今度は菅官房長官に「領収書偽造」発覚も…テレビは沈黙、新聞も完全に及び腰…富山市議や豊洲追及の勢いはどこへ

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菅義偉ホームページより


 こんな馬鹿な話が、はたしてあるだろうか。昨日の参院予算委員会で、菅義偉官房長官や稲田朋美防衛相、高市早苗総務相の「白紙領収書」問題を日本共産党の小池晃書記局長が追及したが、3人が揃いも揃って「問題なし」と答弁したのだ。

 あらためて問題を振り返ろう。まず、今年8月16日にしんぶん赤旗日曜版が、稲田氏の政治資金管理団体「ともみ組」の領収書のなかに金額、宛名、年月日が同じ筆跡で書かれた領収書が大量に存在することを突きとめ、筆跡鑑定の結果、「ともみ組」の収支報告書の担当者が記入したものだったことが判明。この白紙領収書は2012〜14年の3年間で計260枚、約520万円にのぼるとスクープしたのだ。

 こうした領収書は、自民党議員らが開く政治資金パーティの会費を支払ったときに主催者から受け取ったもの。赤旗の取材に稲田氏の事務所は白紙の領収書に稲田氏側が金額を書き入れていたことを認めている。

 さらに同紙は、今週日曜の10月9日号で菅官房長官にも同様に、同じ筆跡で金額が書かれた領収書が3年間の合計で約270枚、約1875万円分もあるとする記事を掲載する予定で、これに先駆けて小池書記局長が昨日の予算委で追及したのだ。

 言うまでもなく、白紙の領収書に受け取った側が金額や宛名を勝手に記入する行為は、刑法の文書偽造罪にあたる可能性が高い。領収書は法律上、弁済を示す公的書類で、これを記載することができるのは発行した側だけだからだ。そして、もしも実際の金額よりも水増しして記載していれば、これは刑法の詐欺罪や横領罪に該当する。実際、過去には政治団体や行政職員が白紙領収書を使った経費水増しや横領で逮捕されているし、現に富山市議会では白紙領収書による架空請求が行った議員らが相次いで辞職に追い込まれ、昨日には前市議の中川勇氏と谷口寿一氏が白紙領収書を偽造し政治費を請求していたことから、有印私文書偽造・同行使の容疑で富山県警に刑事告発されたばかりだ。

 だが、ついに国会でこの問題が追及されると、稲田防衛相は「(政治資金パーティで)受付が混乱すると円滑に運営できなくなる」と言って白紙領収書を正当化し、「政治資金パーティ主催者の了解のもとで、いわば委託されて記載した」「何ら問題はない」と答弁。菅官房長官も稲田防衛相と同じように「(政治資金)規正法上、問題ない」と開き直った。さらには政治資金を所管する総務相の高市早苗大臣も、「発行者側の領収書作成方法の法律上の規定はない」「法律上の問題は生じない」と擁護してみせたのだ。

 一般社会において、税務調査で白紙領収書の事後記載が発覚したとき、「パーティの受付をスムーズにするためだから仕方ないでしょ」なんて理屈は通るはずもない。その上、もっとも透明性が求められる政治資金をめぐる問題であるにもかかわらず、閣僚たちは揃いも揃って「みんなやってるし」と居直っているのである。

 しかし、国会で小池書記局長も指摘していたが、総務省政治資金課が発行する「国会議員関係政治団体の収支報告の手引き」には、こう書かれているのだ。

〈領収書等は支出を受けた者が発行するものであり、支出の目的についても発行者において記載すべきであり、国会議員関係政治団体側で追記することは適当ではありません〉

 つまり、総務省としても、領収書の受け取り側による追記を認めてはいないのである。当たり前の話だ。そんなことを認めれば、偽造や改ざんといった不正請求の温床になりかねないし、いくら本人が否定しても稲田防衛相や菅官房長官にもその疑いはあるのだ。

 さらに、こうした白紙領収書問題について、小池書記局長は「高市大臣も同じことをやっているじゃないですか」と指摘。くわえて、山本有二農水相、加藤勝信一億総活躍相、丸川珠代五輪担当相が、稲田氏側に白紙の領収書を渡したことを認めている。

 この、安倍政権を揺るがしかねない政治とカネの問題。8月に赤旗が第一報を打ったあとは「FLASH」(光文社)や「FRIDAY」(講談社)といった一部週刊誌しか後追いしていなかったが、ようやく国会で追及が行われたのである。当然、新聞やテレビもいよいよ大々的に取り上げるだろうと思われたが、実際は予想以上の腰砕けぶりを見せている。

 たとえば、きょうの朝刊でこの問題を1面で扱った大手紙は1社もなく、しかも産経新聞は野党の国会戦術紹介に過ぎず、菅官房長官や高市総務相の疑惑には申し訳程度に触れただけ。日本経済新聞も政治面で参院予算委員会のレポートとして「菅氏、白紙領収書認める 参院予算委、違法性は否定」と伝えるに留まり、読売新聞にいたっては政治面のベタ記事で、小池書記局長から質問があったことを伝えただけだった。

 一方、テレビのほうも、昨夕のニュース番組で取り上げたのは、『Nスタ』(TBS)と『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日)のみで、『みんなのニュース』(フジテレビ)や『news every.』(日本テレビ)は無視。夜もやはり『報道ステーション』と『NEWS23』というTBS、テレ朝の番組だけが触れた。また、NHKも『NHKニュース7』ではスルーし、かろうじて『ニュースウオッチ9』では取り上げたが、国会審議のなかのひとつとしての扱いだった。

 だが、もっとも態度があからさまだったのは、ワイドショーだろう。前述した富山市議会の政務活動費不正請求問題は各局とも熱心に報じていたが、稲田防衛相や菅官房長官らの白紙領収書問題を取り上げたワイドショーは、昨日の『直撃LIVE グッディ!』(フジ)が少し報じただけで、きょうはひとつもなし。富山市議会問題を大きく取り上げ、「恥ずかしくないのか」「セコい」などと批判を繰り出していた『とくダネ!』(フジ)も『ひるおび!』(TBS)も『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)も、本日行われたリオオリンピック・パラリンピックメダリストのパレードや、相変わらず豊洲新市場の問題を延々と報じつづけた。

 地方議会には強い調子で責め立てるのに、いざ政権の問題となるとピタッと口をつぐむ。本サイトでは先月、富山市議会を取り上げながら稲田防衛相の白紙領収書問題には触れないワイドショーの姿勢について、「各局とも、国会で大々的に追及されるか、本人が認めない限り報道しないというのが不文律になっている」と伝えた。だが、どうやら事態はさらに悪化しており、国会で追及され、さらには大臣が一般社会では絶対に通用しない理屈をこねくり回しても、“見ないフリ”で済ませるつもりらしい。

「国会でこれだけの政治とカネの疑惑が取り上げられれば、新聞やテレビも大きく報道するのがこれまでのパターンだったんですが……。おそらく、今回は菅官房長官が絡んでいたため、マスコミは一層、凍りついたんでしょう。菅さんは自分の批判記事や不正を書いたメディアには凄まじい報復をしますからね。日歯連からの迂回献金疑惑を報じた『週刊ポスト』なんて、名誉毀損裁判を起こされて、編集長が更迭されてしまった。古賀茂明発言問題のときは『報道ステーション』も裏では相当な揺さぶりを受けたようですし」(官邸担当記者)

 マスコミのこの状況を見れば、白紙領収書問題がこのままうやむやにされてしまうのは確実だろう。いまの日本は、政権中枢に近い人間ならば、どんな犯罪を犯しても一切追及されない、ほとんど中国並みの独裁国家になりつつあるということらしい。
(編集部)

最終更新:2017.11.24 07:24

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