『あの花』と『ここさけ』は自らのひきこもり体験から生まれた…脚本家の岡田麿里が告白した自伝が話題!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

『ここさけ』での母親のセリフも岡田麿里の体験から生まれていた

 太宰治『人間失格』では、他人を恐れるあまり道化を演じる主人公に同級生の竹一が「ワザ。ワザ」と、その道化がつくられたキャラクターであることを指摘し、主人公が発狂しそうになるシーンがあるが、岡田のこのエピソードはまさしくそれを彷彿とさせる。

 そして、偽りのキャラクターを演じることに疲れを感じ始めた彼女はついに学校を休み始める。そして、年に3、4回しか登校しない、本格的なひきこもり生活に突入するのだった。中学は登校拒否のまま卒業し、なんとか合格した高校も半年ほど通ってドロップアウト。

 24時間365日、家でふさぎ込んでいる日々。彼女はほとんどの時間を母親とともに過ごすことになる。そんな日々のなかで母との関係も悪化していく。

〈母親が気にしていたのはあやふやな未来ではなく、今現在の周囲の目だった。
「こんな子供がいるなんて、恥ずかしい」
 これは本当によく言われたし、母親が一番に傷ついているのもそこだったと思う。周囲から、私が今どうなっているか聞かれる。噂される。なにしろ当時、田舎では登校拒否児は本当に珍しかったので、ちょっとした珍獣扱いだった〉

『ここさけ』では、成瀬順が母の不在時に町内会費を徴収しにきた近所の人に対応してしまい(言葉が口から出てこないので異様にギクシャクしたやり取りになり近所の人は困惑する)、それを知った母が「私がいないときは呼び鈴鳴っても出ないでって言ったでしょ」「そんなに私が憎いの?」「もう疲れた」といったようなセリフを口にするシーンがある。ここまで、脚本家である岡田自身の経験を基にしているとは驚きだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

『あの花』と『ここさけ』は自らのひきこもり体験から生まれた…脚本家の岡田麿里が告白した自伝が話題!のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。ひきこもり新田 樹の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄