日本テレビにもこんな記者が! 清水潔に「ジャーナリズムを貫くための闘い方」を訊く(後)

調査報道に挑み続ける名物記者が安保法制に沈黙するマスコミ人を叱咤!「所属なんて関係ない、自分の考えを語れ」

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清水潔『殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件』(新潮社)

(前編はこちらから)

 桶川ストーカー殺人事件、北関東連続幼女誘拐殺人事件など、何度も警察・司法発表の「ウソ」を暴き、スクープを積み重ねてきたジャーナリスト・清水潔。彼が闘ってきた相手は役所や権力機関だけでなはない。週刊誌記者時代から日本テレビに所属する現在まで、一貫して「記者クラブ」に代表されるマスコミの談合的体質と闘い続けてきた。

 1949年、「公共機関に配属された有志」による親睦社交を目的として新聞協会によって結成された記者クラブ。位置づけとしてはあくまで報道機関同士の「友好団体」であり、法的な実効性はない。しかし、実際には記者クラブが一部のメディアの取材拠点になると同時に、他メディアへの排他的な効果を発揮することも珍しくない。最近では、金銭トラブルを報じられた元自民党の武藤貴也議員が釈明会見で自民党記者クラブ・地元滋賀の県政記者クラブに非所属の記者らを会場から閉め出し、問題となったのが記憶に新しいところだ。

 桶川事件での清水の取材がのちに「調査報道」と呼ばれるようになったのも、当時週刊誌記者だった清水が記者クラブに非加盟だったことを理由に、警察から取材拒否をくらったことが発端となっている。

 新刊『騙されてたまるか』(新潮新書)には、こんなエピソードが紹介されている。1992年、週刊誌記者だった清水が当時の埼玉県知事引退会見を取材するため県庁に赴いたところ、クラブ幹事社の時事通信記者から「会見は記者クラブ員だけです」と門前払いをくらった。無視をして会場に向かったところ、今度はなんとクラブの所属記者らによって怒号を浴びせられたというのだ。

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騙されてたまるか 調査報道の裏側 (新潮新書)

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