出馬表明の石原慎太郎がアメリカのスパイに操られているとの告発本が

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「ヘリテージ財団は単なる研究所ではない。スパイ活動と関係しているのだ」
「ヘリテージ財団は共和党系で最も力の強い研究所である。軍の増強を強く主張する研究所でもある」
「米国諜報機関のCIAや軍諜報機関のDIAを経験した者が勤務している」

 ヘリテージ財団は米国右派の拠点であり、非合法のスパイ活動も支援するという諜報機関の巣窟だというのだ。

 だが、一方の石原はというと、著書『「NO」と言える日本』(光文社)でも明らかなように、対アメリカ強硬論者として知られている政治家だ。その石原が“敵”の、しかも”スパイ”の拠点で「尖閣国有化」をブチ上げただけでも驚きだが、さらに驚くのはこの講演には仕掛け人が存在したことだ。

「米国国務省と石原知事の間を取り持ったのがメイ教授である」

 現在、スタンフォード大学名誉教授だという”メイ“は1972年、早稲田大学政経学部のリサーチ・アシスタントとして来日した。メイは流暢な日本語を話せたこともあり次第に日本社会の中心部に食い込んでいく。そして「日本の首相に会おうと思えばいつでも会える」立場を築いていったという。そんなメイに目を付けたのが米国諜報機関だった。

「米国の諜報機関がこうしたメイを放置しておくわけがない。彼はCIAと密接な関係を持ち始めた」

 いわばメイは“米国のスパイ”になったわけだが、そんなメイと親密になり、それを自慢しているのが他ならぬ石原だった。ある時メイは石原にヘリテージ財団での講演を提案する。

「(講演で)中国に対して厳しい発言をすれば、米国の保守系から大歓迎される」
「何か厳しい処置を具体的にとれれば、それほど素晴らしいことはない」

 石原の性格や“懐柔策”をメイは熟知していた。

「彼ほど評判と実体とが異なる政治家も珍しい。石原は一九八九年、ソニーの盛田昭夫会長と共に『「NO」と言える日本──新日米関係の方策』(光文社)を出版した。これで多くの人は対米強硬派と思っている。しかし実際は米国の評価を実に気にしている」
「彼には米国での評判が高くなる方法を教えればいい」
「自尊心をくすぐればよい」。

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