首里城炎上でヘイトデマ垂れ流すネトウヨの歴史への無知 安倍首相は沖縄県民の心情に寄り添う姿勢なし

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首里城は単なるレプリカではない、大日本帝国に蹂躙された沖縄のアイデンティティ再構築の象徴

 戦後、沖縄の人たちは首里城の復元を望んだ。首里城の跡地に建てられた琉球大学の移転にあわせ、1980年代から都市工事事業としての本格的な再建がはじまった。このとき、遺構の詳細な調査や、文献等の史料解析、さらに戦前の首里城を知っている人たちへの聞き込みなど、厳密な調査が行われたという。そして、30年以上の歳月と多額の費用、そして人々の努力を経て今年1月、ようやく首里城公園の全域が完成したばかりだった。この復元は単なるレプリカではない。大日本帝国により打ち捨てられてきた沖縄の文化・伝統・技術を、研究者や職人たちが調べ直し叡智を結集し再構築したものだ。それは明治政府による琉球処分から沖縄戦、サンフランシスコ講和条約での沖縄切り捨てにいたるまで、本土に蹂躙され続けてきた沖縄のアイデンティティを再発見し取り戻す作業でもあった。

 その琉球王朝時代から戦後復興にいたるまでの沖縄の歴史そのものであり、沖縄のアイデンティティであった首里城が全焼したのだから、県民のショックと悲しみは察するに余りある。沖縄出身の作家・池上永一は、朝日新聞への寄稿(11月1日付)でこう記している。

〈首里城が私にもたらしたのは、ウチナーンチュの私を肯定してくれる意識革命だった。
 私より上の世代にはルサンチマンがあった。琉球処分、沖縄戦、アメリカ統治時代、本土復帰と激動の歴史を経た沖縄を卑下するような認識だ。
 それが首里城の復元によって、私たちは自らを肯定的に捉えられるようになった。美しい文化があった琉球王国を懐かしみ、誇りに思うようになった。これらは偏に復元事業に携わった有識者や職人たちの知恵と技術の結晶である。〉
〈首里城は文化財や世界遺産だけでは語りきれない、戦後沖縄の文化的達成である。私たちはここまで戻した。その誇りが一夜にして焼失してしまった。そのことが悲しくて、今は自分自身が消えてしまったような思いだ。〉

 琉球王国を描いた池上のベストセラー小説『テンペスト』のドラマ版(NHK制作、2011年)で主演を務めた、沖縄出身の女優・仲間由紀恵も、〈ニュースを見て大きなショックを受けました。故郷、沖縄のシンボルでもあり、琉球の歴史を語る上でも欠かせない首里城が焼失し、いたたまれない気持ちで一杯です〉と事務所を通じてコメントを出している。また、同じく沖縄出身のタレント・りゅうちぇるも、31日、Twitterに悲痛な心境を投稿した。

〈え。。。言葉が見つからない。。。〉
〈どうして?僕たちの宝物。誇りでありシンボルのような存在が、どうしてこうなってしまったの?ショックが大きすぎるよ〉
〈つらい〉

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