有馬キャスター降板だけじゃない! NHKが世論調査でも政権忖度 東京五輪「延期」の選択肢を削除、開催をめぐる討論番組も急遽中止に

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NHK公式ホームページより


 菅義偉首相に日本学術会議問題について食い下がって質問をおこない、官邸から睨まれたNHKの看板報道番組『ニュースウオッチ9』の有馬嘉男キャスターが、今年3月末に降板することが本日、NHKから正式に発表された。後任には元ワシントン支局長の田中正良記者が就任するという。

 有馬キャスターは昨年10月26日放送の『ニュースウオッチ9』に菅首相が生出演した際、日本学術会議の任命拒否問題について「総理自身、説明される必要があるんじゃないですか?」などと質問。これに対して、菅首相は「説明できることとできないことってあるんじゃないでしょうか」と逆ギレしたのだが、その後、NHKの原聖樹政治部長に山田真貴子内閣広報官が電話をし「総理、怒っていますよ」「あんなに突っ込むなんて、事前の打ち合わせと違う。どうかと思います」と恫喝をかけたと報じられた。さらに、菅内閣の坂井学官房副長官が「NHKはガバナンスが利いてない」「NHK 執行部が裏切った」などとNHKを攻撃していたことも明らかになっている。

 こうしたことから、有馬キャスターが降板させられてしまうのではないかと昨年から囁かれてきたわけだが、まさか、キャスター人事に注目が集まるなかでNHKはほんとうに降板させてしまったのだ。これではNHKが「圧力に屈した」「官邸に忖度した」と認めたも同然だ。

 だが、NHKの菅官邸への屈服・平伏ぶりがわかるのは、有馬キャスターの降板問題だけではない。

 NHKは2月8日に2月の世論調査の結果を公表したが、そこで菅政権に気を遣ったとしか思えない、恣意的な情報操作がおこなわれたからだ。

 NHKの世論調査では、これまで東京五輪の開催の是非について「開催すべき」「中止すべき」「さらに延期すべき」の3つから1つを選んでもらうかたちで調査をおこなってきた。この質問は昨年10月分と12月分、今年1月とつづけてきたものだ(昨年11月の世論調査では東京五輪についての質問はなし)。その結果、1月には「開催すべき」が16%、「中止すべき」が38%、「さらに延期すべき」が39%で、NHKは“「中止すべき」と「さらに延期すべき」をあわせると77%になった”と伝えていた。

 ところが、2月5〜7日に実施された世論調査では、これまでの「東京オリンピック・パラリンピックの開催についてどう思いますか」という質問から、「IOC=国際オリンピック委員会などは、開催を前提に準備を進めています。あなたは、どのような形で開催すべきだと思いますか」という質問に変更。つまり、「開催ありき」の質問になったのだ。

 しかも、用意された選択肢は「これまでと同様に行う」「観客の数を制限して行う」「無観客で行う」「中止する」という4択。「さらに延期すべき」という選択肢が消えたのだ。

 その結果、「これまでと同様に行う」が3%、「観客の数を制限して行う」が29%、「無観客で行う」が23%、「中止する」が38%となり、一見すると、まるで半数以上の55%が開催すべきと考えているかのような印象を与えるものとなったのだ。

 この質問の変更は、不自然かつ明らかにおかしなものだ。実際、このNHKと同期間に世論調査をおこなった読売新聞の質問は、「今年夏の東京オリンピック・パラリンピックは、どうするのがよいと思いますか」というもので、その選択肢と回答の割合は「観客を入れて開催する」(8%)「観客を入れずに開催する」(28%)「再び延期する」(33%)「中止する」(28%)だった。読売はこの結果について〈計36%が開催に前向き〉と伝え、中止と再延期を合わせれば61%と半数を超えることはネグっていたが、それでも「再延期」を選択肢に含めていた。

 さらに、同時期の2月6・7日に調査をおこなった共同通信の場合は、「開催形式」と「開催の是非」を分けて質問。開催形式についての質問の選択肢と回答の割合は「観客数制限」(49.6%)「無観客」(43.1%)「通常通り」(3.4%)で、開催の是非のほうは「中止するべきだ」(35.2%)「再延期するべきだ」(47.1%)「開催するべきだ」(14.5%)となっている。

 開催形式について訊くとしても、共同通信のように開催の是非とは分けて調査をおこなうべきなのは言うまでもないが、しかし、NHKはなぜか開催の是非について尋ねず、新たに開催形式についての質問をおこなったのである。「中止すべき」「再延期すべき」という声は日に日に大きくなりつつあるというのに、質問と選択肢から消えるというのは、どう考えても恣意的な変更だとしか思えないだろう。

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