府がそれに対して真摯に対応しなければならないというのは、民主主義の根本原則であり、いささかの例外も認められるものではない。だからこそ、国会議論においては、大きな声を出したり、厳しい口調で批判するといった行動や発言内容が、名誉毀損などの法律違反に問われることはないように保護されているのだ。

 それを「声を荒げて発言することは含まれない」などという、まったく法的根拠のない主観的な基準を持ち出し、国会による内閣監督の機能を否定するような答弁をおこなうとは──。

 ようするに、横畠内閣法制局長官の答弁は安倍首相を不快にさせるような質問は保護しないと言っているようなものであり、それこそ民主主義・法治国家を崩壊させ、人治主義=独裁制を実現させる意図があるとしか思えない。

『NEWS23』星浩キャスター「これでは法の番人でなく政権の番人」と批判

 官僚からこんな答弁が出てくるというのは信じがたいが、しかし、これがいまのこの国の現実である。かつての官僚は、政権からどんな命令をされても法やルールを逸脱する行為はやらないというのを鉄則としていたが、安倍政権になって、その姿勢は一変している。森友・加計問題の不正や公文書改ざん、統計データ不正を見れば明らかなように、それこそ政権の意向なら、法律違反だろうが、犯罪行為だろうが、平気でやってのけるようになってしまった。

 それどころか、ネトウヨまがいの言動を公然とおこなう官僚も次々と登場している。実際、小西議員に対しては、昨年4月にも統合幕僚監部に所属する幹部自衛官が「お前は国民の敵だ」「お前の国会での活動は気持ち悪い」などと暴言を放ったことがあったし、やはり昨年4月の衆院予算委員会の集中審議では、安倍首相のスピーチライターも務める経産省出身の佐伯耕三・首相秘書官が、加計問題を追及する玉木雄一郎議員に「違うよ!」などと野次を飛ばしたこともあった。

 ただし、今回、深刻なのは、このセリフが内閣法制局長の口から発せられたということである。内閣法制局は、内閣法制局というのは、政府・内閣がつくる政策・法律が法全体のなかで整合性が取れているかを審査する立場。官僚のなかでももっとも中立性が求められる。その機関のトップが、率先して、法治国家、民主主義を否定し独裁を肯定するようなネトウヨまがいの主張を繰り広げたのだ。

 昨晩放送の『NEWS23』(TBS)では、星浩キャスターが「これでは法の番人ではなく、政権の番人」と批判したが、その通りだろう。

 しかし、これには、安倍首相がここまで強引におこなってきた内閣法制局支配という要因がある。

集団的自衛権を容認させるため内閣法制局を破壊した安倍政権

 そもそも、安倍首相は第一次内閣時、宮崎礼壹・内閣法制局長官によって解釈改憲を阻まれたことから、第二次政権では集団的自衛権行使容認派の外務官僚で元フランス大使の小松一郎氏を内閣法制局長官に抜擢するという異例の人事をおこなった。

 集団的自衛権を行使容認するためには、それまでの慣例も打ち破り内閣法制局の勤務経験もない外務官僚を据える──。この“暴挙”には、自民党の重鎮である山崎拓・元副総裁が「法治国家としてちょっとどうなのか」、同じく古賀誠・元幹事長も「あの人事でそういうこと(解釈改憲)を始めることには、率直に怖さを感じた」と非難したほどだった(西日本新聞2013年8月4日付)。

 しかし、2014年5月に小松氏は体調不良で長官を辞任、本来なら宮崎氏の後釜だと言われていた横畠氏が後任となった。そのため、安倍首相が横畠氏を昇格させた際には「面従腹背か」と囁かれたのだが、蓋を空けてみれば、横畠氏は小松氏以上の“忠犬”ぶりを発揮。憲法学者や内閣法制局OBをはじめ、あらゆる法律家が憲法違反だと断じ、それまで内閣法制局が40年以上も違憲としてきた集団的自衛権行使を合憲と判断したのである。

 しかも、そうした判断の裏側で、横畠長官が信じがたい対応をとっていたことも判明している。

 たとえば、集団的自衛権行使容認の閣議決定がされた際、内閣法制局が憲法9条の解釈変更について内部での検討過程を公文書として残していないことが発覚。このスクープを報じた毎日新聞の日下部聡記者は、2015年10月7日の記事で、内閣法制局が解釈変更についてどのように対応していたのか、横畠長官の動きとともにこう綴っている。

〈横畠氏は閣議決定前に与党政治家と非公式に会い、憲法解釈の変更に合意していたようだ。法制局は閣議決定前日に案文を受け取り、翌日には「意見なし」と電話1本で回答している〉

 内閣法制局の内部ではなく、与党の政治家たちとのあいだで集団的自衛権の容認は合憲との前提で策を講じ、電話1本で解釈改憲を容認した──。当初、安倍首相が小松氏に課そうとした役割を横畠長官は見事に果たし、独立性や中立性、法解釈の整合性・妥当性などまるで無視して立ち回ったのだ。

天皇の生前退位をめぐっても安倍政権をアシストした内閣法制局

 さらに、内閣法制局がいかに安倍政権と一体化しているのかが如実に示されたのは、天皇の生前退位をめぐる動きだ。2016年8月8日に天皇がビデオメッセージで「お気持ち」を表明して2週間後の22日に、日本テレビが「政府関係者」の話として、内閣法制局が将来にわたって生前退位を可能にするためには「憲法改正が必要」と指摘していると報道。当時、安倍政権は必死になって生前退位を改憲の道具にしようと画策していたが、こうやって内閣法制局が持ち出されたことによって同局が安倍首相の“アシスト部隊”となっていることを裏付けたのである。

 そして、今回、横畠内閣法制局長官はとうとう安倍首相を代弁するかのように、民主主義、法治国家の原則を壊す発言までおこなった。

 横畠長官は最終的に、野党の猛抗議に対し、「『声を荒げて』という部分は委員会が適否を判断すべき事柄であり、私が評価をすべきことではありません」と言い、「越権」であることを認めた上で謝罪・撤回をおこなったが、謝罪・撤回をしながらも、まるで野党をバカにしきったようなニヤニヤした笑いを浮かべていた。

 おそらく横畠長官は反省などいささかもしておらず、これからも、法律解釈によって、民主主義を壊し、安倍独裁をアシストするという動きを強めていくつもりだろう。

 もはやこの国はとっくに「法治国家」ではなく「人治国家」になってしまっているのかもしれない。

最終更新:2019.03.07 02:54

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