表現者ネットワーク(AVAN)代表・川奈まり子インタビュー

強要問題で自主団体を設立した元AV女優が法規制に反論!「権力の介入はAV 業界をさらに危険な場所にする」

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──ただ、川奈さんは、HRNの報告書が出て、この強要問題が話題になり始めたとき、「HRNは4年間での被害件数を93件としているが、AVの年間発売タイトル約2万件という数字のなかでは、非常に低い数字」と発言するなど、「数が少ない」「レアケース」ということを強調していました。強要問題を小さく見せようとしているんじゃないかという批判もありましたが。

「そこは反省していて、数が少ないことを主張しても意味はないなって。実は、この強要問題が話題になったとき、業界のなかの人間のほとんどは出演強要が起きていることを本当に知りませんでした。30年前ぐらいの業界を知っているベテランの方が、当時のことを思い返して『出演強要はあった』とおっしゃったりもしていますが、90年代後半以降に業界に入った私たちの大半はそういった被害を見聞きしたことがありません。だから、最初は私も、こういったのは本当にレアケースだと主張してきたんです。
 でも、いまは、それは違うなと思うんです。多いか少ないかじゃない。起きていることそれ自体が問題なのであって、出演強要被害など1件も起こしてはいけないんだと」

──そう思うようになったのはなぜですか?

「私はすっかり忘れていたんですけど、この問題について夫(AV監督の溜池ゴロー氏)と話しているときに言われて思いだしたことがあるんです。
 昔、私に惚れちゃってた監督がいたんですけど……、これ私のうぬぼれじゃないですよ(笑)。本当のことなんです。その方が、私が溜さんとハメ撮りした『美熟女まり子 プライベートセックス~48時間の愛~』という作品が売れた後にハメ撮りの企画をもってきたんです。メーカーも『プライベートセックス』が売れてた時期なのでOK出して、二人っきりでハメ撮り旅行に出たんですね。そしたら、その監督、カメラ回してないところでも襲ってきてね。私も身体がデカくて強いもんだから、取っ組み合いの大ゲンカになってね。『訴えますよ!』なんて言って。
 その話を夫から言われて思いだして、確かにあれは強要被害に遭いかかっていたなって。私は気も強いし身体も強いから大丈夫だったけど、もしも気が弱い子だったらどうなってたんだろうって」

──川奈さん自身、振り返れば出演強要一歩手前の状況になった経験があったと。

「あと私がAV業界に入るときの状況も、よく考えれば出演強要になりかねないものでした。私が業界に入ったのって、セックスフレンドが『一緒にAVに出て、自分たちの愛の記念にしよう』とかアホなこと言い出して、私も『いいねいいね』なんて言って面接受けたことがきっかけなんですね。
 でも、彼はその後いきなり『俺のためにAV業界で働け、ギャラの7割よこせ』などと言い出した。ここで私が泣く泣く出てたら、まさしく出演強要被害になる。でも、私はそのとき運良くスカウトされ、いい事務所と巡り会って、その男を撃退し、そんな状況では出演せずに済んだ。でも、AVには出演してみたかったから、AVにはそのまま出ることになった、という経緯があるわけですね。これも、もしも気が弱い子だったらどうだっただろうねって思うんです。あのまま泣き寝入りしてたら、あの男にどんどん金を貢ぐなんてことにもなりかねなかった。
 だから、いまの健全化されたAV業界に出演強要被害なんてないと決めつけるんじゃなく、起こり得るし、実際、やっぱり起きている。だから、もうこの先1件も起こさないためにどうすればいいかを考え、行動するべきで、そのためにAVANをつくったんです」

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