「専門家会議廃止」の裏に緊急事態宣言解除めぐる安倍官邸との対立! 今井─西村ラインが経済優先を批判する専門家会議に逆ギレ

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会見する西村コロナ担当相(政府インターネットテレビより)


 昨日27日は感染者が全国で100人を超えるなど、再び感染拡大の様相を呈し始めた新型コロナ。そんななか、24日の会見で西村康稔コロナ担当相が突然、新型コロナにかんする政府の専門家会議を廃止すると発表したことに波紋が広がっている。

 同時刻に日本記者クラブで会見をおこなっていた専門家会議の尾身茂副座長は、記者から廃止について訊かれると「いま、大臣がそういう発言をされたんですか?」と逆に質問し、「私はそれを知りません」と発言。つまり、西村コロナ担当相は専門家会議メンバーに一言も報告もなく、その廃止を会見で一方的に通告したわけだ。

 あらためて説明するまでもなく、専門家会議は「ダイヤモンド・プリンセス」号の集団感染対応がおこなわれていた2月に設置され、これまで政府にさまざまな提言をおこなってきた。その評価については後述するが、新型コロナ対応の助言の役割を担ってきた政府による組織に対し、事前の報告もなく、さらには専門家会議が会見を開いている最中に廃止を一方的に打ち出すというのは、敬意の欠片も見当たらないだけではなく、ほとんど嫌がらせとしか言いようのない行為だ。

 この唐突な西村コロナ担当相による「専門家会議の廃止」発表に対しては、「西村コロナ担当相のスタンドプレー」との声があがっているが、そうではない。この背景には、緊急事態宣言をめぐる安倍官邸と専門家会議の対立があった。

 そもそも、安倍首相および安倍官邸は緊急事態宣言の発出に消極的だったが、それを動かしたのは専門家会議による「欧州のように突然、爆発的に感染が広がる可能性がある」といった提言があったためだ。だが、経産省出身で「経済優先」の立場に立つ今井尚哉首相補佐官を筆頭とした官邸サイドは一刻も早い宣言解除を実行したがっていた。しかし、そこでも「障害」となったのが、解除に慎重な姿勢を示した専門家会議の存在だった。
 
 昨日、全国でコロナ感染者が再び100人を超えたことを考えると、明らかに専門家会議の判断のほうが正しかった。ところが、安倍首相は緊急事態宣言の全面解除を強行。そして、その約1カ月後に、それに反対した専門家会議の廃止を発表したのである。

「ようするに、経済優先で自粛をどんどん解除していきたい安倍官邸が、それに反対する専門家会議を切り捨てた、ということ。廃止の発表を当事者に知らせないままおこなうというやり方は西村コロナ担当相の暴走だが、廃止自体も安倍首相と今井首相補佐官が知らなかったということはありえない」(厚労省担当記者)

 実際、26日付の日本経済新聞は、こんな舞台裏を報じている。

〈5月の大型連休が明けて政府が緊急事態宣言の解除を急ぐようになると、政府と専門家の考え方に溝が生じ始めた。
 西村康稔経済財政・再生相は12日、基本的対処方針等諮問委員会のメンバーに竹森俊平慶大教授ら4人の経済の専門家を加えると発表した。経済面も重視してもらおうとの狙いだった。
 当初は専門家会議に入れるよう打診していた。専門家会議内で「緊急事態宣言は1年継続すべきだ」といった早期解除への慎重論が出ていたためだ。感染症の専門家は竹森氏らの加入を拒んだ。
 政府が25日、緊急事態宣言を全面解除すると諮問委員会に諮った際も、専門家から「解除をなぜ前倒ししたのか」などの異論があがった。〉

 ようするに、安倍官邸はまず、経済活動を再開させるべく、専門家会議に経済の専門家を投入しようとし、それを専門家会議に拒否されていたというのだ。ひとつの会議体のなかで感染症などの専門家に経済学者の意見を飲ませようという発想自体がナンセンスで、それぞれの専門家の意見を受けて政府がそれを国民につまびらかに説明し、どういった政策判断をおこなうのか、そしてその責任をすべて負うのが政治家の仕事だ。感染対策の専門家会議が拒否するのは当然だろう。ところが、この「経済の専門家参加拒否」に安倍官邸は逆ギレし、「だったらいまの専門家会議を解散させてしまえ」となったらしい。

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