『かぐや姫の物語』は#Me Too運動を先取りしていた? 小林麻耶と宇垣美里アナの心に刺さった高畑勲監督のフェミ的視点

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
小林麻耶と宇垣美里アナが高畑勲『かぐや姫の物語』に心を揺さぶられた理由! メディアで働く女性への性的抑圧の画像1
2017年4月、東京で行われた三上智恵監督とのトークイベントでの高畑勲監督(撮影=編集部)

 4月5日に亡くなった高畑勲監督の遺作『かぐや姫の物語』が、放送されている。

『かぐや姫の物語』は、アカデミー賞長編アニメーション賞にもノミネートされ、惜しくも受賞は逃したが、ピクサーのジョン・ラセターをはじめ、世界でも絶賛された。

 とくに昔話の「竹取物語」をベースにしながら、実験的なアニメーションの手法を駆使した映像表現が高く評価されていることはもとより、いま世界的に盛り上がっている#Me Too運動にも通じ得る普遍的なジェンダーの問題を描いているという意味で、高畑監督の鋭敏な批評性や弱者への視点が存分に発揮された作品でもある。

 本サイトでは、この『かぐや姫の物語』が描いたフェミニズム的な視点について、元TBSの小林麻耶とTBSの宇垣美里という2人の女性アナウンサーの感想を紹介しながら、考察したことがある。

 以下に再録するのでぜひご一読いただき、高畑監督の慧眼をあらためて感じてほしい。
(編集部)

********************

 財務省の福田事務次官によるセクハラ事件は、この国の権力の座に座っている男たちの下劣さを暴露しただけでなく、メディアで働く女性たちが受けている抑圧もあらためて浮き彫りにしたといえるだろう。取材をすれば、おぞましい性的な口説きや行為を受け、そのセクハラを告発すれば、“ハニートラップ”“セクハラが嫌なら、女に取材をさせるな”などと理不尽な攻撃を受ける。女性がいくら必死で仕事をしても、真っ当なことを主張しても、結局、性的な存在としか扱われない。性別に関係なく自由に能力が発揮できるように受け取られているメディアの世界だが、実際はきわめて根深い女性差別の意識に支配されている。

 この事件からそういった問題を考え始めたときに、思い出したのが4月5日に亡くなった高畑勲監督の遺作『かぐや姫の物語』のことだった。

『かぐや姫の物語』は昔話の「竹取物語」をベースにしながら、実験的なアニメーションの手法を駆使し、現代の社会にも通じる普遍的なジェンダーの問題を描いていることから、非常に高い評価を受けている作品だが、2人の女性アナウンサーがこの作品をまるで自分の物語のように受け止め、心に突き刺さったと告白しているのだ。

 たとえば、そのひとりがTBSの宇垣美里アナウンサーだ。ライムスター宇多丸がパーソナリティーを務めるTBSラジオの新番組『アフター6ジャンクション』が4月17日放送で高畑監督の追悼特集を放送していたのだが、そのなかで宇垣アナは、自身の心に残る高畑監督作品として『かぐや姫の物語』を挙げ、こう語った。

「日本最古の物語といわれている『竹取物語』が、こんなに現代を生きる女の人の話だったとはってことが非常に刺さって。なんでこのことを、オジさんの高畑監督が知ってるんだろうってことが、私も本当に不思議で。たとえば、『コレしちゃダメ、アレしちゃダメ』って教育係の人に言われるなかで、『高貴な姫は人ではないので』っていう言葉に、『あぁ、女って人ではないんだ』って思う瞬間がたくさんあったりとか。『女性はこういうふうにしなさい。こんな言葉使いはダメ。足を広げてはダメ』(と言われて)『好きにさせてくれ!』みたいな。人目を気にしなきゃいけないっていう部分が『そうだなぁ』って思ったりとか」
「見たこともない人たちに、『きっとブスだろう』『化物みたいかもしれない』『いや、すごく美人らしいぞ』。なんで見たこともない人にそんなことを言われなきゃいけないんだろうって。もう本当に見覚えがありすぎて、私そこで涙が止まらなくて。そこでかぐや姫が疾走するんですよね。あのシーンの、あの絵のエネルギーに圧倒されるし、その気持ちがものすごくわかるし」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

『かぐや姫の物語』は#Me Too運動を先取りしていた? 小林麻耶と宇垣美里アナの心に刺さった高畑勲監督のフェミ的視点のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。かぐや姫の物語宇垣美里小林麻耶酒井まど高畑勲の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍首相が施政方針演説でフェイク! 地方創生の成功例として
2 安倍首相が東京五輪聖火ランナーの原爆との関わりや平和への思いを無視
3 田崎史郎「桜を見る会」名簿問題で“民主党ガー”詐術、羽鳥慎一が思わず…
4 辛坊治郎パワハラ疑惑で坂上忍、木村太郎がトンデモ擁護
5 ル・モンドが安倍の歴史修正主義批判
6 葵つかさが「松潤とは終わった」と
7 安倍が日米安保改定60年で祖父自慢連発!でも岸信介の正体は…
8 久米宏が高まる東京五輪同調圧力に徹底抗戦!「大反対の気持ちは変わらない」
9 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
10 長渕剛が安倍政権を批判する新曲を発表
11 麻生太郎“単一民族”発言もアイヌを描いた『熱源』が直木賞受賞
12 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
13 松尾貴史「日本を壊しているのは安倍さん」
14 安倍の成蹊時代の恩師が涙ながらに批判
15 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
16 橋下徹に恫喝された女子高生が告白!
17 安倍の安保法制と岸信介の対米密約
18 会計検査院が森友への値引き過大と疑義
19 青山繁晴議員が「僕と握手したらガンが治った」と吹聴
20 IR汚職“起訴”の企業会長夫人と同姓同名の人物が進次郎、鈴木道知事に献金も
1久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
4明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
5『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
6『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
7『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
8文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
9埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
10安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
11菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
13安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
16『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
17GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
20『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄