安倍内閣が前年の18倍の巨額「軍事研究」予算を閣議決定! 大学や科学者も軍事協力に前のめりに

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安倍晋三公式サイトより


 本日、2017年度予算案が閣議決定した。高齢者の医療費自己負担などを引き上げたことで社会保障費の自然増分から約1400億円もカットした一方、防衛費は5兆1251億円と過去最大に。なかでも目を見張るのが、軍事応用研究のための資金を大学などへ提供する「安全保障技術研究推進制度」に110億円の予算を盛り込んだことだ。

「安全保障技術研究推進制度」は2015年から開始された制度で、防衛装備庁が設定したテーマに基づいて大学や企業などから研究を公募、採択されれば研究費が支給されるというもので、同年は3億円を予算として計上。今年度は倍となる6億円がつぎ込まれたが、来年はこれをなんと一気に18倍も増額させたのである。

 だが、急速に「軍学共同」を押し進めてきた安倍首相にとって、この増額は既定路線だった。事実、自民党は今年6月2日に開かれた国防部会で同制度への予算を「100億円規模」に拡充させることを安倍首相に提言。他方、防衛省は同制度の「1件あたり3年間で最大3000万円支給」という内容を「1件あたり5年間で最大十数億円支給」へと拡大させることを計画。そして今回、110億円という予算が組まれたのだ。

 厳しい経営を余儀なくされて背に腹を変えられない大学や研究者の頬を札束で叩き、カネで釣ろうとする安倍政権の浅ましさ──。毎度ながらそのゲスっぷりには反吐が出るが、110億円という莫大な予算が意味するのは、この制度が「研究者版経済的徴兵制」だということだ。つまり、安倍政権は「戦争ができる国」づくりのために科学者を動員しようと本格的に動き出しているのである。

 しかも問題は、こうした学問の自由を踏みにじる安倍首相の狙いに対し、当の大学や研究者たちが手を貸している現実だろう。

 それを象徴するのが、日本の科学者の代表機関である「日本学術会議」会長・大西隆氏による、今年4月に開かれた総会での発言だ。

 日本学術会議は1950年に「戦争を目的とする科学の研究には、今後絶対に従わない」とする声明を発表、67年にも同様の声明を出している。しかし大西会長は「私見」としつつも、この声明を否定するかのように、こう述べた。

「国民は個別的自衛権の観点から、自衛隊を容認している。大学などの研究者がその目的にかなう基礎的な研究開発することは許容されるべきではないか」

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