安倍首相の嘘は「1月20日に知った」だけじゃない! 官邸の記録を破棄して首相秘書官と今治市担当者の面会疑惑を隠ぺい

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今治市担当者と会ったのは経産省出身の柳瀬首相秘書官だった

 当初は加計学園問題をこれまで通り知らぬ存ぜぬで押し切れると踏んでいたが、崖っぷちまで追い詰められてしまったいま、加計学園が獣医学部新設を目指していたことを「知っていた」とは口が裂けても言えなくなってしまった。実態はそんなところだろう。

 だが、安倍首相の「丁寧な上にも丁寧に説明をつづけたい」という言葉が紛れもない嘘であることがもっとも明らかになったのは、「官邸訪問した今治市職員は誰と会ったのか」という問題においてだ。

 今治市が公開した出張記録によると、今治市が国家戦略特区に選ばれる約9カ月前にあたる2015年4月2日に、今治市の企画課長と課長補佐が「獣医師養成系大学の設置に関する協議」のために内閣府などを訪問。その後、急遽「官邸訪問」が決まり、15時から16時30分まで官邸で打ち合わせを行ったことが記されていたが、肝心の打ち合わせ相手の部分は黒塗りとなっており、他方、萩生田光一官房副長官も前回の閉会中審査で「訪問者の記録が保存されていないため確認できなかった」と答弁。真相は闇に包まれていた。

 しかし、現在発売中の「週刊朝日」(朝日新聞出版)の記事では、今治市関係者が「面会したのは経産省出身の柳瀬唯夫首相秘書官(当時)」「柳瀬氏は今治市の担当者ら少なくとも3人と会い、『希望に沿えるような方向で進んでいます』という趣旨の話をした」と証言しているのだ。つまり、首相直属の秘書官が“今治=加計で太鼓判を押していた”というのである。

 そして、このスクープ記事を受けて、今回の閉会中審査には疑惑の柳瀬前首相秘書官が参考人として出席したのだが、その答弁は「私の記憶を辿る限り、今治市の方とお会いしたことはございません」というもの。その上で、安倍首相も、「今治市の職員の方が誰と面会したかは、すでに萩生田官房副長官が国会で答弁しているとおり確認できなかったと承知している」と答えたのだ。

 これを「丁寧な説明」とは誰も言わないだろう。官邸の訪問記録が残されていないこと自体が危機管理上あり得ない話であって、防衛省の日報問題同様、隠蔽されている可能性は高いが、そもそも国民に丁寧に説明する気があるのなら、早急に官邸で聞き取り調査を行って「誰が今治市職員と打ち合わせをしたのか」を明らかにすればいいし、あるいは今治市に黒塗り部分の開示を求めればいいだけ。こうした国民からの信頼を取り戻したいのなら真っ先にやるべきこともやらない理由は、「バレたらまずいから」にほかならない。

 また、安倍首相は、加計学園の獣医学部を「適切でオープンなプロセスを踏んで決定された。白紙にすることは考えていない」と宣言。これだけ疑惑が山積している状況にあって、まだそんなことを言うかと神経を疑わざるを得ないが、実際は「適切でオープンなプロセス」など踏んでいない。

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