【特別企画】3・11を風化させるな! 被災地で原発で何が起きているのか

被災者はモルモットか? 東北で復興に便乗した社会実験、人体実験が始まっている

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 このときに生まれた言葉が、いま東日本大震災復興で国の基本方針にもなっている「創造的復興」だ。しかし、医療ツーリズム構想は医師会などから人道的な問題があるなどと猛反対を受けて敢えなく頓挫する。神戸空港の利用者は当初予測の半分で、完全な赤字空港になっている。多額の補助金を受けて開設された国際医療開発センターは医療産業都市の基幹施設のひとつだったにもかかわらず、オープンから1年も経たずに破綻した。ポートアイランドの土地は値下げしても借り手がつかず、いまもガラガラの状態だ。

 1995年の阪神・淡路大震災で生み出された「創造的復興」が何の反省も検証もなく20年後の東北に亡霊のように蘇った、と著者の古川は見ている。

 具体的にどんなことが起きているのか。古川が最初に違和感をもったのが「神戸医療産業都市構想」を彷彿とさせる「東北メディカル・メガバンク構想」だ。約500億円もの復興予算を使って行われる文部科学省管轄下の巨大プロジェクトで、柱となるのは大規模ゲノムコホートとバイオバンクの複合事業である。といってもいったい何のことだかわからない人も多いだろう。要は、ある特定の地域に住む人たちの遺伝子情報をデータベース化した上で、長期間に渡って追跡調査し、特定の病気の発生率や要因と病気の関連などを調べる研究だ。親子孫の三世代に渡るゲノムを採って解析し、将来の予防医学に役立てるという。

 文科相によると、このプロジェクトは、医療不足解消とのセットになっているという。もともと慢性的な医師不足だったところを震災が襲い、多くの病院が被災し、診療所が流出するなど壊滅的な打撃を受けた。被災3県では震災から2年経った時点で300人以上の医療従事者が立ち去った。そこに持ち上がったのが、前述の東北メディカル・メガバンク構想だ。どういうことかというと、ゲノム研究を目的に集まってきた若手研究者を地域医療の支援にも回そうというのである。

 これだけ聞くと医療の充実を待ち望む被災者にとっては福音にも聞こえるが、騙されてはいけない。地域の健康支援に巨額の復興予算を使うといっても、この構想で一番メリットがあるのは被災者ではなく、研究者、大手建設会社、研究関連企業だということ。被災地のニーズではない研究の“おこぼれ”として地域医療の支援をするというのは、順番が逆なのだ。しかも、実際に調査対象となる被災者にはゲノム研究の説明がほとんどされていないというのである。古川が取材した中には、一般的な健康診断で「遺伝子検査」とは認識しないまま承諾書にサインさせられ、採血に応じた人もいた。ちなみに、ゲノム採取に応じれば1000円分の商品券がもらえる。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

東北ショック・ドクトリン

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

被災者はモルモットか? 東北で復興に便乗した社会実験、人体実験が始まっているのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。復興税金被災地野尻民夫震災の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍こそ政治の犠牲になった国民を「悼む気持ち」のない冷淡政治家だった
2 高橋治之と安倍晋三は親戚関係だった!安倍家の自宅購入資金も高橋弟が捻出
3 岸田首相が性差別発言や統一教会擁護の安倍応援団・小川榮太郎をブレーンに
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 テレ朝で『モーニングショー』統一教会報道中止、ネット動画削除!
6 統一教会問題で下村博文と山谷えり子の呆れた開き直りと嘘
7 中山美穂ラブラブ写真に辻仁成は
8 NGT山口真帆が秋元康と指原莉乃に謝罪の謎!
9 元家族会の蓮池透が「安倍は嘘つき」
10 上西議員と佳子さまのメイクが同じ!?
11 小川榮太郎の安倍擁護本を東京地裁が14カ所も「真実性なし」と認定!
12 統一教会とズブズブ萩生田「政調会長」に批判殺到!一方、テレビは…
13 KADOKAWA夏野剛社長に新たな暴言が発覚! 一方、森喜朗には…
14 安倍晋三が「赤木ファイル」を冒涜するツイート!
15 すぎやまこういち死去報道で封印された歴史修正主義と性差別肯定発言
16 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
17 辻仁成が告白「彼女に新しい人が…」
18 統一教会が安倍トランプ会談を仕掛けた
19 東京都が東京五輪の観戦に子ども81万人を動員! 感染拡大中に通達
20 森喜朗200万円受領問題だけじゃない! 五輪招致買収や神宮再開発利権も
1高橋治之と安倍晋三は親戚関係だった!安倍家の自宅購入資金も高橋弟が捻出
2安倍こそ政治の犠牲になった国民を「悼む気持ち」のない冷淡政治家だった
3岸田首相が性差別発言や統一教会擁護の安倍応援団・小川榮太郎をブレーンに
4 統一教会問題で下村博文と山谷えり子の呆れた開き直りと嘘
マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄