安倍応援団の報道圧力団体「視聴者の会」賛同者の溝口敦が“反旗”!「安倍首相を立てる報道ばかり」「高市発言こそナンセンス」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
mizoguchiatsushi_160322.jpg
「放送法遵守を求める視聴者の会」公式サイト賛同者一覧より


『NEWS23』(TBS)の岸井成格アンカーを降板へと向かわせた民間団体「放送法遵守を求める視聴者の会」(以下、視聴者の会)だが、ここにきて、ある同会の「賛同者」が“反旗”を翻した。

「問題報道どころか、最近は安倍首相を立てるような報道やニュースばかりですよ。もっと批判しなきゃ。キャスターが特定の立場で批判的発言をしたっていいじゃないですか」(毎日新聞3月18日付夕刊)

 そう発奮したのは、暴力団や闇社会取材で知られるジャーナリスト・溝口敦氏だ。

 念のため確認しておくが、溝口氏が賛同者に名を連ねている「視聴者の会」は、放送法を曲解し、報道番組やキャスターらの発言が安保法制反対に偏っているなどとして放送局に圧力をかけている民間団体。その呼びかけ人は、“安倍礼賛本”の著者の自称文芸評論家・小川榮太郎氏や、「安倍晋三総理を求める民間人有志の会」発起人を務めた音楽家・すぎやまこういち氏など“安倍応援団”そのもの。賛同者の面々も、その半数以上が天皇元首化や徴兵制復活を目論む日本最大の極右組織・日本会議の関係者、あるいは親密な関係にある人物であることは本サイトで既報の通りである。

 ようは、「視聴者の会」は改憲派の極右論客や評論家たちが結集した“安倍政権の別働隊”なわけだが、しかし、冒頭に挙げた溝口氏の発言は、完全に同会の活動に対する強烈な批判であり、会の目的や存在そのものを否定する内容。小川氏たちからしてみれば、まったくの“造反”になるだろう。

 だが、溝口氏については、最初からなぜ、「視聴者の会」の賛同者になっているのか?という疑問の声が多く聞かれていた。溝口氏は歴史修正主義的思想とは無縁の反骨のジャーナリストで、同会によせた賛同メッセージでも〈NHK、民放を問わず、局の体質はゼイ弱です。ともすれば、権力と多数陣営に迎合しがちです。せめて放送法を盾に民主主義を守り、戦前への回帰を阻止せねば、と思います〉と、「視聴者の会」とは真逆の主張をしていたからだ。

 溝口氏が毎日新聞に語ったところによれば、昨秋、なんの前触れもなく「視聴者の会」から封書が届いたという。そして、「『放送法遵守』というから、どういう人たちが作った団体か確認せずに『賛同する』としてしまった」。

 つまり、溝口氏は、「中立」を装った「視聴者の会」のやり方にまんまと騙されて、官邸からの報道圧力に萎縮して安倍政権の意向を忖度している現在の放送メディアのあり方を正そうと、まったく逆の動機で同会に参加したらしい。

 賛同者になったことは「不注意だった」と認める溝口氏だが、しかし、「放送法遵守」と聞かされて、そう受け取るのもわからなくはない。何度も指摘しているように、政治権力からの自立こそが放送法の精神だからだ。

 溝口氏は冒頭に挙げたように「最近は安倍首相を立てるような報道やニュースばかり」「もっと権力を批判しなきゃいけない」「キャスターが特定の立場で批判的発言をしたっていい」と語ったあと、こう続けている。

「放送法1条は放送の自律の保障をうたっている。これが前提です。高市早苗総務相の『停波』発言はそれこそナンセンス。真実と自律を保障する放送法を盾に、政治権力と戦わなきゃ」

 まったくの正論だ。むしろ、おかしいのは中立のふりをして「放送法遵守」を叫びながら、真っ当なマスコミの任務を「偏向報道」などと言って攻撃している「視聴者の会」のほうだろう。しかも、「視聴者の会」の活動と連動したかのように飛び出した先日の高市総務相による「電波停止」発言は、放送局が政権批判をした場合に停波をチラつかせるという、露骨な恫喝、報道圧力であった。本サイトでも紹介したが、池上彰氏も言うように、これは欧米ならば政権の首が飛ぶような発言だ。そんな民主主義国家として極めて異常な事態がこの国で起きているのである。

 実際、こうした「視聴者の会」や安倍政権による報道の自由を侵害する暴挙に、多くの人が立ち上がり始めた。先月には田原総一郎氏や岸井氏、金平茂紀氏などテレビ業界に身を置くジャーナリストら7人が、高市「電波停止」発言に対する抗議声明を出した。その記者会見のなかで、岸井氏は「視聴者の会」についても「(視聴者の会の理屈は)全然間違いだし、ああいう低俗なアレにコメントするのは時間の無駄」「本当に低俗だし、品性どころか知性のかけらもない」と断じた。

 また、今月13日には、BPOの年次報告会で、放送倫理検証委員会の川端和治委員長が、高市発言に対し「制裁を受けるのではと考えて、(放送局が)萎縮することで、国民の正しい判断ができなくなる」「伝えるべきことが伝えられなくなれば、民主主義は機能しない」と牽制し、「政治的公平を政府が決めて規制するのは、憲法が保障する表現の自由と180度逆だ」と憲法違反であると強く批判した。

 しかし、こうした声にハナから耳を貸す気がない「視聴者の会」と安倍政権による報道圧力は、夏の参院選に向けて、これまで以上に強化されていくだろう。もちろん、その先には、安倍首相の悲願である改憲と9条の解体がある。

 事実、「視聴者の会」の小川氏は、「WiLL」(ワック)15年4月号に寄稿した文章のなかでも、従来の政府見解を変えて“一つの番組だけでも「政治的に公平」でないと判断しうる”という回答について「高市大臣自身の息遣いの感じられる誠実な回答」とヨイショしたあげく、今後、『報道ステーション』(テレビ朝日)、『NEWS23』(TBS)、『ニュースウオッチ9』(NHK)の三つの番組に絞って、手前味噌の調査団体によって“監視”していくと明言している。まさに安倍政権のために批判報道を“狙い撃ち”するという宣言だ。

 しかも、小川氏は同文章でこんなダブルスタンダードまで開陳。一方では、「一般視聴者の多くは、特定の色のついた政治ショーを見たくて(『NEWS23』や『報道ステーション』などの)夜のニュース番組を見るわけではあるまい」などと言っておきながら、一方では、このように書いているのである。

「『朝まで生テレビ』や『たかじんのそこまで言って委員会NP』などは、視聴者は司会者のキャラクターや出演者の過激な発言、番組の政治的偏向そのものを楽しんだり、野次りたくて見る人も多く、それがこれらの番組の社会的な役割とも言える」(「WiLL」4月号より)

 ようは、自民党議員や身内の安倍応援団も数多く出演するテレビ朝日『朝生』や、安倍首相の“ホーム”であるネトウヨ番組・読売テレビ『そこまで言って委員会』は、“どんどん安倍政権の援護射撃として「偏向」してくれて結構”と言っているわけだ。しかも、「視聴者の会」のホームページを見ると、小川氏が屁理屈をこねて狙い撃ちを宣言した「夜のニュース番組」以外にも、TBS『サンデーモーニング』や『報道特集』といった番組の内容も批判している。どう考えても論理破綻しているわけだが、ようするに連中は、安倍政権の政策を批判的にチェックする番組だけを標的にして、「偏向報道」「公平中立ではない」などとがなりたてているわけだ。

 あらためて、「視聴者の会」が「中立」を偽装して、テレビを“安倍翼賛報道”一色に染めようと企てていることが明白になったわけだが、ところで最近、同会は前述の高市「電波停止」発言に抗議声明を出した田原氏ら7人に対して、公開討論会を申し込んだという。だが、「視聴者の会」によれば、田原氏たちから応答はなく、討論番組制作の提案を勝手に送りつけたNHKからも断りが入ったという。

 当たり前だ。上で紹介した小川氏の論理矛盾からも明白なように、「視聴者の会」は安倍政権の報道圧力を援護射撃する団体。こんな連中の挑発にのってトンデモ主張を垂れ流させる必要は皆無だし、NHKがもしそんな番組をやってしまったら、それこそ圧力団体の脅しに屈したことになる。こんな総会屋のようなやり口が許されていいわけがない。

 そろそろ「放送法遵守を求める視聴者の会」は、「安倍政権を支える言論総会屋の集い」とでも改名したらどうか。
(編集部)

最終更新:2017.11.24 09:12

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

安倍応援団の報道圧力団体「視聴者の会」賛同者の溝口敦が“反旗”!「安倍首相を立てる報道ばかり」「高市発言こそナンセンス」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。圧力安倍晋三放送法溝口敦編集部視聴者の会の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 保釈 河井案里被告と菅首相の特別な関係を物語る”パンケーキ動画”
2 菅首相が所信表明演説でごまかした原発の新増設の可能性
3 橋下徹が日本学術会議デマの取材に「無償インタビューに応じていない」
4 渡辺謙も批判!安倍のアンチ核軍縮路線
5 菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
6 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到
7 ホリエモン擁護のロンブー淳が「切り取り」反論も…発言はもっと一方的
8 欠陥だらけ GoToイートの背景に菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係か
9 三浦瑠麗が松本人志の悪質セクハラ発言を「問題ない」と擁護
10 ケントギルバート、ネトウヨ化の理由
11 菅義偉首相が使った官房機密費の“ヤミ金”は合計78億円!
12 「日本学術会議」任命拒否問題で平井文夫、志らく、橋下徹、八代英輝が…
13 橋下徹が都構想で使った詐術を検証!
14 三浦瑠麗CM出演でアマプラの解約運動が……DaiGoは批判も的外れ
15 菅政権「成長戦略会議」恐怖の顔ぶれ! 竹中平蔵、三浦瑠麗、アトキンソンも
16 宮台真司「ネトウヨは感情の劣化」
17 葵つかさが「松潤とは終わった」と
18 菅首相の著書改ざんは“都合の悪い記録は残さない”という宣言!
19 フジテレビがお台場カジノ開発を計画
20 強制捜査受けた河井前法相と案里議員は菅官房長官より安倍首相のお気に入り!
1 杉田和博官房副長官「公安を使った監視と圧力」恐怖の手口!
2 欠陥だらけ GoToイートの背景に菅首相と「ぐるなび」会長の特別な関係か
3 菅首相のベトナムでのスピーチが露呈した「教養のなさ」
4 中曽根首相「1億円合同葬」強行、教育現場に弔意強要 「前例踏襲」の嘘
5 甘利明、下村博文、高橋洋一、橋下徹も……日本学術会議攻撃のフェイク
6 菅政権「成長戦略会議」恐怖の顔ぶれ! 竹中平蔵、三浦瑠麗、アトキンソンも
7 菅首相の著書改ざんは“都合の悪い記録は残さない”という宣言!
8 フジテレビがお台場カジノ開発を計画
9 二階幹事長はリアル『半沢直樹』? 日本航空がらみの土地取引疑惑も
10 安倍が徴用工問題で「ファクト示すのが一番」とツイートしツッコミ殺到
11 菅首相が所信表明演説でごまかした原発の新増設の可能性
12 橋下徹が日本学術会議デマの取材に「無償インタビューに応じていない」
13 保釈 河井案里被告と菅首相の特別な関係を物語る”パンケーキ動画”
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄