いよいよ佳境『あさが来た』 広岡浅子が訴えていた“軍国主義批判”“反戦”のメッセージは描かれるのか?

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 キリスト教信者であることに裏打ちされた、浅子の“平和主義”。象徴的なのは、こんな言葉だ。

〈今後は国の政治であれ、国際間の関係であれ、この軍国主義を捨て、愛をもって互いに仕えあう境地に進まなければなりません。日中間をはじめ、日米間にも永久の平和が結ばれるようにと祈ってなりません〉(「婦人週報」1919年1月17日号)

 浅子が亡くなったのは、この文章が発表される直前のこと。その後、平塚らいてうや、浅子が主宰した勉強会に参加した市川房枝、『赤毛のアン』翻訳者の村岡花子ら“進歩的”な女性たちは、戦争に協力的、あるいは積極的にかかわっていった。浅子が女も戦時体制にのまれた時代に生きていたら、果たしてどんな言葉を遺したか、それはわからないが、“軍国主義を捨て、永久の平和を”というメッセージはいま、この時代にも重みをもって響くものだ。──問題は、現在のNHKに浅子の平和を願うメッセージを伝える気概があるかどうか、だけかもしれない。
(水井多賀子)

最終更新:2017.11.24 08:37

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