安倍首相が施政方針演説でも嘘だらけ“アベノミクスの成果”を強弁! 戦意高揚の短歌まで読み上げるカルト全開

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「息するように嘘をつく」1月28日 施政方針演説をする安部総理(首相官邸HPより)


 本日召集された通常国会。その施政方針演説で、安倍首相が昨年につづいてまたも“明治礼賛”を繰り出した。しかも今度は、明治天皇が詠んだ短歌を引用したのだ。

「しきしまの 大和心のをゝしさは ことある時ぞ あらはれにける」

 この明治天皇の短歌は日露戦争時に戦意高揚のために詠まれたもの。安倍首相は東日本大震災の話題のなかでこれを引用し、「明治、大正、昭和、平成。日本人は幾度となく大きな困難に直面した。しかし、そのたびに、大きな底力を発揮し、人々が助け合い、力を合わせることで乗り越えてきました」と述べたが、これは軍国主義の肯定以外、何物でもない。

 政府の基本方針を示す施政方針演説で、戦前回帰の欲望を悪びれもせず開陳する──。まったく背筋が寒くなるが、きょうの施政方針演説で、安倍首相はもうひとつ、信じがたい言動に出た。

 それは、いま国民から不信の目が向けられている政府調査のデータを都合良く並べ立てたことだ。

 言わずもがな、厚生労働省による「毎月勤労統計」の不正調査が発覚し、さらに56の基幹統計で約4割の22統計で間違いが判明するなど、国が出す数字・データへの不信感が高まる一方。しかし、安倍首相は、政府調査の数字やデータを根拠に、虚構の“アベノミクスによる経済成長”“充実した社会福祉”を強調したのだ。

「早期にデフレではないという状況をつくり、企業の設備投資は14兆円増加しました。20年間で最高となっています」
「人手不足が深刻となって、人材への投資も息を吹き返し、5年連続で今世紀最高水準の賃上げがおこなわれました。経団連の調査では、この冬のボーナスは過去最高です」

 一体いつ「デフレではないという状況」がどこにつくり出されたのか詳しく教えてほしいものだが、言っておくがここで安倍首相があげたのは「大企業」の例だ。実際、上場企業は過去最高収益を達成(2018年3月期純利益)し、大企業の内部留保額は過去最高額となる約446兆4844億円(2017年度)を叩き出した一方、安倍政権下で労働者ひとり当たりの実質賃金は減少してきた。

 だが、そんななかで昨年1月から「勤労統計」の調査手法が変更されると、賃金伸び率が上昇。昨年6月に大幅に伸びた結果、メディアは「21年5カ月ぶりの高水準」「アベノミクスの成果」などと大々的に報じた。しかし、これは実質賃金を高くはじき出すための“アベノミクス偽装”だった可能性が指摘されており、野党の独自試算によると昨年1〜11月の実質賃金伸び率はマイナスになるという。つまり、「アベノミクスの成果」というのは、とんだ大嘘だったのである。

 実質賃金が上がらないのだから庶民の生活が楽にならないのは当然の話だが、しかし、安倍首相はそうしたことは無視して、大企業の賃上げやボーナスを例に出して「過去最高」などと架空の好景気をアピール。そればかりか、こんなことまで言い出したのだ。

「悪化をつづけてきた子どもの相対的貧困率もはじめて減少に転じ、大幅に改善しました」
「平成5年以来、一貫して増加していた現役世代の生活保護世帯も、政権交代後、8万世帯減少しました」
「5年間で53万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は6000人減少し、10年振りに2万人を下回りました」

 たしかに、厚労省の「国民生活基礎調査」では、子どもの貧困率は16.3%から13.9%(2015年分)と減少したが、経済協力開発機構(OECD)に加盟する36カ国の平均は13.3%であり、それを上回る状況であることに変わりはない。しかも、ひとり親世帯の貧困率は50.8%と半数を超え、主要国のなかでも最悪のレベルにある。

嘘だらけ“アベノミクスの成果”を施政方針演説でも強弁し続けた安倍首相

 また、生活保護世帯数も、昨年4月の厚労省の発表(2016年分)では前年度比0.4%増で163万7045世帯という24年連続で過去最多を更新。なかでも高齢者世帯は約84万世帯にのぼっている。そもそも安倍政権は、2013年8月から段階的に受給基準の引き下げを断行し申請を厳格化させるなど、水際作戦を強化し困窮世帯を切り捨ててきた。しかも、生活保護の受給にかんしては、片山さつきを筆頭に安倍自民党が煽動してきた「生活保護バッシング」によって社会に強烈な偏見を植え付け、本来、受給すべき人が受給できていない状況に陥っているのだ。「現役世代の受給者が減った」と喜ぶようなデータではけっしてない。

 さらに、待機児童問題にしても、安倍首相は2014年の総選挙で「2017年度末までに待機児童解消を目指す」と公約に掲げていたもの。「2万人を下回った」とはいえ、待機児童の集計から除外された「潜在的な待機児童」は約6万8000人(2018年4月時点)もいるのが現状だ。

 つまり、安倍首相が成果を誇るためにもっともらしくもち出す数字やデータは、「側面」しか示しておらず、まったく実態を反映していないものばかりなのだ。だいたい、こうした国の調査結果が信用できない状況を考えれば、あまりにも厚顔無恥と言わざるを得ないが、しかし、驚いたのは、安倍首相がこう言い切ったことだ。

「成長と分配の好循環によって、アベノミクスはいまなお進化をつづけています」
「この6年間、三本の矢を放ち、経済は10%以上成長しました」
「戦後最大の国内総生産(GDP)600兆円に向けて、着実に歩みを進めてまいります」

 基幹統計における“アベノミクス偽装”の疑いが浮上しているのに、いまだ「アベノミクスは進化している」と胸を張る──。しかも、この期に及んで、堂々と「GDP600兆円」と口にしたのだ。

 だが、周知のとおり「勤労統計」と同じように、GDPもまた“偽装”の可能性が指摘されている。日本銀行までもが疑いの目を向けているのだ。

ダボス会議でも吹聴したGDPにも偽装の疑い!日銀から不信の目が

 昨年11月13日、日本経済新聞に衝撃的な記事が掲載された。そのタイトルは「政府統計、信頼に揺らぎ GDPなど日銀が不信感」というもので、GDPなど基幹統計の信頼性に不信を募らせる日銀の関根敏隆調査統計局長が、昨年10月11日におこなわれた統計委員会の下部会合において、内閣府の統計担当者に「基礎データの提供」を求めたというのだ。

 GDPといえば、安倍首相は先日おこなわれたダボス会議での基調講演でも「私が総理在任中の6年間に、日本のGDPは10.9%伸びた」と強調し、昨年の自民党総裁選でも名目GDPが過去最高の551兆円となったことを喧伝したように、アベノミクスの最大のアピールポイントとしているものだ。

 しかし、安倍政権下で発表される名目GDPをめぐっては、日銀だけにかぎらず、以前より専門家のあいだでは“偽装”が囁かれてきた。

 事実、安倍政権は2016年にGDPの推計方法を変更し、「研究開発投資」なる項目を追加して加算するなどの見直しをおこなった。その結果、2015年度の名目GDPは、旧基準では500.6兆円にしかならないところが532.2兆円に跳ね上がったのである。

 この問題について、『アベノミクスによろしく』(集英社インターナショナル)の著書である弁護士の明石順平氏は、「(建設投資の推計手法の変更など)国際基準とは関係ない部分の上げ幅が、安倍政権の時期だけ突出して大きく、都合よくデータを選んでいることが疑われる」と答えている(東京新聞2018年9月12日付)。

 データや数字を都合良くもち出し、「成長と分配」という実態とまったく異なる成果をアピールするだけではなく、安倍首相の手柄のためにGDPや実質賃金までもが操作されている──。もしこれが事実であれば、国としてあるまじき“虚偽政府”だ。きょうからはじまったこの通常国会では、安倍首相がさんざん振りまいてきた“数字の嘘”が徹底的に暴かれる場にしなければならないだろう。

最終更新:2019.02.01 10:38

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