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北朝鮮危機で右派錯乱! 百田尚樹は朝日新聞にテロ宣言、小籔千豊は米国に「何を守ってんねん」と逆ギレ
問題の百田尚樹のツイート
●百田尚樹が「北朝鮮にミサイル撃ち込まれたら、テロ組織をつくる」
米原子力空母カールビンソンの朝鮮半島近海への派遣で、緊迫度が増している北朝鮮情勢。もし、米軍が先制攻撃を加えれば、北朝鮮は日本の在日米軍基地への報復攻撃を宣言している。
ようするに、我々を守ってくれるといっていたはずの米軍基地が最大のリスク要因となり、日本はまさにトランプの戦争に巻き込まれる一歩手前のところまで来てしまっているのだ。
これまで「北朝鮮を叩き潰してしまえ」「とにかくアメリカさまに従っていれば、日本は安全なのだ!」と繰り返してきた安倍応援団や親米保守メディアは一体どう申し開きをするのか……と思っていたら、我が身を省みるどころか、連中はまるで錯乱したかのように、さらなる支離滅裂な主張を展開し始めた。いまなお米軍が電光石火で北朝鮮を殲滅してくれるかのようなファンタジーを垂れ流すメディア、犠牲を払ってでも北朝鮮に一撃を食らわせろ、とがなりたてる保守論客、さらには左翼のせいでこうなったなどと八つ当たりするネトウヨ文化人……。その典型が、“安倍首相のお友だち”百田尚樹だろう。
「もし北朝鮮のミサイルで私の家族が死に、私が生き残れば、私はテロ組織を作って、日本国内の敵を潰していく」
「「国内の敵」というのは、売国議員と売国文化人である」
「昔、朝日新聞は、「北朝鮮からミサイルが日本に落ちても、一発だけなら誤射かもしれない」と書いた。信じられないかもしれないが、これは本当だ。 今回、もし日本に北朝鮮のミサイルが落ちた時、「誤射かもしれない」と書いたら、社長を半殺しにしてやるつもりだ」
緊張が高まるなか、百田はこんな物騒なツイートを連発している。この危機をつくりだしているのは、トランプ政権とそれに追従する安倍政権なのに、朝日新聞や左翼に責任転嫁して八つ当たりすることじたい、ネトウヨ脳丸出しだが、まさか「テロ組織を作って、日本国内の敵を潰していく」「朝日新聞社長を半殺しにしてやるつもりだ」とは……。それこそ殺害予告のような内容で、もし左翼やリベラルの人間が同種のツイートをしていれば、偽計業務妨害で逮捕されかねないツイートだ。共謀罪が成立すれば、一発で逮捕だろう。
●中田宏は支離滅裂な論理で米軍基地を擁護
本人は仮定の話であって予告ではないなどと嘯くのだろうが、本人がやらなくてもこのツイートはすでに大量に拡散されており、明らかにテロや殺人を煽動する行為だ。感化されたネトウヨがそれこそ関東大震災時の朝鮮人虐殺のような悲劇を引き起こす危険性も否定できない。万が一にでもミサイルが落ちたならパニックを起こさず冷静に対処することが求められるはずなのに、百田は自分が何をやっているかわかっているのだろうか。
百田ほどではないにせよ、テレビに出演中の右派コメンテーターたちも同じような錯乱状態に陥っている。たとえば、11日の『バイキング』(フジテレビ)。「危機 北朝鮮情勢が超危険な4つの理由 Xデーは?専門家が語る“最悪のシナリオ”」と題し、ゲストの軍事アナリスト・西村金一氏、元横浜市長の中田宏によるスタジオ解説を中心に特集したのだが、そのなかでこんなやりとりがあった。
番組では、「日本にミサイルが飛んできたら?」という想定で国民保護サイレンを流してみせた後、MCの坂上忍が「これ鳴ってから逃げたとして間に合うの?」と西村氏に質問。西村氏が「間に合わないと思います。着弾するまで警報流されないんじゃないかと私は思ってますけど」と答えると、坂上は眉間に皺を寄せて、こう疑義を呈した。
「これでもこれさあ、それこそ在日米軍基地があるところなんて、たまったもんじゃないでしょ?」
そのとおりだ。もしも、トランプが軍事介入に踏み切り、北朝鮮がその報復に出るならば、第一に標的となるのはアメリカ本土ではなく海外の軍事拠点、すなわち沖縄などの在日米軍基地に他ならない。ところが、坂上のまっとうな懸念を受けた中田宏は、こんな無茶苦茶な論理を振りかざして、在日米軍基地の正当化に走った。
「でも、大きい大局で考えればですね、結局撃たせたらおしまいなわけでしょ? 撃たせないためにはどうするかっていうのを考えたときに、先ほどから出ているように、米軍が先制攻撃をすることがありうる。なぜならば撃った時にはもう遅いからって話ですね。そうなると、基地っていうのはある意味では、ないと困るっていう話にもなるわけですね、これは」
いったい、何をほざいているのだろうか、このアメリカのポチ犬は。確認するまでもないが、いま懸念されているのはトランプの暴走的な先制攻撃と、これに対する北朝鮮の報復攻撃の話である。その状況設定をまるっきりすり替えて、いまさら「抑止のために基地は必要」とは……。それこそ典型的な“親米保守の平和ボケ”である。言っておくが、武力による抑止論は“構えど撃たず”が大前提であって、その均衡のうえで対話を進めようとする方法だ。つまり、一度でもトランプが先制攻撃をやってしまったら、もはや「抑止」もクソもないのである。
連中がこれまで口にしてきた「抑止のために米軍基地が必要」といった論理が実際は逆で、米軍基地を正当化するために抑止論を主張していたというのがよくわかる錯乱ぶりではないか。
●小籔千豊は米国に「もっと早くレッドカード出せ」と
そんななかで、他の保守とはちょっと違う反応を見せたのが、ネトウヨ芸人の小籔千豊だった。西村氏による「(アメリカは)いまイエローカード状態で、もうそろそろレッドカードを出そうという状況」「アメリカに届く核ミサイルができたらレッドカード」との分析を受けた小籔は、「これ、ほんま腹立つというか」と言って、こんな“ブチギレアピール”をし始めたのだ。
「(北朝鮮が)日本に届くミサイル持ってる時点ではレッドカード出さへんねんアメリカ、ってことでしょ? 今(日本に)届くのに、出してるのはイエローカードですよ。『日本が撃たれんのはイエローよ。俺んとこまできたらレッドな。俺んところまでのミサイル持った瞬間行くからな』。どこが守ってくれてんねん!?」
さらに小籔は「(北朝鮮が)こんなん持ってんのに(アメリカは)行けへんって、何を守ってくれてんねんっていう感じやないですか」と繰り返してヒートアップ。最後はドヤ顔で「アメリカに守ってもらってると坂上さんはお考えですか!」と鼻息を荒くした。
たしかに、アメリカが日本を守る気がないという小藪の指摘は正しい。北朝鮮のミサイル問題にアメリカが介入したいのは、「日本の国土を守るため」ではなくて「アメリカの国益のため」であり、そもそもの話をすれば、日米安保条約はアメリカが戦後、東側の軍事力に対して日本を防波堤にした占領政策の延長にすぎない。
普段、“オレは分かってるんやで”的な匂いをプンプンさせながら、謎の上から目線で世の中に迎合する保守オヤジ発言を連発している小籔が、いまになって“アメリカは全然日本を守ってくれへんやん!”と逆ギレしたことじたいは、「ようやくわかったか」とほめてあげてもいい。
しかし、問題はその先だ。小藪は「日本に届くミサイル持ってる時点ではレッドカード出さへんねん」「こんなん持ってんのに(アメリカは)行けへんって、何を守ってくれてんねん」、つまり、もっと前の時点でアメリカは「北朝鮮を攻撃しとけ」と言っているのだ。
こいつは本当に問題の本質をわかっているのか。すでに米国は1994年、クリントン政権下で寧辺の核施設に対する空爆を検討したが、北朝鮮の反撃で在韓米軍はもちろん、韓国市民にも100万人以上の犠牲者が出るとの試算が出て、空爆を回避した経緯がある。つまり、そのときから先制攻撃はありえない選択肢だったにもかかわらず、トランプはいま、それを強行しようとしているのだ。
今回、もし米軍が先制攻撃したら北朝鮮の反撃でその数倍もの被害が出るばかりか、本格的な戦争状態に突入し、数百万人の死者を出した朝鮮戦争並みの状況になる可能性もある。それを「前倒し」するようなヒステリーを起こしていったいどうしようというのか。
●本当の危機は安倍首相のトランプ追従姿勢だ
まさしく、錯乱しているとしか思えないが、現実を無視しているのは、百田や中田、小藪のようなネトウヨ文化人だけではない。
周知のように、安倍首相じたいが、日本国民の生命の危機に晒すトランプの暴走を止めるどころか、それに諸手をあげて賛同しているのだ。仮に在日米軍基地が報復攻撃をくらえれば、新安保法の実績作りに迷うことなく、アメリカの国益が引き起こした戦争に自衛隊を投入する。本来、日本にとっての国益は“国民に血を流させない”こと以外にありえないにもかかわらず、だ。
繰り返すが、いま日本がなすべきことは、安倍首相や親米ポチと一緒にトランプに盲従することでも、ましてや、恐怖心を煽られて戦争を正当化してしまうことでも決してない。どんなにまどろっこしくても、戦争を回避するための圧力と対話を繰り返していくしかないのだ
その意味では、全面的な戦争協力の構えをにじませるトランプや安倍よりも、「平和的手法による解決」を主張している習近平のほうが、皮肉なことに、何百倍も日本の国益にかなっているとしか言いようがない。
水面下で歩みだしているトランプと安倍の二人三脚こそ、マスコミが触れない本当の“日本の危機”なのである。彼らに騙され、アニメやゲームでもやっている気分で「先制攻撃もやむなし」などと勘違いしている国民はいますぐ目をさますべきだ。
(編集部)
最終更新:2017.11.24 06:36
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