年末特別企画 リテラの2014年振り返り

メディアタブー大賞発表!2014年、マスコミは何を恐れ、何を隠蔽したのか?

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★5位★ 原発タブー完全復活! 報道されなくなった原発の危険性と不祥事

 原発再稼働を掲げた安倍政権とともに完全に息を吹き返した原発タブー。いまや、ほとんどの新聞、テレビで原発批判はタブーになってしまった。原発に関する批判や不正、放射能などによる健康被害を報道するのは全国紙では朝日と毎日、テレビでは「報道ステーション」だけ。その結果、どんな危険な実態や悪質な不正が明らかになってもなんの追及もされずに、フェードアウトしてしまう。
 たとえば、今年7月、元関西電力副社長の内藤千百里氏が、歴代首相に毎年2000万円もの裏金を手渡していたという事実を朝日新聞が暴露したが、この朝日のスクープを後追いするメディアは皆無。他の大手新聞各社はもちろん、テレビや週刊誌、大手ネットニュースなどもスルーだった。
 また、福島県南相馬市などでは、住民が帰還しているにもかかわらず、今も10マイクロシーベルト以上という恐ろしく高い線量の場所があることも判明。除染が進んでいないどころか、膨大な予算が投入されている除染が利権と不正の温床と化している実態も明らかになっている。ところが、この事実も新聞やテレビではほとんど報道されていないのだ。
 健康被害についても同様だ。福島県の調査では甲状腺がんと確認、あるいは疑いありとされた子どもが100人を上回るという衝撃的な結果が出たほか、さまざまな健康被害の情報が流れているが新聞やテレビは黙殺。それどころかネットなどではこうした情報を紹介しただけで「放射脳」というレッテル貼りをされ、トンデモ扱いされる始末だ。
 こうした背景にはもちろん、安倍政権=官邸からの圧力がある。原発の危険性を指摘するだけで、即座に「偏向ではないか」という圧力が加わるのだ。実際、川内原発の再稼働決定に際して、『報道ステーション』(テレビ朝日系)が原子力規制委員会の「火山活動の影響が及ばない」という判定を追及したところ、田中俊一委員長の官僚的な受け答えを編集で強調しただけで、規制委から抗議を受け、社長が謝罪。BPO審議対象になるという事態も起きている。
 さらに、こうしたメディアの原発への弱腰の裏には電力会社の広告、PR攻勢が再開されたということもあるようだ。新聞や雑誌には原発広告が並び、再稼働に向けた推進活動が活発になってきている。あの東京電力までが原発事故後から封印していたマスコットキャラクター「でんこちゃん」のFacebookページを開設した。
 電力会社が新聞やテレビ、雑誌に膨大な広告費を投入し、対するメディアが原発に批判的な論調をシャットアウトしてきた事実は、福島の原発事故後さんざん批判されたはず。なのに、またカネに目がくらんでマスコミは再稼働に疑義を呈することもなく、不都合な真実を隠そうとしている。根っからマスコミは腐っているとしか言いようがない。

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