菅義偉官房長官が国会で望月衣塑子記者をフェイク攻撃!「赤土混入の調査拒否」は事実なのに「事実誤認」と虚偽答弁

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望月記者をフェイク攻撃の菅官房長官(公式HPより)


 菅義偉官房長官の定例記者会見における東京新聞・望月衣塑子記者への“恫喝・排除”文書問題は、日本新聞労働組合連合(新聞労連)につづいて8日に日本ジャーナリスト会議も抗議声明を発表するなど、波紋を広げている。

 だが、そうした抗議もどこ吹く風。この問題が取り上げられた12日の衆院予算委員会では、答弁に立った菅官房長官は反省するどころか完全に自己正当化し、望月記者への敵意と報道への圧力姿勢を剥き出しにしたのだ。しかも、その内容は、事実を事実でないと言い張る、明らかな虚偽答弁だった。

 そもそも、問題の発端となったのは、昨年12月28日に上村秀紀・官邸報道室長の名前で内閣記者会に提示した文書。そのなかで安倍官邸は、同月26日の会見における「東京新聞の特定の記者」の質問に「事実誤認」があったと指摘。「度重なる問題行為」は「深刻なもの」だとして「問題意識の共有をお願い申し上げる」と記述している。ようするに、官邸記者クラブに対して“望月をどうにかしろ”と恫喝をかけたのである。

 そして、12日の予算委では、国民民主党の奥野総一郎議員がこの“恫喝”文書を取り上げ、「『特定の記者による事実誤認』とは一体どういうことか」と質問。まず、菅官房長官は開口一番、「ぜひ貴重な機会でありますので、申し上げさせていただきたいと思います」と述べると、一気にこう述べた。

「たとえば官房長官記者会見の趣旨というのは、質問に対して政府の見解、立場、これを記者のみなさんに答えることだというふうに思っています。ですから、厳しいスケジュールのなかで2回、午前・午後、記者会見をおこなっております。そしてその会見の様子ってのは、官邸ホームページ、インターネット動画配信、それだけでなくですね、他のメディアを通じたライブ配信というのが現在おこなわれております。そのやりとりは、私の発言のみならず、記者のみなさんの発言についてもですね、国の内外で直ちにこれ、視聴することができるようになっています。その場で、事実に基づかない質問がおこなわれ、これに起因するやりとりがおこなわれる場合にはですね、内外の幅広い視聴者に誤った事実認識を拡散をされる恐れがあると思ってます。ですから、記者会見の意義が損なわれる、まずその懸念であります」

 菅官房長官の会見をウォッチしている人間なら、ほとんどが「よく言うよ」とつっこんだはずだ。「会見の趣旨は質問に対して政府の見解をみなさんに答えること」などと言うが、望月記者が「政府の見解」を訊いても、菅官房長官は「○×省に訊け」だの「指摘は当たらない」だのと返すだけ。「政府の見解」なんてまともに答えたことはないではないか。

 しかも、菅官房長官はこのあと、望月記者の「事実誤認」について滔々と述べ始めるのだが、これまた、詐術に満ちたものだった。

「たとえばですね、過去に何回もあったんです。昨年の1月16日、私、質問されました。私が国連人権委員会の特別報告者からの面会依頼をドタキャンしたと。『なぜドタキャンした』と言われたんです。それ、私は記憶がなかったものですから、調べたら、面会依頼の事実がなかったんです。しかし、こうしたことが報道されているんです。そしてこのことを、某記者の所属会社というのは、事実誤認があったという回答を受けています」

「昨年12月26日会見質問で、事実誤認があった」という自分の発言について訊かれているのに、なぜか菅官房長官は関係のない昨年1月の話を急に持ち出したのである。

「過去に事実誤認が何回もあった」と言いつつ、提示した具体例は…

 ここで菅官房長官が問題にしている望月記者の質問は、ノーベル平和賞を受賞した核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長が来日時に安倍首相との面会要請を政府が日程を理由に拒否したときのもの。このとき望月記者は、2016年11月に国連人権理事会の特別報告者であるデビット・ケイ氏が来日した際のことを例として出し、「菅さんや高市総務相とご面会したいというときも、政府側がドタキャンしたという経緯があった」と話の流れのなかでふれただけだった。これに対し、菅官房長官はその場で「ドタキャンなんかしてない」と否定している。その場で事実ではないと修正したのだから、菅官房長官が懸念するような「内外の幅広い視聴者に誤った事実認識を拡散される恐れ」などないというのに、いまさらわざわざ蒸し返す──。

 しかも、実際にケイ氏はこの来日時に「電波停止」発言をおこなった高市早苗総務相(当時)に何度も面会を申し入れたにもかかわらず断られたことを記者会見であきらかにしており、少なくとも高市総務相については間違っていない。

 また、ケイ氏がこの来日調査でまとめた報告書では菅官房長官にも言及、報道関係者とのオフレコ会合である番組について放送法を持ち出して批判したことを政府による圧力だと問題視していた。放送法に関心を寄せていたケイ氏が菅官房長官に面会を申し入れていたとしても不思議はなく、それで望月記者は菅官房長官から事実を引き出そうとしてブラフをかけた可能性もある。こうやってあらゆる角度から質問を投げ、ときに揺さぶりをかけることは記者として当たり前の行為だ。

 菅官房長官はこのほかにも、「(望月記者は)午前中に私が発言しなかったのを、あたかも発言したというかたちで午後に質問した」ことがあるなどとし、望月記者の事実誤認が「過去に何回もあった」などと言っていたが、この程度の具体例しか提示できなかった。しかも、それを1年以上経っても「事実誤認だ!」と言いつづけ、ましてや会見から排除するための理由にすることは、報道の自由の侵害にほかならない。

菅官房長官「琉球セメントは県の調査は拒否していない」は虚偽答弁だ

 こうして「事実誤認だ!」とまくし立てて、正当な取材活動をする記者に国会という場でさらなる圧力をかけた菅官房長官だが、じつはこのあと、自分自身が明らかな嘘を口にする。ついに本題である昨年12月26日会見質問での望月記者の「事実誤認」とはなんだったのか、に追及がおよだときのことだ。

「(望月記者から)琉球セメントは県の調査を拒否してた、沖縄防衛局が実態把握できていない、こういう発言があったことも、これ事実ですよ。ですから、何回となく事実と異なる発言があったということも事実でありますので、じつは新聞社には抗議しています。そして今回は、会見の主催はまさに記者会でありますから、何回となくつづいていますから、記者会に申し上げたということです」

 たしかに望月記者は、12月26日に「民間業者の仕様書には『沖縄産の黒石岩ズリ』とあるのに、埋め立ての現場では赤土が広がっております。琉球セメントは県の調査を拒否していまして、沖縄防衛局は『実態把握が出来ていない』としております。埋め立てが適法に進んでいるのか確認ができておりません。政府としてどう対処するつもりなのでしょうか」と質問している。対して、菅官房長官は「琉球セメントは県の調査は拒否していない」「沖縄防衛局は実態を把握している」から事実誤認だ、と言い張っているのである。

 しかし、これこそ事実誤認などでは済まない、とんだ虚偽答弁だ。

 菅官房長官は「琉球セメントは県の調査は拒否していない」とするが、これは昨年12月12日と15日に沖縄県が琉球セメントの立ち入り検査をしたことを根拠にしているのだろう。だが、12日の立ち入り検査は県への届け出通りに桟橋が設置されているかどうかを調べる「桟橋への立ち入り検査」であり、15日は届け出を提出しないまま埋め立て土砂を堆積したことに対する「堆積場の立ち入り調査」(琉球新報2018年12月15日付)だった。

 そうではなく、望月記者が「立ち入り検査を拒否している」と指摘したのは、「仕様書には『沖縄産の黒石岩ズリ』とあるのに現場では赤土が広がっていること」と明確に述べているとおり、赤土混入の疑いが強いことに対する立ち入り検査についてだ。

 そして、この赤土混入の疑いが強いことに対する立ち入り検査については、岩屋毅防衛相が1月22日に「現時点で必要ない」と拒否したように、いまなお実施されていない状態なのだ。

 ようするに、望月記者は赤土混入の疑いに対する立ち入り検査について「調査を拒否している」と述べたのに、菅官房長官はその事実をネグって、他の立ち入り検査が実施されたことを根拠に「事実誤認だ!」と国会で糾弾したのである。これは、安倍首相の「あそこのサンゴ」発言と同じで、都合に合うように事実を勝手にねじ曲げるという、下劣極まりないフェイクだ。

望月記者の行為は「取材じゃない」と恫喝する菅官房長官

 フェイクはこれだけじゃない。菅官房長官は「沖縄防衛局が実態把握できていないというのは事実誤認」とし、“恫喝”文書でも〈沖縄防衛局は、埋立工事前に埋立材が仕様書どおりの材料であることを確認して〉いるとして〈明らかに事実に反する〉と主張しているが、これこそが事実に反している。沖縄防衛局は当初、土砂の岩石以外の割合を「概ね10%前後」と説明していたが、じつは業者に発注する際に「40%以下」と県に承認を得ず仕様書を変更していたことが当の望月記者の追撃によって明らかになったからだ。

 赤土混入の調査から逃げつづけ、国民を欺く仕様書の変更までしておきながら、その問題を追及する望月記者を「事実誤認だ!」と糾弾して排除しようとする──。これは完全に、権力による記者への不当な弾圧そのものではないか。

 しかも、菅官房長官は、“恫喝”文書について“取材の自由を封じる行為ではないか”と追及されると、怒りを全開にして、こう答弁したのだ。

「(望月記者の行為は)取材じゃないと思いますよ。決め打ちですよ。事実と異なることを記者会見で、それを事前通告も何もないわけですから、私だってすべて承知しているわけじゃありませんから」

「事前通告も何もない」って、それでこそ「取材」ではないか。それとも、官房長官定例記者会見では望月記者以外の記者は質問の事前通告をしているというのだろうか。そんなものはたんなる馴れ合いのシャンシャン会見でしかないのに、それを「取材じゃない」と言うのだ。

 本サイトでは繰り返し言及してきたが、望月記者の質問に答えず、そればかりか報道室長が質問妨害までおこない、会見から排除するために“恫喝”文書を官邸記者クラブに提示する行為は、国民の知る権利を毀損するものであり、望月記者だけではなく国民全員を蔑ろにするものだ。その上、菅官房長官はテレビ中継されている国会で、虚偽の答弁によって記者を指弾したのである。つまり、報道に政治的圧力をくわえるさまを、リアルタイムで国民に見せつけた瞬間だったと言ってもいい。

 しかし、この不当かつグロテスクな報道圧力に、強く反発・抗議したメディアはない。だが、菅官房長官の答弁は事実を歪曲したものであり、見過ごせるものではまったくない。もしこれにメディアが今後も沈黙するようであれば、それはメディアが自殺したと言わざるを得ないだろう。

最終更新:2019.02.15 12:09

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