安倍昭恵夫人がまた…今度は桜井誠・在特会元会長を支持する“ヘイト”運動家主催のデモに感謝のメッセージ

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安倍昭恵オフィシャルサイトより

 いまだに森友学園問題の説明から逃げ続けている安倍昭恵夫人が、今度は、ヘイト運動関係者が主催した政権応援デモに“感謝のメッセージ”を送っていたとして話題になっている。

 その政権応援デモとは、大阪府で21日に行われた「偏向報道に負けるな!安倍政権がんばれ大行進in大阪」なる運動。デモの模様は動画サイトにも複数アップされている。参加者は「安倍チャン、太郎クン、がんばれ! 私たちが付いてる!」との文言が書かれたワゴン車に導かれ、「安倍政権を応援しまーす!」「偏向報道をゆるさないぞー!」「国難を突破できる政権は安倍政権でーす!」などとコールしながら行進。参加者の手には日の丸の旗が握られていた。

 おわかりの通り、森友・加計学園問題や福田淳一財務次官セクハラ問題から安倍政権を擁護し、支持率低下はマスコミの偏向報道のせいだと主張するデモ活動なわけだが、このデモの終了後、参加者のミーティングの動画がネットにアップされた。その動画をみてみると、主催者がこんな挨拶をしていたのだ。

「これを言うとですね、この昭恵さんがですね、関わったとかですね、いろんなことを言い始めますので、きょう、いまここでですね、おられる方だけにお伝えしたいなと思います。あの、最初にですね、安倍昭恵さんからメッセージをいただいておりました」

 さらに、主催者はスマートフォンの画面を見ながら、その「安倍昭恵さんからのメッセージ」をこのように読み上げた。

「『これから日本を求めて世界の人が来そうですね』と。『21日の行進はどこでございますか?』と。本当に、まあ昭恵さんの、おおらかな方っていうのは、本当に素晴らしい方だなと思って、本当に感動いたしました。で、『いつも応援ありがとうございます』というメッセージもいただいております」

昭恵夫人がメッセージを送った人物は自らも「在日は有害」と差別ツイート

 このデモの主催者は、日の丸を掲げ日本唱歌を歌いながら行進するという運動を行っているU氏という人物で、Twitterのプロフィールを見ると、「日本会議議員」とある。また、ヘッダーやアイコンには安倍首相と中山泰秀・自民党衆院議員とのスリーショット写真が使用されているうえ、Facebookを見ると昭恵夫人とは「友達」だ。さらに、2012年の総選挙のときは、安倍首相の応援演説の際にバイオリンで君が代を演奏したといい、親密な関係にあることがうかがえる。

 ようするに、昭恵夫人は、またぞろ自分や夫の“右翼仲間”に感謝のメッセージを送っていたらしいのだ。先日の葛飾区議・立花孝志氏との“同和デマ”をめぐる一件(本サイトの過去記事参照)といい、この人の無神経ぶりにはつくづく呆れさせられるが、話はそれではすまない。

 というのも、昭恵夫人が感謝の言葉を寄せたデモの主催者・U氏は、たんなる右派ではなく、ヘイト団体・在特会元会長の桜井誠氏を支持し、自らもヘイトスピーチを行っている人物だったからだ。

 実際、U氏はTwitterで、桜井誠氏が映る日本第一党の選挙ポスターを拡散していた。周知の通り、桜井氏の日本第一党といえば、「移民受け入れ反対」「外国人参政権付与反対」「入管特例法の廃止」「一部の外国人に対する優遇処置を撤廃」「外国人の国民健康保険への加入を制限」「外国人に対する生活保護を廃止」「朝鮮総連を解散し、朝鮮学校への補助金支給に断固反対」「マスコミの通名報道を禁止」などの公約を掲げる差別主義政党である。

 しかも、U氏は桜井氏の動画のURLを貼りつけながら、自らも“地方公務員が民団や朝鮮総連と癒着し血税で裏金をもらっている”“地方公務員は韓国朝鮮と癒着した極左暴力集団の意見まで聞いている”という旨の差別的陰謀論をツイートしていた。また、他のツイートを見ても〈在日韓国朝鮮人は日本にとって有害である〉などのヘイトスピーチを何度も繰り返している。差別主義にシンパシーを感じているのは疑いない。

 しかも、もう一つ指摘しておかなければならないのは、このデモのミーティングで昭恵夫人の感謝メッセージが読み上げられた動画をアップした人物だ。実は、この動画は、在特会の元京都支部長で、日本第一党の京都本部長・西村斉氏のYouTubeおよびニコニコ動画のチャンネルでアップされたものだった。

安倍応援デモ動画を拡散したヘイト運動家のおぞましい差別発言の数々

 西村氏はヘイト運動界隈では名の知れた人物。2009年、複数メンバーとともに京都朝鮮第一初級学校(現・京都朝鮮初級学校)の前で「日本から叩き出せ」「スパイの子どもや」「犯罪者に教育された子ども」「朝鮮ヤクザ」などとヘイトスピーチを行い、のちに威力業務妨害などで起訴、有罪判決を受けた。また、朝鮮学校側が在特会側を訴えた民事裁判でも、学校周囲200メートル以内での街宣活動の禁止と約1200万円の損害賠償が確定している。

 さらに西村氏は、2017年6月にも同校に対する拡声器を使ったヘイトスピーチによる名誉毀損を告発され、今月20日付で在宅起訴されていたと、昨日、共同通信が伝えたばかり。ヘイトスピーチをめぐる刑事事件で名誉毀損罪が適用される初の事例だという。

 なお、西村氏はこの4月にも桜井誠党首らとともに沖縄を訪れ、辺野古の在日米軍新基地に反対する市民のテント村などでヘイト街宣を行っている。そのなかで桜井氏は機動隊に向かって「本来であれば、君たちがここにいるね、違法にいるアホども、撃ち殺さなければいけないんだよ」と反対派市民の銃殺まで扇動。西村氏も「チョンコ、チョンコいますか〜!」「アンニョハセヨー! 乞食の罪で逮捕しろー! 日本国民に迷惑をかけるな!」「北朝鮮へ帰りなさい!」「臭い臭い、トンスルでも漬けとんのか?」と絶叫するなど、耳を塞ぎたくなるようなヘイトスピーチをがなりたてていた。

 西村氏は今回の“安倍政権応援デモ”の動画をTwitterでも拡散している。本人は〈取材〉と称してはいるが、このデモを支持していたのは間違いないだろう。

 いずれにしても、昭恵夫人はこうした差別主義者や差別運動家たちが関わり、支持しているデモの主催者に「いつも応援ありがとうございます」とのメッセージを送っていたというわけだ。

 しかも、主催者のU氏が読み上げたメッセージによると、昭恵夫人は「21日の行進はどこでございますか?」など、かなり前のめりなコメントをしている。頼まれて仕方なくとか、よくわからず利用されたという言い訳は通用しない。昭恵氏は明らかに主体的にこうした差別主義者と関係を持ち、積極的にメッセージを届けているのだ。これは、欧米ならば、それだけで夫の政治生命が終わるレベルの重大な事態だ。実際、夫人が感謝のメッセージを伝えることで、ヘイト運動が勢いづき、人々の尊厳を傷つける差別行為、さらにはジェノサイドを正当化するような空気がさらに広がる恐れもある。

 もっとも、昭恵夫人にそんな自覚を促したところで、馬の耳に念仏だろう。実際、森友問題では、昭恵夫人が来園し名誉校長に就いたことで、国民の財産が異常に安く売られ、それを隠蔽するため公文書が改ざんされ、自殺者が出るという事態にまでなっているのに、この総理大臣夫人はまるで他人事のように知らんぷりを決め込んでいるのだ。そして、夫を支持し、自分をちやほやしてくれる差別主義者たちの言葉だけを聞こうと、自分から接近を図っている。

 安倍首相を総理大臣の座から引きずりおろし、昭恵氏から“総理大臣夫人”という肩書きを剥奪しないかぎり、この国のグロテスクな差別はますますエスカレートしていく一方だろう。

最終更新:2018.04.24 08:27

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