安倍政権はやっぱり共謀罪を治安維持法にするつもりだ! 金田法相が「治安維持法は適法」と明言、処罰対象も次々拡大

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金田法相が「適法」と評価した治安維持法の実態

 たとえば、1928年の法改正では、最高刑を死刑とする厳罰化とともに「目的遂行罪」が設けられた。これによって、共産主義運動などに資すると見なされればあらゆる行為が処罰の対象となり、30年代前半には検挙者数が激増した。なお、この改正と前後する共産主義者の一斉検挙(3・15事件)の際などの激しい暴行については、本サイトでも以前、小林多喜二の小説を紹介しながら取り上げている。
【“現代の治安維持法”共謀罪が審議入り! 権力批判しただけで逮捕虐殺された小林多喜二の悲劇が再び現実に!】

 そうして日本共産党(とその目的に関連すると見なされた組織)を壊滅した治安維持法は、戦争へ突き進む政体とともに、さらなる運用の変貌をみせる。反戦・民主主義運動を新たな“敵”として創出し、これを取り締まったのだ。表現の自由の大家として知られる法学者の故・奥平康弘東京大学名誉教授は、30年代後半における治安維持法の「拡大解釈」についてこう記している。

〈第一は、反ファシズム・統一戦線とのかかわりのある組織と運動への治安維持法の適用である。当局はこのばあい、反ファシズム・統一戦線というのは、コミンテルンの命令するものであるから、すなわち日本共産党の活動の一貫であると強調する。けれども、当時の実情にてらしても、またのちの歴史からみればますます明らかに、日本の反ファシズム・統一戦線なるものは──もしそう称しうるものがあったとすれば──日本共産党の活動でもないし、等を支援する目的の活動でもなかった。市民的自由をまもり、民主主義を擁護しようとする試みであった。〉(『治安維持法小史』岩波書店)

 奥平氏は〈反ファシズム・統一戦線への治安維持法の適用は、このゆえに、同法が民主主義・自由主義へ適用されたことを意味するものにほかならなかった〉と続けている。天皇制の護持と私有財産否認の思想の壊滅を目的とし始まった治安維持法は、一般市民によるごく自然な反戦・民主主義運動の弾圧に利用されたのだ。

 さらに労働組合はもちろんのこと、右翼団体や宗教団体、司法関係者、役人、あるいは学者、編集者、芸術家なども次々と検挙されるなど、適用範囲は底が抜けた状態になる。41年の改正(いわゆる新治安維持法)では悪名高き予防拘禁制度が生まれた。これは2年の期間が設けられていたが、実際には無期にわたる拘禁を容易に科すことのできるものだった。

 ようするに、金田法相はこうした拡大的解釈・適用によって極めて深刻な思想弾圧や人権侵害をもたらした治安維持法を「当時は適法だった」の一言で済ませようとしたのである。民主主義国家の法務大臣としての資格が皆無と言わざるを得ないが、さらに強調しておかねばならないのは、この治安維持法ですら、政府は成立当初は“一般市民が対象になることはあり得ない”と説明していたという事実である。

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