AV女優・上原亜衣が“痴女”演技のためにした勉強とは…「痴女の淫語」は水道橋博士も通った風俗店で生まれた

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 彼女は体験を通じて「淫語」というものが「痴女」の演技においていかに大事なのかを説明しているわけだが、アダルトメディアを中心に20年以上執筆活動を続けているライターの安田理央氏も『痴女の誕生』(太田出版)で、〈最も大事な能力は、淫語力〉と綴り、痴女演技においていかに「言葉」が大事かを強調している。そしてさらにそのなかで、この「淫語」の魔力をAV界に持ち込んだのは、池袋のとある性感マッサージ店の従業員たちであったという驚きの過去を明かしている。

『痴女の誕生』のなかで安田氏はまず、現在痴女プレイとして一般的に認知されている型を一気に広げたのは、1991年に発売された代々木忠監督『性感Xテクニック』に出演した南智子であったと語る。

「ほら、こんなにビンビンになってるよ、乳首、ねぇ、ここ、みんなに見せちゃおうよ」。『性感Xテクニック』では、発表から25年近くの時が経ったいまでも十分通用するような淫語を使った痴女演技が展開されており、現在ジャンル化されている「痴女」はもうこの時点で完成されていたと言える。

 そんな南智子の演技だが、これは彼女ひとりが独力で完成させたものではない。安田氏は当時を振り返る証言から、このプレイスタイルが彼女の勤めていた性感マッサージ店「乱コーポレーション」の従業員たちによって磨き上げられていたものであることを突き止める。余談だが、その「乱コーポレーション」には、南智子にハマった浅草キッドの水道橋博士も訪れたことがあるという。

 南智子と同じ「乱コーポレーション」出身で、彼女とともに黎明期の痴女系AV界で活躍した女優のひとり、三代目葵マリーは『痴女の誕生』のなかで、店のスタッフ全員でその「淫語力」を磨き上げていった経緯を明かしている。

「講習は、ひと通り先輩のプレイを見せられて、そのままパクりなさいって言われましたね。あの店は、個室の壁も薄くて隣の部屋のプレイが丸聞こえなんですよ。それで他の子の言葉なんかをどんどん取り入れるんです。あとで控え室で『あの言葉いいねー』みたいな話してましたね。乱の言葉責めっていうのは、そうやってみんなで少しずつ作り上げていったんですよ、あの頃はみんな向上心があって、どんどんいいプレイをしようって、みんな思ってましたね」

「乱コーポレーション」がつくりあげた淫語プレイに魅せられたのは代々木忠監督だけではない。95年から20年近く大ヒットシリーズ『私は痴女』をつくり続け、「痴女」ジャンルをAV界に根付かせた第一人者であるゴールドマン監督は前掲書のなかでこのように答えている。

「性感の女の子たちのプレイがすごく面白くて、じゃあ、これを独立させて作品にしてみようというのが『私は痴女』なわけなんだけど、最初はどうやっていいのか全然わからなくて手探りでしたね。無名の企画女優を使うんですけど、それまでそんな演技をしたことないから、どんな態度でどんな言葉を言えばいいのか全然わからない。だから結局、性感マッサージ店の女の子に出てもらったりしてたんですよ。で、AV女優の子にも、そのプレイを参考にしてもらったりして」

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