ただの下ネタ『ドキュメンタル』を「本物の笑い」という松本人志、宮迫博之、フジモンの勘違いぶり

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アマゾンプライム・ビデオHPより

 アマゾンプライム・ビデオで配信されている『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』。現在は昨年12月に公開されたシーズン4が最新シーズンとなっているが、これまでだいたい4カ月〜5カ月のスパンで更新されていることから、そろそろシーズン5が配信されるのではとファンからは期待を寄せられており、その熱は、パチンコ店でのイベントに出演した狩野英孝が『ドキュメンタル』のTシャツを着ていたというだけで、「シーズン5の出演者には狩野英孝がいるのでは?」とネットで話題となったほど加熱している。

 そんななか、「CUT」(ロッキング・オン)2018年4月号が『ドキュメンタル』特集を展開。シーズン1、2、4に出演した藤本敏史(FUJIWARA)と、シーズン4に出演した宮迫博之(雨上がり決死隊)がインタビューに応えている。

 そのなかで宮迫は、地上派のテレビではMCを担当するような地位にいるのにも関わらず敢えて『ドキュメンタル』に参戦したのは、「たまにTwitterとかで『ネタもやらずに……』みたいな、心ない書き込みがあるんですよ」といった自身の置かれている状況に一石を投じるためであるとしながら、このように思いを語っている。

「デビュー当時から戦って戦って今があるっていう歴史があるんやって、ちょっと見返したい気持ちもありました。面白くないやつがバラエティの司会にはなれないですからね」

 藤本もまた『ドキュメンタル』について、「あそこではほんとにお笑いやってるっていうのを感じる」「自分の今まで培ったお笑い力をそこで全部ぶつけるって言っても過言ではない感覚がありますよ」と自信をのぞかせつつ、『ドキュメンタル』こそが、いま現在最も芸人の真価を届けることのできるバラエティ番組であると述べる。

「ちょっと攻めたバラエティ番組はどんどん肩身が狭くなってる中で、『ドキュメンタル』は、ほんとのお笑いの力が如実に表れるのが面白いなぁと思います」

 2人とも、なにか『ドキュメンタル』こそが「本物のお笑いを追求する場所」みたいな言い方をしているが、これ、そんな上等なものなのか。実際に番組を見たら、松本が後輩たちに体を使った“下ネタ”を強要するホモソーシャル丸出しの体育会宴会芸としか思えない。

 しかも、その下ネタがえぐすぎるものだ。たとえば、シーズン2では、裸になった小峠英二(バイきんぐ)が掃除機に男根を吸わせて悶絶。シーズン3ではさらに過激化し、春日俊彰(オードリー)が局部の皮を伸ばしてそのなかに人形を入れたり、性感マッサージ嬢に扮した秋山竜次(ロバート)がケンドーコバヤシのパンツのなかに手を入れて局部をしごいたりというようなネタまで放送された。

松本人志は「あれは下ネタではない、アートですよ」と

 また、これは能町みね子氏が指摘していたことだが、出演した女芸人を常軌を逸した下ネタに巻き込むことで、セクハラになってしまっているという問題もある。

 たとえば、シーズン4では、黒沢かずこ(森三中)が他の芸人たちのノリについていけず「男社会だなぁって…」と泣き出すという一幕もあった。しかも、その黒沢に藤本敏史がすかさず、他の芸人が「やった?」というセクハラ丸出しのストレートなツッコミをし、そこから、黒沢と藤本がシックスナインの格好をする即興コントが始まってしまう。

 この後も、宮迫博之が局部を出したり、井戸田潤(スピードワゴン)が陰茎を出したうえその場で放尿したり、千鳥は大悟とノブの二人が全裸になって漫才を披露する下ネタが連続。そして、ゲーム終了寸前には黒沢も空気入れを肛門に入れようとする流れになってしまう。

 黒沢に訊けば「セクハラではない」と言うかもしれないが、どう見ても女性に下ネタを強要するセクハラとしか思えないものだった。

 実際、この過剰な『ドキュメンタル』の下ネタには、視聴者からも〈ドキュメンタル次回は流石にもう下ネタ自粛して欲しい。シーズン4はライン超えすぎ。笑いよりもただただ下品さが勝ってきてるから〉といった批判が出てきている。

 地上派放送でなく有料ストリーミングサービスだけの番組のことをいちいちポリコレ的にチェックするつもりはないが、少なくともこれが「本物のお笑いを追求する場」とはとても思えない。

 しかし、当の松本はまったく反省している様子はない。シーズン4エピソード1では「よく下ネタがこの番組はひどいって言いますけど、僕はいっさい下ネタなんてないと思ってますからね、この番組に関しては。あれは下ネタではないですよ。アートですよ。芸術をもうちょっと理解してもらわないと」と半ば開き直った発言をしていた。

松本は「優越感をもてる笑い」フジモンは「ヒリヒリしたお笑い」と自己陶酔

 実際に番組を見たら「アート」どころか、「お笑いの芸」でさえない気がするのだが、松本の「アート」宣言は、別にギャグで言っているわけではないようだ。

 松本は『ドキュメンタル』について、シーズン1エピソード1にはこんな上から目線の宣言をしていた。

「相当客は選ぶというか、お年寄りとか女子供が見てそこまでどうなんだろうっていうのはありますね。本当に好きな人はのめりこむように見てくれるんじゃないかなっていう、そういう意味ではこれぐらいのターゲットを絞り込む感じで」

 さらに、シーズン3エピソード1では、こううそぶいている。

「『ドキュメンタル』を見てない人に対する優越感の笑いっていうものもあると思うんですよ。やっぱり地上波ではない、なんですかね、『我々だけが知っている』みたいな」

 本稿冒頭で引いた「CUT」における宮迫と藤本の発言も、こういった松本の考えを強く反映したものだろう。藤本は「CUT」のなかでこのようにも話している。

「もっとお笑いが強いバラエティを観たいって思ってる人、フラストレーションが溜まってた人、世間にけっこう多いんでしょうね。今の世間、ちょっとしたことでクレームクレームですから、ゆるくなってしまうのはしょうがないんですけど、もっと熱い、ヒリヒリしたお笑い番組が観たいっていう人が多くなっていたところに『ドキュメンタル』が現れて、『こういうのが観たかったんや』って思った方が多かったんじゃないかなぁ」

 日本の芸能界で最も人気のあるお笑い芸人たちが集まり、そして出演者たちがここまで自画自賛する番組の最終到達地点が、自らの陰茎を放り出すことだったり、女性に対してセクハラを行うことなのだとしたら、日本の笑芸のレベルはなんとも寂しい低地点でとどまっていると言わざるを得ない。

最終更新:2018.04.08 10:35

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