「あまちゃん」の作曲家もパンクのカリスマも…安保法制と安倍政権にNOを突きつけるミュージシャンたちの深い思い

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 そして、〈戦後の恩恵を受けた僕ら四〇〜五〇代以上の世代〉はまだしも、〈その子どもの世代にまでそんなツケを残すのはよくない〉という。彼らには責任はなく、しかも不景気で不安定な社会に放り出され、挙げ句、戦争法案によって武力を行使する役目を担わされそうになっているからだ。

〈これで腹がたたなかったら逆におかしいってもんだ。なんで先達の無責任のツケを孫が払わなくてはいけないのよ。彼ら彼女らがデモをするのは当然だ〉

 安倍首相は戦後70年談話のなかで「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と述べた。この安倍談話と大友氏の文章は、同じ“戦後”を振り返り“次の世代”に思いを馳せながらも、こうも違う。大友は次の世代のためにも自信を取り戻すことを提唱する。そう、安倍首相が言う「日本を、取り戻す」とは異なる方法で。

〈戦争にしろ原発にしろ潔く負けを認めること。その上で科学技術と思想をもって原発の問題に正面から向かうこと。武力行使で国際貢献するのではなく、自分たちの過去の歴史とともに憲法九条がなんで必要なのかを考え、子孫にも「戦争放棄」の思想を残していくこと。きれいごとと言われるかもしれないけど、きれいごとの何が悪いと思う〉

 戦争法案への抵抗の仕方は三者三様だが、根底ではすべてつながっている。彼らはみな、自分の問題として戦争を捉え、反対している。

 彼らの音楽をフェスやライブやクラブで自由に楽しめるのも、平和といういまがあるからだ。もし、いま戦争反対の声を冷笑している人がいるならば、こうしたミュージシャンたちから投げかけられた言葉を噛みしめてみてほしい。ほかならぬ、自分の問題としてだ。
(新田 樹)

最終更新:2015.09.16 11:51

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