真木よう子出演『焼肉ドラゴン』は反日映画ではない! 監督が「アンチ『ALWAYS 三丁目の夕日』」と語ったその意味

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
yakinikudragon_01_180702.jpg
映画『焼肉ドラゴン』公式サイトより

 真木よう子、大泉洋、井上真央らが出演している現在公開中の映画『焼肉ドラゴン』(鄭義信監督)が、ネトウヨや安倍応援団らから「反日」と攻撃を受けていることを先日お伝えした。

『焼肉ドラゴン』は、1969年の大阪を舞台とした家族ドラマ。伊丹空港(大阪国際空港)近くの集落で焼肉店を営む、父・龍吉(キム・サンホ)、母・英順(イ・ジョンウン)、長女・静花(真木よう子)、次女・梨花(井上真央)、三女・美花(桜庭ななみ)、末っ子の時生(大江晋平)からなる金田一家を中心とした物語だ。劇作家であり『愛を乞う人』や『血と骨』などの映画脚本も手がけ多くの賞を受賞した巨匠である鄭義信が初監督を務めている。

『焼肉ドラゴン』を攻撃しているネトウヨたちは、ただ在日コリアンを描いた映画というだけで「反日」と攻撃しており、そのグロテスクな差別感情には吐き気がする。たしかに『焼肉ドラゴン』は在日コリアン一家が主人公で、差別やいじめを受けるシーンも出てくるが、その主題は社会の片隅に追いやられても生きようとする人間とその家族の絆を描くことであって、ネトウヨたちが言うような「反日」的主張などみじんもない。

 それに、そもそもこの作品の出発点にあったのは日韓友好の思いであり、その両国の狭間にある存在が在日コリアンだった。

『焼肉ドラゴン』は、もともと舞台作品として上演されたものだが、日本の新国立劇場10周年と、韓国の芸術の殿堂(ソウル・アート・センター)20周年を記念して、両劇場が共同制作する舞台として企画された。そこで韓国側の強いリクエストにより作品を手がけることになったのが、在日韓国人の鄭だった。

 映画『焼肉ドラゴン』公式パンフレットのインタビューで鄭義信は「日韓合作ということを考えた時、「自分の出自である在日韓国人についての物語を書こう」とすぐ思い至りました。それも、日韓の狭間で時と共に忘れ去られていくであろう人たちを主軸に捉えようと」と語っているが、それは、ある映画へのアンチテーゼでもあった。

 彼は「『焼肉ドラゴン』は裏『ALWAYS 三丁目の夕日』でもある」と語っている。それはいったいどういうことか。「すばる」(集英社)2008年5月号のインタビューで鄭義信はこのように説明する。

「高度経済成長の時代が美しかったように言われるけれど、キレイごとばかりじゃありませんでしたよと、僕は言いたい(笑)。今回、伊丹空港に隣接する伊丹市の中村地区に取材に行ったのですが、万博のために空港の滑走路を拡張する、その労働者は九州の炭坑から大量に流れ込んでいるんです。ちょうど九州で炭坑が次々と閉鎖された時期なんですね」

『ALWAYS 三丁目の夕日』は05年に公開されヒットした作品。1958年の東京の下町を舞台に、高度経済成長期の日本をノスタルジーたっぷりに描き、多分に美化して映像化した。監督を務めたのは山崎貴。後に『永遠の0』や『海賊とよばれた男』の監督を務め、東京2020開会式・閉会式 4式典総合プランニングチームの一員にも選ばれている人物だ。

『焼肉ドラゴン』は、日本中が高度経済成長の波に乗って激変していくなか、その成長を下支えしたのにも関わらず、虐げられた人々の生活に光を当てている。それは、『ALWAYS 三丁目の夕日』が美化して描いた、書き割りのような「古き良き日本」の世界線では「なかったこと」にされたものだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

真木よう子出演『焼肉ドラゴン』は反日映画ではない! 監督が「アンチ『ALWAYS 三丁目の夕日』」と語ったその意味のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。焼肉ドラゴン真木よう子編集部鄭義信の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 ナベツネにいったい何が? 読売の異変
2 百田尚樹『日本国紀』にネットから総ツッコミ
3 ジャニーズタブーで犯罪もみ消し
4 安倍政権がひた隠しにする外国人労働者の“奴隷”実態
5 やっぱり安倍政権の外国人実習生調査結果は嘘だった!
6 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
7 TDLが訴えた2人の女性キャストに口止め通達
8 BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
9 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
10 安倍官邸「FTA言葉狩り」でNHKが忖度訂正
11 佐川誘導尋問、丸川珠代の本質を見抜いていたマツコ
12 吉川晃司が「俺は現政権がでえっ嫌い」
13 ジャパンライフの広告塔に田崎とNHK島田も
14 報ステが杉田水脈も赤坂自民亭もスルーした理由
15 安倍「徴用工でなく労働者」と言い換えも麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」
16 フジ『バイキング』で金美齢が部落差別
17 BTSの『Mステ』締め出しは原爆を口実にした韓国ヘイト
18 集英社で著者軽視の強引商法が!
19 百田はナイトスクープ時代から杜撰!
20 『報ステ』小川彩佳降板は政権批判が原因か
1安倍政権の水道民営化強行の裏! 日本の水道が崩壊
2BTSの『Mステ』締め出しは原爆を口実にした韓国ヘイト
3安倍官邸「FTA言葉狩り」でNHKが忖度訂正
4片山さつきだけじゃない! “ほぼ全員スキャンダル内閣”
5マイケル・ムーア監督が安倍首相と日本の民主主義に危機感
6植村隆の名誉毀損裁判で不当判決!櫻井よしこの捏造を無視
7安倍政権が北方領土のため「年金の金」でプーチンに貢ぎ物計画
8安倍「徴用工でなく労働者」と言い換えも麻生家の炭鉱は「朝鮮人地獄」
9やっぱり安倍政権の外国人実習生調査結果は嘘だった!
10安倍政権がひた隠しにする外国人労働者の“奴隷”実態
11田崎史郎にも“国会通行証”疑惑が浮上!?
12安倍首相も桜田五輪相と同じ「事前通告がない」ウソの常習犯
13徴用工問題は本当に解決済みなのか?
14竹田恒泰が慰安婦像に「鼻クソの刑」ツイートの愚行
15BTSファン「ARMY」がスゴイ!国境を超える連帯と勇気
16百田尚樹『日本国紀』にネットから総ツッコミ
17BTSを「ナチス礼賛だ」と歪曲攻撃したナチ信奉者たち
18入管法改正をめぐる安倍政権のデタラメ
19米・中間選挙を前に「トランプNO」ミュージシャンが続々
20ナベツネにいったい何が? 読売の異変

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄