神田沙也加“リア充なのにヲタアピール”に疑問の声

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神田沙也加オフィシャルウェブサイトより


 空前の大ブームを巻き起こしている『アナと雪の女王』で、アナの吹き替えを担当し、大ブレイクしている神田沙也加。その歌唱力や声質、演技力も含めて「すごい!」と絶賛されている。

 その神田がここのところ、ガチヲタアピールでさらに好感度を上げている。バラエティに連日出演し、活動休止中にロリータファッション誌で「Lily」という名義で読者モデルをしていたこと、母・聖子の曲を作詞作曲した際のペンネームがマンガのキャラに由来すること、アニメ、ゲーム好きが高じて声優の専門学校に通っていたこと……などなど数々のヲタエピソードを披露している。

 なかでもヲタぶりがほとばしっていたのは、『バナナマンの決断までのカウントダウン』(フジテレビ)での、プライベート密着映像だ。アニメイトを訪れた神田が、脇目もふらずまっしぐらに向った先は『AMNESIA』という乙女ゲームのガチャガチャ。ガチャガチャをする前にしゃがみ込み、壁との隙間に頭をつっこみマシンの後ろを覗き込むなど、お目当てのキャラが出やすい位置にいるかを入念にチェックする姿は、まさにガチヲタとしかいいようのない。その執念が実り、見事お気に入りキャラ「ウキョウ」を一発で当てるといヲタ運の強さも見せた。神田が「ウキョウ様!」と連呼しその魅力を語る様に、「ウキョウ様が地上波デビュー!」とネットでオタク女子たちも大興奮。神田の好感度が一気に急上昇した。

 ただ、芸能人がヲタアピールを始めると「ニワカなのでは?」「営業では?」という疑念もつきまとう。その点、神田の場合、「地上波デビュー」とオタク女子たちが騒然とした『AMNESIA』をはじめ、好きな作品に『ダンガンロンパ』『ギルティクラウン』『ゆるゆり』『妖狐×僕SS』『僕は友達が少ない』『うたの☆プリンスさまっ♪』を挙げるなど、たしかにオタクの間では人気が高くミーハーと言ってもいいラインナップだが、一般人はその存在を知らないというレベルの作品が多い。また『AMNESIA』や『うたプリ』など、乙女ゲーも入っているあたり、「ジョジョが好き」などの男受けを狙ってのオタクアピールとも一線を画していると言えそうだ。

 しかし、それでも“営業ヲタ”ではと神田が疑われてしまうのは、やはり母である松田聖子のイメージが大きいだろう。アイドル時代から現在に至るまで自由奔放に恋愛を重ねてきた“恋愛スキャンダルの女王”のイメージと、“オタク”というのが結びつかないどころか、相反する印象があるからだ。

 この点について、母の奔放すぎる恋愛の反動で、沙也加がオタク趣味に走ったのではないか。そんな指摘するネットニュースもある。が、この指摘も当たらないだろう。恋愛遍歴が豊富なのは聖子だけではなく、沙也加自身もまた、十代の頃から、ミュージシャンや共演俳優たちと次々に浮き名を流してきた。いま現在も、自身の音楽ユニット「TRUSTRICK」のパートナーであるBillyと熱愛中との噂もある。

 では、やはり、リア充である沙也加のヲタアピールは“営業”なのだろうか。 
 
『文化系女子という生き方 〜「ポスト恋愛時代宣言」! 〜』(湯山玲子/大和書房)では、“オタクとリアルは両立できる”と主張している。たしかに、オタクというと恋愛の外側にいる人というイメージが一般的だ。年頃になっても女盛りでもおしゃれせず、家で本を読んだり、DVDばかり観ていたり、アイドルを追いかけ、演劇を年間何十本も観ているオタク女子がモテるはずがないと思われている。実際、AKB48の渡辺麻友をはじめ清純をウリにするアイドルの場合、「二次元好き=処女」とファンを安心させ、ヲタアピールが処女アピールとして機能していることも少なくない。

 しかし、同書によると、草食系男子の登場で彼女たちの立場も変わってきているのだという。他者とのコミュニケーションが大の苦手で、傷つけ合うことがない仲間を求めている草食文化系男子にとって、女らしさ全開に可愛くしている人には、「沈黙の艦隊ぐらいの恐ろしさ」があるのだ。その点、「私も~が好きで、その世界の住人だよ」と共通の知識を交換したり、会話できるオタク女子は、それだけで他の女子とは違う特別な存在になれる。

 たとえば、アイドルオタクの夫とフィギュアの追っかけをしている妻、部屋にこもってパソコンにふける夫と乙女ゲーにハマる妻のように、興味のあるものが違っても、お互いに「オタクとしての勘所」はわかるので、ストレスのない共存共栄ができるかもしれない。

 さらに湯山は、オタク女子のなかでも、腐女子とリア充を両立させる生き方を推奨している。ファンタジーに生きる腐女子はオタクのなかでもとくに恋愛に縁遠そうなイメージだが、湯山に言わせれば“腐女子がBLというファンタジー世界の男を受け入れているから”こそ、リアルと両立が可能なのだという。男性にとって、エロ本やAV、ネットの無料動画など、自分の性的妄想の女と現実の女性が両立するのは当たり前のことだった。しかし、多くの女性はそこを混同してしまいがち。それが、ファンタジー世界の男を受け入れている腐女子なら、あとは現実の男性に目を向けるだけでいいのだ。妄想ファンタジーでは「物語と設定に我を忘れる快感」、現実のほうは「自分の予測と違った、それ以上のリアルな現実に出会い、現実が書き換わっていく喜び」を得ることができる。リアルの男性に妄想を重ねて幻滅するのではなく、まったくの別物としてそれぞれを楽しんでみること。この“別腹感”を両方味わえる素質が、腐女子には備わっているのだ。この“別腹感”を味わう素質は、乙女ゲーやアニメにハマる神田にも多いに当てはまっていることだろう。

 だから、神田沙也加に言いたい。ヲタアピールはもう古い!と。そんなのは凡百のアイドルに任せておいて、ヲタとリアル恋愛の両立をこそアピールしてほしい。オタク趣味がモテないことの代替機能のように捉えられ、逆にヲタが恋愛すると裏切り者と言われたり、そんな古典的なオタク像をぶち破り、いっそ“ビッチでオタク”という全く新しいオタク像を打ち出していってはどうか。
 
 最初は「オタクのくせにビッチ」などと罵られるかもしれないが、母・松田聖子が日本で初めてママとアイドルを両立させ結婚も仕事も浮気も貪欲に手に入れてゆく様にしだいに女性たちが共感していったように、リアルとオタクの間で揺れるオタクたちの支持がより得られるのではないだろうか。
(田口いなす)

最終更新:2018.10.18 04:14

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