サンドウィッチマンが震災風化に「震災5年で一区切りにしたのがよくなかった」…安倍政権も節目を超えたと被災地切り捨て

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『サンドウィッチマンのラジオやらせろ!』(fmいずみ)番組HPより


 2011年の東日本大震災から7年。この国はもはや震災が起きたことを忘れてしまったかのようだ。いまも7万人を超える人たちが避難生活を強いられているのに、政府は復興よりも東京五輪の工事を優先し、被災者を完全に置き去りにしている。

 それはマスコミも同様だ。被災地の現状を伝える報道は年々減少し、毎年、3.11前後に放送される震災特番も、昨年くらいからは極端に少なくなっている。

 震災の風化。そんな状況に危惧を表明したのが、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきおと富澤たけしだ。2人は河北新報(3月9日付)のインタビューに登場、その思いを語っている。

 サンドウィッチマンは仙台市出身で、震災当日にも気仙沼市でテレビ番組のロケ中に被災、実際に街を飲み込む津波や火災を目撃した。また、この震災で多くの友人や知人を亡くしている。決して他人事ではなかったのだろう。震災直後から“生き残った者”として、被災地を訪れ、義援金を呼びかけるなど被災地支援を行っており、地元メディアに積極的に出演。東北各地の観光大使なども数多く務めるなど、現在でも本気の復興支援を続けていることは有名だ。

 そんな2人は河北新報のインタビューで、復興支援を続けている理由についてこう語っている。

〈伊達 地元があんな被害を受けて、たまたま海沿いで被災して、身内や友達を何人も亡くすという経験をしてしまった。あのときあそこにいた人間として何かしたい。だから、こうして取材を受けるときにちゃんと被災地の現状を話せるようにしたいし、東北を紹介して人を呼びたいんです〉

 そして伊達は、被災地の風化についてこんな指摘をしたのだ。

〈メディアのせいもあるけど、震災5年のときに世間が一区切りっていう雰囲気をつくっちゃった。でも地元の人で区切りたいと思っている人は誰もいなかった。あれはすごくよくないことだったと思いますね〉

5年をすぎて「節目を越えた」と記者会見を取りやめた安倍首相

 たしかに伊達の言うように、「5年で一区切り」というムードが“震災の風化”に拍車をかけたのは事実だ。前述したように、メディアも6年目から極端に報道量が減った。

 しかしその“区切り”は自然発生的なものではなく、意図的につくりだされたものだ。

 昨年2017年3月10日、東日本大震災6年を目前にして、政府は野田佳彦首相時代から続けられてきた毎年3月11日に開く首相記者会見を、政府がとりやめると発表した。その理由は、こうだ。

「一定の節目を越えた」

 これに対し、官房長官会見で記者から「記者会見を行わないことで、復興に対する政府の姿勢が後退したと受け止められないか」との疑問も呈されたが、しかし菅義偉官房長官は「それはまったくない」とそっけなく答えただけだった。そしてこの年、実際に安倍首相の会見は開かれることはなかった。

 だいたい「一定の節目を超えた」という言葉が出ることじたい、現実を直視しない、被災地と被災者切り捨てに他ならない。2017年は未だ12万人を超える人が避難生活を送り、約3万4000人が仮設住宅で生活していた時期だ。さらに被災地では人手不足に加え、東京五輪関連の建設ラッシュのせいで工事費が高騰し被災地での公共工事の入札不調が相次ぐなど、五輪優先で復興の遅れが指摘されてもいた。そして福島第一原発事故で、撒き散らされた放射能の除染も進まないなか、その危険性を無視し、徐々に避難指示を解除した時期とも重なる。

 つまり、政権にとって“お荷物”となった震災や原発事故の被災者たちを、たった5年で一区切りとすることで、切り捨てた。震災の風化などと言うが、それは政権が推し進めた、あまりに身勝手な自己都合の産物なのだ。

サンド伊達「地元で区切りたいと思っている人は誰もいなかった」

 それは最近の安倍首相の言動にも如実に表れている。

 サンドウィッチマンのインタビューが掲載された翌10日、同じく河北新報に安倍首相のインタビューが掲載された。 

 そこで安倍首相は「(現在は)復興の総仕上げ」などと、あたかも復興が終盤戦を迎えたような印象操作、現在でも避難を余儀なくされている7万を超える被災者の現状を無視したかのような発言を行い、原発事故の廃炉も「東京電力が最後まで責任を持って判断すべきだ」と責任転嫁までしたのだ。

 だが、それも当然なのかもしれない。いまから4年半前の13年9月、安倍首相は東京五輪招致のIOC総会で「フクシマについて、お案じの向きには、私から保証をいたします。状況は、統御(=アンダーコントロール)されています。東京には、いかなる悪影響にしろ、これまで及ぼしたことはなく、今後とも、及ぼすことはありません」といわゆる“アンダーコントロール”発言を笑みをたたえながら平然と行っていたからだ。

 東京五輪の成功のお荷物は、未だ“区切り”をつけようとしない被災地と被災者。震災の影響などあるはずがないし、原発事故にしても同じ。──そんな安倍首相の本心が透けて見えるようだが、未曾有の大震災の傷跡や家族や親しい人を失ってしまった人びとの心に対する共感性のかけらもないのが日本のトップ、安倍首相の本性なのだ。

 きょう11日、昨年に続き安倍首相の震災会見はおそらく開かれない公算が高いだろう。被災地を軽視する安倍政権には、改めて、震災風化を危惧するサンド伊達の言葉を突きつけたい。

〈地元の人で区切りたいと思っている人は誰もいなかった。あれはすごくよくないことだったと思いますね〉

最終更新:2018.03.11 11:11

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