小林麻耶が『しくじり先生』の前にラジオで「本物の涙」! 「女を商品として見る世の中と男に怒り」と本音も

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「小林麻耶オフィシャルブログ「まや☆日記」Powered by Ameba」より


 先日『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)に出演し、「ぶりっ子」と嫌われ続けた苦悩の日々を語った小林麻耶。

 小林によると、「ぶりっ子」はけっして作ったキャラでなく、引越しが多かった幼少時代に自然と身についたもの。大学生の頃まではそれが人に嫌がられるとも思っていなかったという。ところが、TBSのアナウンサーになった途端、局内や週刊誌から「上司に媚びてる」「媚びて仕事を取ってる」とバッシングされるようになる。それがつらくてフリーになった小林だが、その後も、仕事を頑張れば頑張るほど嫌われ、2014年には女性誌のアンケートで嫌いな女子アナ1位に。一時は精神がボロボロになって、休業状態に追い込まれたという。

 だが、復帰してからは自分を応援してくれるファンがいることに気づき、「もう何をやっても嫌われるので、ありのままに振る舞おう」と思ったという小林。番組の最後は号泣しながら「自分を嫌う人ではなく自分を好きでいてくれる人のために働く」と語った。

 たしかに、最近の小林を見ていると、すっかり開き直ったように見える。今年1月にはブリブリのアイドル衣装を着て『ブリカマぶるーす』という楽曲で歌手デビュー。さらにバラエティで花嫁修業に苦戦したり、「週刊文春」(文藝春秋)では「小林麻耶のいつまで独身?」なる連載をもつなど、「結婚できないキャラ」も打ち出すようになった。

 だが、小林の今の姿が「ありのまま」なのか、というと、それもちょっと疑問が残る。『しくじり先生』での号泣も嘘泣きとまではいわないが、なんとなく話が上っ面のところで終わっていて、結局、『ブリカマぶるーす』のプロモーションなんじゃないか、といいう気がしなくもない。

 あ、ことわっておくが、筆者は何も、小林を批判しようというのではない。実は、この少し前、小林は『しくじり先生』での自分語りよりもっと本音に近い思いを口にし、あの号泣よりもっと本物に思える涙を見せたことがあるのだ。それは、1月31日に放送されたラジオ番組『春日太一のフカボリ映画談義』(JFN系)でのことだ。

 この番組では、映画史・時代劇研究家の春日太一とともに、13年に公開された高畑勲監督のアニメ映画『かぐや姫の物語』についてトーク。昔話のかぐや姫を現代のジェンダー的視点も織り込みながら描いた同作品を見た彼女は映画の感想をこう語った。

「つらかった。苦しくて、苦しくて。心臓が痛いし、感情を揺さぶられちゃったし、おとと様、お父様に対しても、もう怒りがすごかったし、そこに出てくる男たちに対してもそうだったし、商品として見たりとか、アクセサリーとして見たりとか、もう何なのよみたいな。もう本当に世の中に対しての鬱憤がもう本当にわき上がっちゃって」

「商品」「アクセサリー」。彼女はずっと、男や社会が自分に対してそういう「風にしか見ていないことを自覚し、それへの苛立ちを抱え込んできたのだ。

 しかも、小林はこの後、番組の中でもわきおこる感情を抑えきれなくなる。

「この映画っていうのは、基本的に男たちのファンタジーっていうものを勝手に押し付けられてしまった女の子の話なわけです、かぐや姫っていうのは。絶えず男たちの間には簾、御簾がかかっていて、男たちは誰も彼女の本当の姿を見ないのに、美しいだなんだって言い寄ってくると。私のこと見てないじゃないって。それでどんどんどんどん勝手に動くし、勝手に噂立てるし、私何なんだろうってなっていって。そこから逃げられるかっていったら、逃げられない。色んなところに希望を見出して走ったと思ったら、絶えず絶望が待っているっていう」
「男って、悪い癖で、女性のこと、特に可愛い女性のことを見ると、口説く口説かないみたいな、あるいは、抱く抱かないとかって二元論にすぐにもっていきたがるんだけど、いや、そうじゃないだろうと。この映画に出てくる男たちってまさにそうじゃないですか? それで近づいてくる男たちばっかりだから。彼女って、男たちから褒められれば褒められるほど顔が曇ってくるんですよね」

 それは、春日太一が『かぐや姫の物語』に対してこのような解説をした後だった。小林は突然、無言になり、泣き始めたのだ。それは、春日が「あれ、小林さんを泣かしちゃいましたか」と声をかけたことでかろうじてわかる程度のもので、テレビなどでよく見せる号泣ではなかったが、それがかえって意図しない「本物の涙」であることを感じさせた。

 彼女が思わず涙してしまった理由。それは、この作品でかぐや姫が置かれた境遇と、自分が置かれ続けてきた境遇が非常に似ていたからだろう。周囲の人間が誰もかぐや姫の本当の姿を見ようともしなかったように、小林麻耶のまわりの人々も彼女の本当の姿を見ようとはしてくれなかった。

 いくら真剣に仕事に向き合おうとしても、念願の報道番組を担当しても社会は「女子アナ」というお飾りとしての優劣しか評価しない、その悔しさが思わず湧き出てしまったということだろう。

 また、小林はその苛立ちを自分に言い寄ってくる男たちにもぶつけていた。

「女子アナっていう職業に就いたから、順風満帆で、男性にもモテて、つらいこともなくて、羨ましいねとか、一方男性からも、何て言うんですかね、「女子アナ」が好きで来る人。だから、何が本当で何が嘘かっていうのが、見極められなくなってくるんですよね。で、なんかどんどんどんどん、人を信じられなくなっていくし、人が「好き」って言っても、「じゃあ、何が好きなの?」って聞いちゃうっていうか。あと、かぐや姫と同じで、試しちゃうんですよね。何々を取ってきてほしいじゃないけど。でも、それって、やってる本人もすごいつらいし、本当に苦しいんですよね」

 これを贅沢な悩み、という人もいるだろうが、しかし、この苛立ちは実は、多くの女性が感じている容姿でしか女性を見ようとしない男たちへの絶望感と根っこのところでつながっている。少なくとも、「ぶりっ子」キャラを演じる彼女の内部には「かわいい」といわれることを拒否するもうひとりの小林麻耶がいたというのは間違いない。

 しかし、だとしたら、なぜ彼女は今も「ぶりっ子」キャラを演じ続けているのか。さらには、新たに「結婚したいのにできないキャラ」まで演じるようになったのか。

 最近の「週刊プレイボーイ」(集英社)16年2月8日号のインタビューでも「私は、これがもともとの性格なので、別にキャラづけしてるわけじゃないんですよ」などと語っていたが、そうではない。おそらく、彼女自身が他人の求める小林麻耶像を過剰に演じようとしているのではないのか。

 だからこそ、かつては「能天気なぶりっ子女子アナ」を演じ、今は「開き直ったぶりっ子」キャラと「結婚できないイタイ女子」キャラを演じ続けている。その本質はバッシングを受けて精神を病んだ時期とほとんど変わっていないのだ。今は一時的にメディアで面白がられがているが、このままではまた壁にぶつかってしまうだろう。

 小林には、春日太一のラジオでかいま見せたような本音を全開にし、新しい可能性を開拓してほしい、と願わずにはいられない。
(新田 樹)

最終更新:2016.02.24 02:03

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