今度は3歳児に暴力! 戸塚ヨットスクールの“体罰教育”を支持する石原慎太郎ら右派論客のグロテスクな狙い

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 事実、先に触れた田母神氏と戸塚氏の対談本のなかで、二人はこんなトンデモなアイデアを出し合い、盛り上がっていた。

〈戸塚 具体論をいえば、集団生活体験法のような法律をつくるのがいいでしょうね。
 田母神 それができれば、理想的ですね。
 戸塚 いちばんいいのは、小学校を全寮制にすることだと思います。先生は遠くから見守りながら、たとえば正しいイジメ方を教えていくんです。イジメられたら強くなりますから、イジメをなくしたらいけません。(中略)
 田母神 私の子ども時代の環境を再現させるわけですね。実現すれば、子どもたちにとってすばらしい環境となることは確実ですよ。
 戸塚 それともうひとつは、夏休みをもっとうまく利用する手があります。夏休みに、男の子なら自衛隊、女の子なら宝塚のようなところに合宿させるんです。そして、いわゆる通常の勉強は禁止する。こういう団体生活を行わせると、あれが得する、損するというような現象はなくなっていきます。〉

 石原氏も同様だ。前述の「文藝春秋」1983年8月号での対談のなかでなんともグロテスクな本音を語っていた。戸塚氏が、

「子供に対する扱いが、『子供は駄目なもんだ』ということで、日本はずっと戦前まで押し通してきたんです。戦後になって、急に子供の人権を認め始めたわけですね。その結果まずくなったんです。日本が二千年続けてきたことを、この三十年間だけ破っちまったんです。それでどうのこうのとか言っても、いまのほうが間違っとるのに決まっているんですね。どう考えても、人間がそれほど進歩しているとは思えないわけです」
「戦前の人が軍隊でとことんしごかれて、とんでもない実力を発揮できるすばらしい人間が、たくさんでき上がっているわけです」

 などと持論を展開すると、石原氏は全面肯定して、たとえばこう述べていた。

「戸塚さんは政治家にかわって、実にいいことを言ってくれているので、感謝しなければならないけど、安全保障条約が防衛の主体になっている国家、民族は、憲法に対する姿勢も子弟の教育でも他力本願になるんですよ」

 ようするに、彼らの体罰肯定論の延長線上にあるのは、戦後民主主義の否定であり、軍国主義教育復活なのだ。国の言うことに黙って従う国民をつくり、再び国のために国民が命を投げ出すような体制をつくりだすこと。それが目的なのである。

 教育の混乱に乗じて、再び大きくなっている体罰肯定論だが、こんなものに決して騙されてはならない。
(都築光太郎)

最終更新:2017.11.24 07:39

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

今度は3歳児に暴力! 戸塚ヨットスクールの“体罰教育”を支持する石原慎太郎ら右派論客のグロテスクな狙いのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。体罰戸塚ヨットスクール戸塚宏石原慎太郎都築光太郎の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄