「お前はどっちの味方だ」山口組分裂で板挟み…ヤクザ専門ライターが明かす暴力団に支配された実話誌の実態

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
yakuza_151014.jpg
鈴木智彦『ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記』(ミリオン出版)

 山口組の分裂騒動が混迷の度合いを増している。

 先月15日に新宿歌舞伎町で起きた小競り合いを皮切りにしばらく続いていた膠着状態が破られ、以降20件以上の諍いが起きている。結果、今月7日には、警察庁が両団体は「対立抗争状態」にあると認定するにいたった。その後も、14日には富山市の住宅街で発砲事件が発生。これから激化する抗争を見越して拳銃の密売価格が高騰しているとの情報まで出始めている。

 昨年の山口組分裂騒動以降、暴力団に関する報道が一気に加熱。「週刊大衆」(双葉社)、「週刊実話」(日本ジャーナル出版)、「アサヒ芸能」(徳間書店)といった、これまで継続的にヤクザ報道を掲載していた実話系雑誌のみならず、一般誌や大手新聞まで盛んにこの件を報道し続けているのはご存知の通りだ。

 その渦中、ヤクザ取材をメインに活動している記者やライターはどんなカオスに放り込まれていたのか。『ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記』(ミリオン出版)や『潜入ルポ ヤクザの修羅場』(文藝春秋)などの著書をもつライターの鈴木智彦氏は「創」(創出版)2016年4月号で、その舞台裏を綴っている。

〈山口組の分裂は、私を含め、暴力団記事を生業とする書き手の全ての仕事と収入を増加させた。しかし、同時に大きな試練にもなった。分裂報道では、中途半端な立ち位置が通じない。平時の時の記事とはなにもかもが異なる〉

 神戸山口組の側に立って記事を書くのか、それとも、6代目山口組の味方をして記事を書くのか。ヤクザ取材を行う者たちは、山口組取材において微妙なポジション取りを迫られることになる。

〈山口組にとって、分派した神戸山口組は造反者であり、裏切り者であり、自分たちの名を語る不届者である。逆にいえば、神戸山口組にとって、古巣の山口組は我が身を捨て、戦って当然の仇敵なのだ。敵味方に分かれた以上、どちらかの優位を書けば、そのまま反対側の不利をあげつらうことになる。下手をすれば、相手側を取り上げるだけで反対側の不平不満を誘発する。
「神戸山口組やと! 神戸は山口組の本拠地や。パチモンを神戸言うな!」
 対話の中で理不尽に怒鳴られたことは数知れない。いちいち真に受けていたら病むので、適当に流す〉

 山口組分裂に際し、メディアを媒介した「情報戦」が行われていたのだが、それは同時に、記者やライターに「苛酷な板挟み状態」を生み出したのだ。鈴木氏は当サイトの取材に対して、その体験をこう振り返る。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ヤクザ専門ライター 365日ビビりまくり日記

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

「お前はどっちの味方だ」山口組分裂で板挟み…ヤクザ専門ライターが明かす暴力団に支配された実話誌の実態のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。井川健二山口組暴力団裏側鈴木智彦の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍首相「黒川検事長の“訓告”は検事総長の判断」はやはり嘘だった
2 松本人志が「黒川検事長は新聞記者にハメられた」と陰謀論で擁護!
3 三浦瑠麗の〈#検察庁法改正案に抗議します〉攻撃の間違いを徹底検証
4 検察庁法案改正賛成でわかった維新と吉村洋文知事の正体!
5 検察は河井克行を逮捕できるのか? 捜査は買収の原資“安倍マネー”に
6 内閣支持率「27%」だけじゃない、安倍政権の危機を表すデータ
7 テラスハウスの出演者がセクハラ告白
8 箕輪のセクハラを告発した女性が暴露したエイベックス松浦の疑惑
9 河井克行前法相は東京の“緊急事態宣言解除”の直後に「逮捕許諾請求」
10 田崎史郎が“黒川検事長と賭けマージャン”を正当化!
11 官邸が黒川検事長の“賭け麻雀”を悪用、稲田検事総長に「辞職」圧力
12 窮地の安倍首相が櫻井よしこの「言論テレビ」に逃げ込み嘘八百!
13 葵つかさが「松潤とは終わった」と
14 “番犬”黒川検事長の定年延長で安倍政権がやった犯罪行為を検証
15 検察OB意見書にあったロックの言葉を訳した安倍の大学時代の教授が
16 検察庁法改正でダダ漏れ指原莉乃の政権批判を封じたい本音
17 黒川検事長と賭け麻雀、産経記者が書いていた黒川定年延長の擁護記事
18 自民党がネトサポに他党叩きを指南
19 佐川不起訴の裏に法務省の官邸代理人
20 河井克行前法相と案里議員の違法選挙は安倍首相ぐるみだった
1官邸が黒川検事長の“賭け麻雀”を悪用、稲田検事総長に「辞職」圧力
2窮地の安倍首相が櫻井よしこの「言論テレビ」に逃げ込み嘘八百!
3検察は河井克行を逮捕できるのか? 捜査は買収の原資“安倍マネー”に
4検察庁法案改正賛成でわかった維新と吉村洋文知事の正体!
5田崎史郎が「#検察庁法改正に抗議します」で“黒川と安倍は近くない”と嘘
6安倍応援団の攻撃に怯まない「#検察庁法改正に抗議します」の有名人たち
7松本人志が「黒川検事長は新聞記者にハメられた」と陰謀論で擁護!
8検察庁法改正で松尾元検事総長が安倍首相を「中世の亡霊」と批判!
9三浦瑠麗の〈#検察庁法改正案に抗議します〉攻撃の間違いを徹底検証
10検察庁法改正が抗議の声を無視し強行採決へ! 安倍首相は嘘八百会見
11黒川検事長と賭け麻雀、産経記者が書いていた黒川定年延長の擁護記事
12検察OB意見書にあったロックの言葉を訳した安倍の大学時代の教授が
13内閣支持率「27%」だけじゃない、安倍政権の危機を表すデータ
14河井克行前法相は東京の“緊急事態宣言解除”の直後に「逮捕許諾請求」
15田崎史郎が“黒川検事長と賭けマージャン”を正当化!
16安倍首相「黒川検事長の“訓告”は検事総長の判断」はやはり嘘だった
17国会で井浦新、宮本亜門の批判を突きつけられた安倍首相が…
18加藤清隆、百田尚樹ら「#検察庁法改正案に抗議します」攻撃のトンデモ
19 百田尚樹と対照的! 橋本愛が「文化・芸術は死んだ心を生き返らせる」
20検察庁法改正でダダ漏れ指原莉乃の政権批判を封じたい本音

カテゴリ別ランキング


人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄