安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長が突如の更迭! 背後に官邸の圧力

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
post_01_150713.jpg
菅官房長官の日歯連マネー疑惑をスクープした「週刊ポスト」(小学館)15年5月29日号

「マスコミを懲らしめる」「沖縄の2紙をつぶす」発言であらためて露わになった安倍政権の言論弾圧体質。実際、安倍政権はこの間、ずっと自分たちを批判する新聞・テレビに対して徹底的に圧力をかけてきた。一連の朝日新聞バッシング、『報道ステーション』(テレビ朝日)への圧力、『NEWS23』(TBS)への安倍首相自らの恫喝、選挙直前のテレビ局へ圧力文書送りつけ……。

 しかし、そのターゲットは、新聞とテレビだけではなく、週刊誌にまで及んでいたらしい。

 この7月、「週刊ポスト」(小学館)で、三井直也編集長が就任わずか1年で更迭され、代わりに前編集長の飯田昌宏氏が返り咲くという前代未聞の人事が発令されたのだが、この人事の背後に官邸の圧力があったという仰天情報が飛び込んできた。

 あまり週刊誌を読まない読者は、なぜ「週刊ポスト」のような軟派週刊誌に?と思うかもしれないが、三井編集長が就任してからの「ポスト」は、それまでの軟派路線とはうって変わって、反安倍政権の姿勢を鮮明にしていた。毎号のように政権批判が特集され、今年4月には、高市早苗総務相の大臣秘書官をつとめる実弟が関わったとされる「高市後援会企業の不透明融資」問題をトップページで報道。

 続いて5月には、東京地検特捜部が捜査を始めた日本歯科医師連盟(日歯連)から、菅義偉官房長官が代表をしていた自民党神奈川県連に3000万円が迂回献金されていたとすっぱ抜いた。大手紙の政治部記者が言う。

「高市さんのスキャンダルは3月くらいから官邸内でも頭痛のタネになっていたね。もみ消しに動いたのが、菅さんだと言われている。高市さんの実弟に問題融資の回収を速やかに処理するよう指示したと言われたし、『ポスト』の報道後、高市さんの実弟が名誉毀損で訴えたのも、菅さんの指示らしい。ところが、その菅さんを今度は日歯連との関係で追及した。官邸の『ポスト』憎しは相当なものだった」
 
 実際、この間、「ポスト」には、官邸から様々な方法での圧力がかけられていたという。

 最初に行われたのは、安倍首相との蜜月ぶりがすっかり有名になった幻冬舎の見城徹社長から「ポスト」発行人・森万紀子氏へのプレッシャーだった。

「森さんは同じく小学館の『女性セブン』編集長を務めていた人物ですが、夫がバーニング系の事務所の社長を務めていることもあり、バーニングべったりで知られています。もちろん見城社長とも昔から仲がよく、『セブン』時代には見城社長をネタ元にしていた」(小学館関係者)

「ポスト」は今年2月に、テレビ朝日の放送番組審議会会長である見城社長が審議会で『報道ステーション』は政権擁護もすべきと発言していたことを暴露。それに怒った見城社長が旧知の森氏に裏で執拗な抗議を行っていたという。

「すでにこの時点で、森さんは三井編集長の更迭を考えていたようです。ただ、1年で交代させるのはさすがに難しいということで、時期はもう少し先を考えていた」(同前)

 しかし、そこに加わったのが官邸からの訴訟攻撃だった。前述した高市総務相の実弟が関わったとされる「後援会企業への不透明融資」報道をめぐって、高市氏の実弟がすぐさま「ポスト」を名誉毀損で訴えたのである。しかも、三井編集長だけでなく、発行人の森氏に、担当編集者、ライターまでを被告にするもので、さらに、高市氏の実弟は警視庁への刑事告訴まで行っていた。

「『ポスト』の記事は非常に慎重で、高市総務相が会見で否定した『日本政策金融公庫の不正融資に関与していた』というような話はそもそも書いていない。その不正融資が焦げ付いた後に、別の融資会社に口利きをしたという事実だけです。それなのに、民事、刑事両方で、発行人やライターまで訴えた。SLAPP訴訟の典型です」(前出・大手紙政治部記者)

 さらに5月、前述した東京地検特捜部が捜査を始めた、菅官房長官の日歯連3000万円迂回献金疑惑の記事に対しても、「ポスト」は菅官房長官から訴訟を起こされたという。

「菅官房長官は報道直後、囲みの取材で『弁護士と相談して、法的措置も含めて、いま、検討している』と答えたきり、一切会見はしていませんが、すでに東京地裁に提訴ずみと聞いています」(同前)

 とにかく、この訴訟で発行人の森氏をはじめ、小学館の幹部は震え上がった。そして、慌てて三井編集長の更迭を決めたのだという。後任の飯田編集長は、前述の軟派路線の上、政治的には保守で、むしろ中国や韓国叩きに熱心だった人物。同誌から安倍批判が消えるのは確実と言われている。

「一説には、名誉毀損裁判と編集長人事をめぐって、官邸と小学館の間で、何らかの裏取引があったのではないか、とも言われています」(小学館関係者)

 まあ、裏取引はともかくとして、安倍政権と自民党がいま、訴訟に出るという手を使って週刊誌を押さえ込もうとしているのは事実だ。

「高市総務相のケースもそうでしたが、自民党は閣僚や幹部のスキャンダルを週刊誌がやろうとすると、すぐに党の顧問弁護士をたてて、『訴訟するぞ』とプレッシャーをかける作戦をとっています。新聞とテレビは抗議だけで黙らせることができるが、週刊誌はそうはいかない。それで、週刊誌がいま、いちばん恐れる訴訟をもち出して、圧力をかけるわけです。週刊誌もよほどの鉄板の事実がない限り、スキャンダル追及なんてできなくなってしまいました」(週刊誌編集幹部)

 安倍政権によって脅かされているのは憲法9条だけではない。「言論の自由」がいま、危機に陥っているのだ。
(田部祥太)

最終更新:2015.07.13 09:14

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

安倍政権のメディア支配

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

安倍政権の疑惑を追及していた「週刊ポスト」編集長が突如の更迭! 背後に官邸の圧力のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。圧力田部祥太菅義偉訴訟の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 参院選は自公維の改憲勢力が3分の2超か
2 参院選 安倍自民党の大量広告、PRのやり口がエグい!
3 宮迫、亮の会見で吉本興業・大崎会長と岡本社長の嘘が明らかに
4 安倍首相の秋葉原演説で自民党が「安倍やめろ」封じ込めに支持者動員
5 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
6 葵つかさが「松潤とは終わった」と
7 参院選の極右候補者をチェック「ウヨミシュラン」比例代表編
8 宮迫引退報道の一方、NEWS手越の“金塊写真”はなぜスルー?
9 参院選の極右候補者をチェック「ウヨミシュラン」選挙区編
10 吉本が芸人に強要する共同確認書にSNS制限
11 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
12 「警戒レベル5」なのに…大雨災害より選挙応援優先の安倍と菅
13 太田光が右翼の抗議で転向していた?
14 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
15 秋篠宮家の料理番がブラック告発
16 「安倍やめろ」のヤジを警察が「選挙妨害」拡大解釈で取締り!
17 玉川徹が中国人のマナーをあげつらう自番組を批判!
18 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
19 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
20 田崎とケントに自民党からカネが!
1 安倍首相と省庁幹部の面談記録が一切作成されなくなった!
2 くりぃむ上田晋也が“政権批判NG”に敢然と反論
3 金融庁報告書で厚労省年金局課長の驚愕無責任発言
4 産経新聞コラムが「引きこもりは自衛隊に入隊させて鍛え直せ」
5 安倍首相が「老後2000万円」追及に逆ギレ!
6 菅官房長官が望月衣塑子記者への“質問妨害”を復活
7 金融庁「年金下がるから資産運用」報告書で麻生太郎が開き直り!
8 F35捜索打ち切りと大量購入続行でNHKが「背景に政治性」と報道
9 金融庁炎上の裏で安倍政権が「年金」の“不都合な事実”を隠蔽!
10 防衛省イージス・アショア失態 、玉川徹が原因を喝破!
11 長谷川豊が部落差別発言「謝罪文は馬場幹事長が作った」
12 講談社「ViVi」の自民党広告は公選法違反か!
13 映画『主戦場』上映中止要求の右派論客に監督が徹底反論!
14 渡辺謙が語った『ゴジラ』出演と震災、原発、戦争
15 マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第1話
16 田崎史郎「65歳から年金もらってます」
17 川崎殺傷事件「不良品」発言こそ松本人志の本質だ!
18 香港市民はデモの力示したが、日本は…
19 松本人志が「不良品」発言問題で謝罪も説明もなし!
20 農水元次官子ども殺害正当化は、橋下徹、竹田恒泰、坂上忍も

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄