作家・島田雅彦が安倍批判小説を発表!「安倍自民はルペンやネオナチと同じ極右」との批判も

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「Amazon.co.jp」島田雅彦:著者略歴ページより


 今年2月、芥川賞作家の田中慎弥氏が安倍晋三首相をモデルにしたディストピア小説『宰相A』(新潮社)を発刊、話題となったが、今度はあの大物作家が安倍首相をモデルに小説を発表したと注目を集めている。

 その小説のタイトルは、『虚人の星』(講談社)。主人公は中国のスパイとさせられた多重人格者の外交官なのだが、そこに、暴走する世襲総理・松平定男が絡むというストーリーだ。執筆したのは、現在、芥川賞の選考委員を務め、安保法制にも反対を表明している作家・島田雅彦氏である。

 3代にわたる政治一家の生まれで、血筋のよさだけで選ばれた総理大臣──そう言われるとたしかに安倍首相の顔が浮かんでくるが、島田氏が同作とほぼ同時に発売した『優しいサヨクの復活』(PHP)の記述によると、小説は〈第二次安倍政権の暴走を横目で見ながら〉執筆したものの、〈(作中の総理は)安倍晋三に似ていなくもないが、安倍自身がコントの類型化された人物のようで、風刺の対象にすらならなかった〉とのこと。

 というよりも、この小説内で松平首相が発表する「談話」は、島田氏からの〈現政権へのアンチテーゼ、現政権の安全保障政策への代案〉なのである。

 その「談話」の中身とは、まず、敗戦後ずっとアメリカに占領され、奉仕してきた対米従属から日本が脱却することが明言される。そして、アジアへの植民地支配・侵略の謝罪とともに、〈アジア諸国共通の歴史観の構築を努力〉することが語られ、領土問題、とりわけ尖閣諸島については〈日中合意の下、領有権問題を再度、棚上げすること〉を提案し、〈両国が互いに軍事衝突を避ける努力をすることを確認した上で解決に向けた多様で、柔軟な可能性を探る〉ことが指し示される。

 さらに日米安保については、〈沖縄の米軍基地のグアム移転〉の推進を述べ、〈アジア太平洋地域の安全保障は日米安保体制を維持するだけでは不十分〉とし、〈日中平和友好条約を安全保障上の連携にまで発展させることも考慮し、同時に中国の軍備拡張に不安を抱えるアジア諸国と連携も強化し、理性的なアジア共同体構築に向けた外交努力を続けてゆく〉ことを表明するのだ。

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